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WebOTXイイトコ!!特集
企業のビジネスそのものを外部公開する「API」が大きな潮流となり、API公開やAPIエコノミーという言葉をよく目にするようになりました。そのような中、APIを効率よく開発・運用するAPI Management製品が登場しています。
今回は、システム連携分野で従来から活用されてきたESB製品と近年登場したAPI Management製品の関連について紹介します。
API公開ってどういうこと?
北米でAPIを介した新たなビジネス商圏「APIエコノミー」が発達しています。日本でも、金融機関にAPI公開の努力義務を課した銀行法改正や総務省のオープンデータ戦略など、異業種民間企業が連携し新たなイノベーション創出につなげ経済成長を促進する政府の動きが加速しています。
従来の銀行オンラインサービスとAPI化されたオンラインサービスの違いを次の図で簡単に説明します。
従来は、銀行が提供するオンラインサービス(インターネットバンキングなど)をユーザーが直接利用する形態でした。しかし、銀行がAPIを公開すると、それを活用してフィンテック企業など周囲のプレーヤーが新しいサービスを提供できるようになります。周囲のプレーヤーにとっては銀行が提供するAPIを活用することで新たなビジネス創出のチャンスとなり、銀行にとっては自社のサービスや商品が他社経由で利用・購入されることで従来にはなかった顧客獲得のチャンスが広がります。
API Management≠Enterprise Service Bus
あるシステムを別のシステムから利用できるようにする、という側面だけに注目するとAPI ManagementはSOA実現に必要とされたエンタープライズ・サービス・バス (ESB)と似ています。ところが実際には、API ManagementとESBは別々の製品として構成され、両方を組み合わせて使います。その理由を各製品の機能の観点から簡単に解説します。
API Management製品は、企業内のサービスから外部に公開するAPIを開発するAPI作成の機能、APIの管理・監視・スケーリングなど実行にかかわる機能、認証・認可や利用者ごとの流量制御など安全にAPIを公開するための機能、APIの利用状況を分析する機能、などが必要になります。これらは、企業内のシステム連携にフォーカスして発展してきたESB製品では提供されていません。
一方、ESB製品は、社内の多様なシステムを統合する役割から、プロトコル変換、データフォーマット変換、メッセージ内容にもとづいたルーティングの機能、複数システム呼び出し時のエラー処理やトランザクション連携などの機能が充足しています。しかし、API Management製品はHTTPベースのプロトコル(REST APIやSOAP)で単一のシステムを呼び出す機能しか持っていないことが多く、HTTP以外のプロトコルによる社内システムの呼び出しや複数システムを統合するケースには適していません。
API Management製品とESB製品の連携のイメージ
API Management製品の後段にESBを配置する構成をとることで、企業内の多様なシステムを社外にAPI公開することが可能となります。
まとめ
API公開を実現する製品としてAPI Management製品が登場していますが、従来のESB製品の役割を包含するものではありません。ESBは、API Managementから呼び出される形で活躍の場を拡大していきます。
提供製品・バージョン
- WebOTX Enterprise Service Bus V9.3
キーワード
- API公開
- APIマネジメント (API Management)
- APIゲートウェイ (API Gateway)
- ESB
- FinTech
- 銀行API