7. 管理と保守

7.1. ファイル管理のためのサーバー準備

ファイル管理には、以下プロトコルが使用できます。

プロトコル

対応できる内容

SCP

ファイル転送、バージョンアップ

TFTP

バージョンアップ

HTTP

バージョンアップ

HTTPS

バージョンアップ

別途サーバーが必要になります。

本製品と通信できる状態の端末(パソコンなど)に、SCP/TFTP/HTTP/HTTPSサーバーをご用意ください。

ファイル管理を行うためには、本製品には最低限以下の設定が必要です。

  • IPアドレスの設定

  • インタフェースの有効化

メモ

Webコンソール、USBメモリ、NetMeisterを使用してファイルを転送する場合、サーバーは必要ありません。

7.2. コンフィグの管理

動作中のランニングコンフィグはDRAMに保持されており、本製品の電源が切れると消失します。

次に電源を入れたときにも同じ設定で起動させるには、ランニングコンフィグの設定内容をストレージのスタートアップコンフィグに保存する必要があります。

ストレージの内容は、電源がOFFになっても消失しません。

注意

不意の電源OFFなどに備え、ランニングコンフィグは設定内容が確定したら保存してください。

コンフィグは装置固有の情報であるため、保存されていなかった場合には最初から再設定が必要になります。

メモ

現在どのような設定内容で動作しているかは、show running-configコマンドで確認できます。

保存されている設定内容は、show startup-configコマンドで確認できます。

メモ

Webコンソール、NetMeisterを使用してコンフィグ管理することもできます。

Webコンソールは「Webコンソールマニュアル」を参照してください。

NetMeisterは「NetMeister操作ガイド」を参照してください。

7.2.1. コンフィグの保存

グローバルコンフィグモードでwrite memoryコマンドを実行することにより、ランニングコンフィグの内容をスタートアップコンフィグに保存します。

保存はwrite memoryコマンド実行の度に上書きされます。

詳しくは、「スタートアップコンフィグ」をご参照ください。

7.2.2. テキストファイルによるコンフィグバックアップ

show startup-configコマンドまたはshow running-configコマンドを使用して設定内容をコンソール画面上に表示し、コピー&ペーストでパソコンのテキストファイルなどに保存して保存しておくことをおすすめします。

また、本製品のSCPクライアント機能を使用して、スタートアップコンフィグをパソコンなどのSCPサーバーに保存することもできます。

Router(config)# scp put startup-config 192.168.1.1:config-20240903.txt account <パソコンのログインID> password <パソコンのログインパスワード>
Connect to 192.168.1.1 ...

SCP transfer complete, 1373bytes, SHA512 = c82eb503c33d8fa202151783ecf87549c5df7fbf48d097984b0ecaaeff71e03cea75a78c52c152d05ad2793bfa5658ccd8cba8a02576ef46b3d1e7c8f11fdbe8

7.2.3. テキストファイルによるコンフィグリストア

コンフィグが書かれたテキストファイルを本製品のSCPクライアント機能を使用して、スタートアップコンフィグへ書き込むことができます。

Router(config)# scp get 192.168.1.1:config-20240903.txt startup-config account <パソコンのログインID> password <パソコンのログインパスワード>
Connect to 192.168.1.1 ...

SCP transfer complete, 1373bytes, SHA512 = a0abc3bd9c25030d9ffdc40bf7a34034760ec31c15fb7d50752b2b8fd0d1bfa20148110b7ca28e84291a7181f0d02a8394a3ea3dfba1347df685bfbc32698fc7
Router(config)#

注意

SCPクライアント機能を使って本製品のスタートアップコンフィグにテキストファイルを書き込む場合、テキストファイルに含まれる文字列はアスキー文字(制御文字を含まない)を使用してください。

詳しくは、「利用可能な文字」をご参照ください。

7.2.4. コンフィグの削除

グローバルコンフィグモードでerase startup-configコマンドを実行することにより、スタートアップコンフィグの内容を削除します。

詳しくは、「スタートアップコンフィグ」をご参照ください。

7.3. バージョンアップ方法

注意

セキュリティ上の問題点や脆弱性が発見された場合、本製品は基本的に新しいバージョンのソフトウェアで対処します。

最新ではないバージョンを利用し続けたり旧バージョンにバージョンダウンしたりすると、脆弱性を悪用した攻撃により被害を受ける恐れがあるなど、セキュリティリスクが高まります。

旧バージョンを利用される場合、セキュリティリスクが高まる可能性をご承知おきください。

7.3.1. ソフトウェア準備

UNIVERGE IX-R/IX-Vシリーズ ポータルサイト」から、目的のソフトウェアを取得します。

7.3.2. プログラムファイル2面管理機能

本製品はメイン領域とバックアップ領域の2箇所にそれぞれ異なるソフトウェアをストレージに保存できます。

プログラムファイル2面管理機能により、ソフトウェア更新中に電源断等が発生してもブートに失敗するリスクを低減できます。

また、ユーザー側で2つのソフトウェアを任意に選択して起動させることができます。

メモ

プログラムファイル2面管理機能は、software-updateコマンドによるバージョンアップでのみ対応しています。

<show softwareコマンド表示例>

保存しているソフトウェアは、show softwareコマンドによって確認できます。

Router(config)# show software
PBL Version: 1.0.0
Software Information:
  Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
         A - Active-file, + - Next-boot
  Status    Version    Name
  B         1.2.5    ix-r2520-1.2.5.bin
  MA        1.2.6    ix-r2520-1.2.6.bin
Router(config)#

<Codesについての説明>

  • M – Main-side : メイン領域のソフトウェア

  • B – Backup-side : バックアップ領域のソフトウェア

  • N – Newfile : 本製品にダウンロードされてから、まだ一度も使用されていないソフトウェア

  • A – Active-file : 現在起動中のソフトウェア

  • + – Next-boot : 本製品の再起動後に起動するソフトウェア

メモ

いずれのソフトウェアにも「+」のコードがついていない場合には、メインのソフトウェアが次回の起動に使われます。

<メイン領域とバックアップ領域の切り替え手順>

software-selectコマンドにより、メイン領域とバックアップ領域のソフトウェアを切り替えることができます。

コマンド : software-select [filename]

Router(config)# software-select ix-r2520-1.2.5.bin
% ix-r2520-1.2.5.bin is selected as system file.
Router(config)#

show softwareコマンドを実行し、software-selectコマンドで選択したソフトウェアに「+」のフラグがついていることを確認します。

Router(config)# show software
PBL Version: 1.0.0
Software Information:
  Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
         A - Active-file, + - Next-boot
  Status    Version    Name
  B+        1.2.5     ix-r2520-1.2.5.bin
  MA        1.2.6     ix-r2520-1.2.6.bin

software-selectコマンド実行後、メインに切り替えたソフトウェアで本製品を起動するには、本製品を再起動する必要があります。

reloadコマンド、または装置背面の電源スイッチをOFF/ONにより、再起動します。

Router(config)# reload
Notice: The router will be RESTARTED.
Are you sure you want to restart the router? (Yes or [No]): yes

7.3.3. software-updateコマンドによるバージョンアップ

software-updateコマンドによりバージョンアップします。

ダウンロードする際に対応しているプロトコルは、HTTP/HTTPS/SCP/TFTPです。

メモ

バージョンアップにはbinファイルを使用します。

メモ

HTTP/HTTPSサーバーとの接続にログイン、パスワード情報の送信が必要な場合、次のように入力します。

例 : software-update [URL] account [USERNAME] password [PASSWORD]

ログイン、パスワード情報の入力を省略した場合、対話モードによりログイン、パスワード情報を入力する必要があります。

メモ

パスワード送信は、Basic認証のみサポートします。

メモ

プロキシーサーバー経由でのHTTP/HTTPSによるバージョンアップには対応していません。

ここでは、直結でSCPサーバーを使用しIX-R2520のソフトウェアをVer1.2.5からVer1.2.6へバージョンアップを行う場合の例を説明します。

software-updateコマンドによるバージョンアップは次の手順で行います。

  • 事前準備

  • ソフトウェアの確認

  • ソフトウェアのダウンロード/正常性確認

  • 本製品の再起動

  • バージョンアップ結果の確認

  1. 事前準備

    SCPサーバーおよび更新したいソフトウェアバージョンの.binファイルを準備したパソコンと、装置間の通信に問題がないことをPingなどで確認します。

    ../_images/scp.png
    Router(config)# interface GigaEthernet2.0
    Router(config-GigaEthernet2.0)# ip address 192.168.1.254/24
    Router(config-GigaEthernet2.0)# no shutdown
    Router(config-GigaEthernet2.0)# exit
    Router(config)# ping 192.168.1.1
    PING 192.168.1.254 > 192.168.1.1 56 data bytes
    64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=0 ttl=64 time=0.579 ms
    64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=1 ttl=64 time=0.214 ms
    64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.196 ms
    64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=3 ttl=64 time=0.202 ms
    64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=4 ttl=64 time=0.201 ms
    
    --- 192.168.1.1 ping statistics ---
    5 packets transmitted, 5 packets received, 0% packet loss
    round-trip (ms)  min/avg/max = 0.196/0.278/0.579
    Router(config)#
    
  2. ソフトウェアの確認

    show softwareコマンドにより、ストレージ内に格納されているソフトウェアを確認します。

    <ストレージ内に1つのソフトウェアを格納している場合の例>

    • メインのソフトウェア : ix-r2520-1.2.5.bin

    Router(config)# show software
    PBL Version: 1.0.0
    Software Information:
      Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
             A - Active-file, + - Next-boot
      Status    Version    Name
      MA        1.2.5     ix-r2520-1.2.5.bin
    Router(config)#
    

    メモ

    ソフトウェアが1つだけの場合は、software-updateコマンドで新たにダウンロードしたソフトウェアが次回の起動に使用されます。

    これまでメイン領域に存在していたソフトウェアは、バックアップ領域に替わります。

    <ストレージ内に2個のソフトウェアを格納している場合の例>

    • メインのソフトウェア : ix-r2520-1.2.5.bin

    • バックアップのソフトウェア : ix-r2520-1.2.4.bin

    Router(config)# show software
    PBL Version: 1.0.0
    Software Information:
      Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
             A - Active-file, + - Next-boot
      Status    Version    Name
      B         1.2.4     ix-r2520-1.2.4.bin
      MA        1.2.5     ix-r2520-1.2.5.bin
    Router(config)#
    

    メモ

    software-updateコマンドを実行すると、バックアップに格納されているソフトウェアは上書きされます。

    現在バックアップ領域のソフトウェアを保持しながらメイン領域のソフトウェアルをバージョンアップしたい場合は、事前にsoftware-selectコマンドでバックアップ領域のソフトウェアをメイン領域に切り替えておいてください。

  3. ソフトウェアのダウンロード/正常性確認

    software-updateコマンドにより、SCPサーバーからソフトウェアをダウンロードします。

    メモ

    ソフトウェアのダウンロード中に[Ctrl]+[C]または[Ctrl]+[Z]を押すと、ダウンロードを中止しプロンプトに戻ります。

    ダウンロード完了後、ソフトウェアの正常性確認が実行され、正常性が確認された場合「% Check ...... done」と表示されます。

    正常性確認後、ダウンロードしたソフトウェアをストレージへ書き込みます。

    正常にストレージへの書き込み処理が完了すると、「% Software update completed.」のメッセージが表示されます。

    Router(config)# software-update scp://192.168.1.1/ix-r2520-1.2.6.bin account <パソコンのログインID> password <パソコンのログインパスワード>
    % Downloading .......................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................
    SCP transfer complete, 103792640bytes, SHA512 = d49fc548c4cd93526e4b1a20572f73c5d274055f83b56153a8fb811cb75f65d97898c5f516221968a126dbf6ce2692305f570ae7b1444357a416e5145d225d7a
    % Check ............................................................................. done
    % Erasing
      Now erasing ix-r2530-1.2.4.bin ............ done
    % Update file name is ix-r2530-1.2.6.bin
    % Writing .................................................................................................................................................... done
    % Software update completed.
    Router(config)#
    

    show softwareコマンドを実行し、ダウンロードしたファイルがN(Newfile)+としてバックアップに上書きされたことを確認します。

    「+」のフラグがついているソフトウェアは、本製品の再起動後にメインに切り替わり動作します。

    Router(config)# show software
    PBL Version: 1.0.0
    Software Information:
      Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
             A - Active-file, + - Next-boot
      Status    Version    Name
      MA        1.2.5     ix-r2520-1.2.5.bin
      N+        1.2.6     ix-r2520-1.2.6.bin
    Router(config)#
    

    メモ

    本製品に新しいソフトウェアをダウンロードする際、ソフトウェア以外のファイルも保存しておりストレージの容量が不足する場合は「% 転送プロトコル名 transfer abort.」とメッセージ表示されます。

    auto-eraseオプションを追加することで、ストレージ内のファイルをすべて自動的に削除してソフトウェアをダウンロードします。

    Router(config)# software-update scp://192.168.1.1/ix-r2520-1.2.6.bin account <パソコンのログインID> password <パソコンのログインパスワード>
    % Downloading .................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................
    % SCP transfer abort.
    Router(config)#
    

    メモ

    ダウンロード済のソフトウェアと同じソフトウェアをダウンロードする場合、「% No need to update」とメッセージが表示され書き込まれません。

    メモ

    ダウンロードするソフトウェアが正しくない場合、「% Invalid file」とメッセージが表示され書き込まれません。

    「% Invalid file」のメッセージが表示された場合は、ソフトウェアが正しいものであるか確認し、再度software-updateコマンドを実行してください。

    メモ

    software-updateコマンド実行時にauto-reloadオプションを指定することで、次の再起動処理を自動的に実行します。

  4. 装置再起動

    書き込みを行ったソフトウェアは装置の再起動後に有効になります。

    reloadコマンド、または装置背面の電源スイッチをOFF/ONにより、再起動します。

    Router(config)# reload
    Notice: The router will be RESTARTED.
    Are you sure you want to restart the router? (Yes or [No]): yes
    

    メモ

    本手順をリモートで実施している場合、装置再起動に伴いセッションが切断されるため、再接続後に5. の確認を行ってください。

  5. バージョンアップ結果の確認

    show versionコマンドを実行し、ソフトウェアのバージョンアップが完了していることを確認します。

    以下の表示では、ソフトウェアのバージョンが「Ver1.2.6」になっています。

    Router(config)# show version
    NEC IX-R Series IX-R2520 Software, Version 1.2.6, RELEASE SOFTWARE
    Compiled Wed 06 Mar 2024 01:49:55 PM JST
    
    Pre Boot Loader (PBL), Version 1.0.0
    
    Software file name is "ix-r2520-1.2.6.bin"
    Software file hash is "d71d49d25b452845a44c850f14f2d686"
    
    System uptime is 3 hours 42 minutes 12 seconds
    System woke up by reload, caused by power-on
    System started at Mar 07-Thu-2024 03:56:33 JST
    
      (省略)
    

    show softwareコマンドを実行し、新しくダウンロードしたソフトウェアがメインで動作していることを確認します。

    Router(config)# show software
    PBL Version: 1.0.0
    Software Information:
      Codes: M - Main-side, B - Backup-side, N - Newfile
             A - Active-file, + - Next-boot
      Status    Version    Name
      B         1.2.5     ix-r2520-1.2.5.bin
      MA        1.2.6     ix-r2520-1.2.6.bin
    Router(config)#
    

7.3.4. Webコンソールによるバージョンアップ

Webコンソールマニュアル」を参照して、バージョンアップしてください。

7.3.5. USBメモリによるバージョンアップ

メモ

IX-R2510は未サポートです。

USBメモリによるバージョンアップを行う場合は、次の手順で行います。

  • USBメモリにソフトウェアを格納

  • USBメモリ、USBポート有効化設定

  • USBメモリを取り付け

  • バージョンアップ実行

  • バージョンアップ結果の確認

  • USBメモリを取り外し

  1. USBメモリにソフトウェアを格納

    USBメモリ内に更新したいソフトウェアバージョンの.binファイルを保存します。

    メモ

    ファイル名およびフォルダー名は、文字列にアスキー文字(制御文字を含まない)を使用してください。

    詳しくは、「利用可能な文字」をご参照ください。

  2. USBメモリ、USBポート有効化設定

    USBポートを有効化します。

    詳しくは、「USBメモリ使用前の準備」をご参照ください。

  3. USBメモリを取り付け

    本製品にUSBメモリを取り付けます。

    詳しくは、「USBメモリ取り付け手順」をご参照ください。

  4. バージョンアップ実行

    software-updateコマンドによってUSBメモリからソフトウェアのダウンロードおよびバージョンアップを実行します。

    本製品は自動的に再起動します。

    Router(config)# software-update usbmem0.0:ix-r2520-1.2.6.bin
    

    メモ

    必要に応じてディレクトリを指定してください。

  5. バージョンアップ結果の確認

    装置再起動後、show versionコマンドを実行して新しいソフトウェアにバージョンアップされていることを確認します。

  6. USBメモリを取り外し

    本製品からUSBメモリを取り外します。

    詳しくは、「USBメモリ取り外し手順」をご参照ください。

7.3.6. NetMeisterによるバージョンアップ

NetMeister操作ガイド」を参照し、バージョンアップしてください。

7.4. ログ取得方法

稼働中に発生したログ情報を、syslogとして取得および確認することができます。

ネットワークトラブルの解析に役立ちますので、なるべくあらかじめ設定するようにしてください。

syslogを取得するためには、syslog enableコマンドでsyslog取得を有効化し、syslog functionコマンドでsyslog種別、syslogレベルを設定する必要があります。

syslog種別は、ARP、ICMP、PPPなど、本製品の機能、プロトコルごとに細かく設定できます。

syslogレベルは、以下の5段階で設定できます。

  • error : エラー状態レベル

  • warn : 警告状態レベル

  • notice : 通常レベル

  • info : 情報レベル

  • debug : デバッグレベル

syslogレベルは、debugレベルに近いほど取得するsyslogの量が段階的に増加します。

たとえば、syslogレベルをwarnレベルに設定した場合、errorレベルからwarnレベルのsyslogを取得しますが、debugレベルに設定した場合、errorレベルからdebugレベルまでのsyslogを取得します。

取得するsyslogの量が多くなるほど本製品の性能は低下します。

障害解析などではなく運用ログ取得などが目的のときは、warnレベルに設定することを推奨します。

各メッセージの詳細は、「syslogリファレンスマニュアル」をご参照ください。

7.4.1. ログ取得設定

以下の設定例では、syslog種別を all (すべての機能、プロトコル)、syslogレベルを warn レベルに指定しています。

運用中の本製品にはこの設定が推奨されます。

Router(config)# syslog enable
Router(config)# syslog function all warn
Router(config)#

7.4.2. ログ確認手順

取得したsyslog情報は、show syslogコマンドで確認することができます。

Router(config)# show syslog
Buffer syslog enabled, 819200 bytes, type cyclic
  11 messages (1-11), 986 bytes logged , 0 messages dropped

Log Buffer (1-11):
2024-08-28T11:40:59.883332+09:00 ether - 033 - Device GigaEthernet2 status up
2024-08-28T11:40:59.883406+09:00 ipv4 - 021 - Interface GigaEthernet2.0, link up
2024-08-28T11:40:59.883543+09:00 ipv4 - 021 - Interface GigaEthernet2.0, line protocol up
2024-08-28T11:40:59.883701+09:00 ipv4 - 021 - Interface GigaEthernet2.0, up
2024-08-28T11:54:08.251271+09:00 system - 038 - User admin attached to CLI #1
2024-08-28T12:55:18.251467+09:00 system - 040 - User admin detached from CLI #1
2024-08-28T13:24:22.688101+09:00 system - 038 - User admin attached to CLI #1
2024-08-28T14:24:24.688243+09:00 system - 040 - User admin detached from CLI #1
2024-08-28T15:28:04.507867+09:00 system - 038 - User admin attached to CLI #1
Router(config)#

注意

ログ情報は不揮発性メモリに保存されます。

本製品の再起動実行や電源が切れた場合、ログ情報はすべて消失するためご注意ください。

7.4.3. syslogサーバーへの転送

取得したsyslogをsyslogサーバーへ転送することもできます。

syslogサーバーへの転送は、syslog ip/ipv6 hostコマンドで設定します。

以下の設定例では、syslogサーバーのアドレスに 192.168.1.200 を設定しています。

Router(config)# syslog ip host 192.168.1.200
Router(config)#

7.4.4. テクニカルサポート情報の取得

各種showコマンドを一括で実行するテクニカルサポート情報から本製品の状態を確認できます。

テクニカルサポート情報は、show tech-supportコマンドで表示します。

Router(config)# show tech-support
-------------------- show clock --------------------
Monday, 26 February 2024 10:15:25 +09 00

CPU peak time 93[us]
CLI RX signals 1

-------------------- show uptime --------------------
System uptime is 4 days 20 hours 4 minutes 37 seconds
System woke up by reload, caused by command execution
System started at Feb 21-Wed-2024 14:10:50 JST

Statistics: 1 known crash

Debug info:
Linux uptime 845 seconds (CLOCK_MONOTONIC_RAW)
Linux uptime 845 seconds (CLOCK_MONOTONIC)
DPDK uptime  853 seconds (rte_get_timer_cycles)

CPU peak time 5[us]

-------------------- show version --------------------
NEC IX-R Series IX-R2520 Software, Version 1.2.6, TEST SOFTWARE
Compiled Fri 02 Aug 2024 01:29:34 PM JST

Pre Boot Loader (PBL), Version 1.0.0

  (省略)

注意

本製品の再起動実行や電源が切れた場合、一部機能を除き情報はすべて消失するためご注意ください。

メモ

show tech-support no-pausingコマンドにより、「--More--」で区切らず一括表示することもできます。

7.5. NetMeisterによる管理

7.5.1. NetMeisterのユーザーアカウント登録とグループ登録

以下のリンクからNetMeisterのアカウントとグループを作成します。

https://www.nw-meister.jp/service/

詳細な手順は、「NetMeister操作ガイド」をご参照ください。

  • 以下の情報が必要になります。

    事前に準備してください。

    <アカウント作成に必要な情報>

    項目

    メールアドレス

    xxx-user@example.com

    ユーザーパスワード

    sample-password

    お名前

    ○○ XX

    会社名

    ○○株式会社

    電話番号

    090-xxxx-xxxx

    <グループ作成に必要な情報>

    項目

    グループID

    sample-group

    グループ名

    サンプルグループ

    グループパスワード

    sample-group-password

7.5.2. NetMeister設定

NetMeisterを設定します。

NetMeisterの準備で設定したグループIDとグループパスワードを使用します。

Router(config)#  nm account <グループID> password plain <グループパスワード>
Router(config)#  nm sitename <拠点ID>
Router(config)#  nm ip enable

メモ

別途インターネット接続設定またはIPv6 NGN閉域網への接続設定が必要です。

7.5.3. 装置登録確認

show nm status でNetMeister接続を確認します。

<未接続>

Router(config)# show nm status
NetMeister Client:
  Result      : Init
  Last Request:
  Next Request:

  (省略)

<DDNSに登録された場合の例>

Router(config)# show nm status
NetMeister Client:
  Result      : Success (20000)
  Last Request: 2023/04/01 12:34:56
  Next Request: 2023/04/08 01:23:45 (remain 332326 sec)
Information:
  IPv4 Address: <グローバルIPアドレス>
  IPv4 Domain : <ホスト名>.<NetMeisterグループID>.nmddns.jp
  IPv6 Address:
  IPv6 Domain :
  Interval    : 168 hour

  (省略)

<NetMeisterに登録された場合の例>

  (省略)

API-GW:
  gpid        : <NetMeisterグループID>
  stid        :
  htid        : <ホストID>
  Interval    : 3600 sec
  Next Request: 2023/04/01 15:34:56
  Status      : Registered

  (省略)

Router(config)#

<NetMeisterに常時接続された場合の例>

  (省略)

MQTT:
  Interval    : 0 sec
  Status      : Connected

7.6. USBメモリ保守

メモ

IX-R2510は未サポートです。

本製品のUSBポートにType-AのUSBメモリを取り付けることで、以下の対応ができます。

注意

セキュリティ暗号化機能付きのUSBメモリはサポートしていません。

注意

FAT32以外でフォーマットされたUSBメモリはサポートしていません。

注意

外部USB HUB経由の接続はサポートしていません。

注意

IX-R2610でUSBメモリ使用時、USBメモリから発生するノイズが無線通信に影響を与えることがあります。

無線通信への影響を軽減するため、USBメモリの使用後は本体から取り外してください。

IX-R2610でUSBメモリを使用する場合は、無線通信へのノイズの影響を軽減するため、オプション品(別売り)の延長アンテナの使用を推奨します。

7.6.1. USBメモリ使用前の準備

USBポートを有効化します。

Router(config)# usbmem enable
Router(config)# device USB0
Router(config-USB0)# no shutdown
Router(config-USB0)# exit
Router(config)#

注意

本製品にUSBポートの有効化設定をしていない場合、USBメモリが認識されません。

7.6.2. USBメモリ取り付け手順

USBメモリを装置前面のUSB0ポートに差し込みます。

確実に奥まで差し込んでください。

  • IX-R2520

    ../_images/usb_ix-r2520.png
  • IX-R2530

    ../_images/usb_ix-r2530.png
  • IX-R2610

    ../_images/usb_ix-r2610.png

差し込みが完了するとST1ランプが緑点灯します。

メモ

装置前面のST1ランプが点灯、点滅しない場合は、USBメモリを認識していないことを示します。

認識しない場合は、USBポートを停止(shutdownコマンドを実行)後にUSBメモリを抜き差しし、USBポートを開始(no shutdownコマンドを実行)してください。

Router# enable-config
Router(config)# device USB0
Router(config-USB0)# shutdown

USBメモリの抜き差し

Router(config-USB0)# no shutdown
Router(config-USB0)# exit
Router(config)# usb host-reset

show usbmemコマンドで差し込んだUSBメモリの状態を確認することができます。

Router(config)# show usbmem
USB Mass Storage Device (usbmem0)
total 15789678592 bytes
      24305664 bytes used
      15765372928 bytes free

7.6.3. USBメモリ取り外し手順

USBメモリを取り外す前に、以下を設定してください。

  • USBメモリ機能の無効化

  • USBポートの無効化

Router(config)# no usbmem enable
Router(config)# device USB0
Router(config-USB0)# shutdown
Router(config-USB0)#

ST1ランプが消灯したことを確認し、USBメモリを取り外します。

注意

USBポートはホットスワップに対応していますが、USBメモリ使用中(ST1ランプ点滅中)の抜去は避けてください。

ランプ消灯時以外にUSBメモリを取り外した場合、USBメモリのデータが破損する可能性があります。

注意

IX-R2610の場合、USBメモリによる作業終了後は本体から取り外してルーターを運用してください。

USBメモリを接続したままの運用は避けるようにしてください。

7.6.4. USBメモリのコマンドによるコピー機能

copyコマンドにより、本製品とUSBメモリ間でファイルをコピーすることができます。

<本製品からUSBメモリへコピー可能な情報>

  • スタートアップコンフィグ

  • デフォルトコンフィグ

  • テクニカルサポート情報

  • syslog情報

  • その他ストレージ内のファイル

メモ

ファイル書き込み時に同一ファイルがあった場合は、上書きします。

以下は本製品のテクニカルサポート情報をUSBメモリへ保存する例です。

Router(config)# copy tech-support usbmem0.0:tech/tech-20240229.txt

<USBメモリから本製品へコピー可能な情報>

  • スタートアップコンフィグ

  • デフォルトコンフィグ

  • その他ファイル

以下はUSBメモリ内のスタートアップコンフィグを本製品のスタートアップコンフィグへコピーする例です。

Router(config)# copy usbmem0.0:startup/startup-20240229.txt startup-config

7.7. 障害調査

7.7.1. 障害の解析に必要な設定と確認コマンド

ご契約中のサポートサービス等にて障害の解析および解決を図るためには、いくつかの情報を収集する必要があります。

障害時に有効な情報を収集するために必要な設定と確認コマンドについて説明します。

  1. テクニカルサポート情報の取得

    テクニカルサポート情報の取得」をご参照ください。

  2. ログ情報の取得

    ログ確認手順」をご参照ください。

7.7.2. 個体不良、機能障害

本項では、障害の現象別に確認事項と収集する情報、推定原因を切り分ける手順を示しています。

フローにしたがい対処してください。

  • 本製品が立ち上がらない

  • 通信障害や再起動の発生

  • ハードウェア障害の検出(POWERランプが赤点灯しているとき)

  1. 本製品が立ち上がらない

    本製品の電源をONにしたとき、または本製品を再起動させてから10分以上経過しても正常に立ち上がらない場合には、以下の手順で復旧してください。

    1. プログラムファイル2面管理による復旧

      万が一ストレージ内のソフトウェアが破損している場合、2面化された他方のソフトウェアで起動されます。

      メモ

      過去、software-updateコマンドによるソフトウェアアップデートを実行されている場合に限ります。

    2. 設定の初期化

      本製品に投入されているコンフィグデータを削除します。

      設定の初期化方法については、「設定の初期化 (初期化スイッチ)」をご参照ください。

      設定の初期化を実行すると、コンフィグデータが削除されるため、あらかじめコンフィグデータをバックアップしていない場合は、コマンドの再投入が必要です。

      バックアップの取得方法については、「テキストファイルによるコンフィグバックアップ」をご参照ください。

  2. 通信障害や再起動の発生

    装置稼働中に通信障害や原因不明の再起動が発生し、その障害原因を特定する場合には、以下の情報が必要となります。

    • show tech-supportコマンド出力 (必須)

    • show syslogコマンド出力 (収集している場合は必須)

    • 障害状況の情報収集 (必須)

    • ネットワーク構成図 (必須)

    注意

    実際に障害解析を行う際には、上記の情報以外にも別途情報が必要になる場合があります。

    1. show tech-supportコマンド出力

      show tech-supportコマンドの出力結果は、テキストファイルに保存してください。

    2. show syslogコマンド出力

      show syslogコマンドの出力結果は、テキストファイルに保存してください。

    3. 障害状況の情報収集

      障害内容で差異はありますが、最低限下記情報を収集してください。

      • 再起動前に中継線工事、IPアドレス変更、端末追加などの、ネットワークレベルの工事を行っていないか。

        行っている場合には、その詳細な工事内容および手順など。

      • 前面ランプ状態とハードウェア診断結果の表示記録。

        本製品が再起動後に立ち上がらない場合、この情報は必須です。

      • その他、関連の有無にかかわらず、生する時間帯、端末のレスポンスなど可能な限り情報を収集してください。

    4. ネットワーク構成図

      障害が発生した本製品を含むIPアドレスなども記載されたネットワーク構成図が必要です。

    5. ハードウェア障害の検出(POWERランプが赤点灯しているときは)

      装置起動時の自己診断(POST)でハードウェア部品の故障を検出した場合、または起動中に温度や電圧異常を検出した場合、POWERランプが赤点灯して異常状態を通知します。

    6. 自己診断で故障を検出したとき

      装置起動時の自己診断(POST)は、各部品に故障がないかチェックする目的で行われます。

      診断メッセージはコンソール画面に表示され、結果が正常だった場合は「Pass」、異常だった場合は「Fail」と表示されます。

      コンソール端末を使用していない場合は、POWERランプを目視で確認したのち、show error-logコマンドで異常箇所の特定が可能です。

      故障検出後の動作を以下に説明します。

      NEC Diagnostic Software
      Copyright (c) NEC Corporation 2023-2024. All rights reserved.
      
      DIAG-INFO: Starting System POST(Power On Self Test)
      
                     DRAM TEST 1: Pass
                     DRAM TEST 2: Pass
                        PLD TEST: Pass
                        RTC TEST: Pass
              2.5 VOLTAGE STATUS: Pass
              3.3 VOLTAGE STATUS: Pass
              5.0 VOLTAGE STATUS: Pass
             12.0 VOLTAGE STATUS: Pass
              TEMPERATURE STATUS: Pass
                      FAN STATUS: Pass
                        GE0 TEST: Pass
                        GE1 TEST: Pass
             GE2(SW-HUB)1-8 TEST: Pass
                        USB TEST: Pass
      Model: IX-R2520 Board
             Watchdog enabled
      
        (省略)
      

      <DRAM試験>

      DRAM試験で異常を検出したときは動作停止状態になります。

      この状態に陥ったときは修理が必要です。

      <電圧試験>

      診断時の装置内入力電圧が下記の範囲外にある場合は、動作停止状態になります。

      入力電圧に問題がないか確認を行ってください。

      <温度試験>

      診断時の装置内温度が下記値の範囲外にある場合、測定値が範囲内になるまで繰り返し試験を実行します。

      本製品の起動に時間が掛かっている場合は、温度環境の確認を行ってください。

      <その他の試験>

      本製品を起動します。

      起動中にPOWERランプが赤点灯しているのを発見した場合、部品故障が発生している場合があります。

      show error-logコマンドを使用して確認してください。

    7. 温度、電圧、ファンの異常通知

      装置起動中に温度や電圧、ファンの異常を検出したときの動作と、異常の発生と復旧の検出基準を記述します。

      <温度監視>

      • 前回測定した装置内部温度がアラーム検出温度に達せず、今回の測定値がアラーム検出温度に到達した場合、温度異常が発生したとみなし、以下のように通知されます。

        • POWERランプの赤点灯

        • show syslogによる異常通知

        • SNMPトラップ(temperature-fault)の送信

      • 温度異常を検出したあと、装置温度がアラーム復旧温度の範囲内になった場合は、温度が正常状態に復旧したと判断し、以下のように通知されます。

        • POWERランプの緑点灯

        • show syslogによる復旧通知

        • SNMPトラップ(temperature-restoration)の送信


        ../_images/alarm.png

      メモ

      ここでの「アラーム検出温度」「アラーム復旧温度」は装置内温度を指しており、カタログなどに記載されている「環境条件 : 0℃~45℃」および「環境条件 : 0℃~50℃」は周囲温度です。

      <電圧監視>

      • 前回の測定電圧が正常電圧の範囲内で、今回の測定電圧が正常範囲外だった場合に、以下のように通知されます。

        • POWERランプの赤点灯

        • show syslogによる異常通知

        • SNMPトラップ(voltage-fault)の送信

      • 前回の測定電圧が正常電圧の範囲外で、今回の測定電圧が正常電圧の範囲内だった場合に、以下のように通知されます。

        • POWERランプの緑点灯

        • show syslogによる復旧通知

        • SNMPトラップ(voltage-restoration)の送信

      <ファンユニット監視(IX-R2530)>

      • 5秒間隔で定期的に回転数を測定し、3回連続で値が2,100rpmを下回った場合に、以下のように通知されます。

        • POWERランプの赤点灯

        • show syslogによる異常通知

        • SNMPトラップ(fan-fault)の送信

      • 測定値が2,100rpm以上になると、以下のように通知されます。

        • POWERランプの緑点灯

        • show syslogによる復旧通知

        • SNMPトラップ(fan-restoration)の送信

      <ファンユニット監視(IX-R2610)>

      • ファン動作中、ファンアラーム(ファンの回転有無)を監視し、エラーを検出した場合に、以下のように通知されます。

        • POWERランプの赤点灯

        • show syslogによる異常通知

        • SNMPトラップ(fan-fault)の送信

      • ファンアラームが解消されても、以下のように通知はありません。

        • POWERランプの赤点灯

        • show syslogによる復旧通知なし

        • SNMPトラップ(fan-restoration)の送信なし