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AIと人権

AIと人権に関する方針

NECは、AIの社会実装や生体情報をはじめとするデータの利活用(以下、AIの利活用)において、Principlesにも掲げる「人権の尊重」を最優先に事業活動を推進するための指針として、「NECグループ AIと人権に関するポリシー」(以下、全社ポリシー)を策定しています。

この全社ポリシーに基づき、NECはAIの利活用に関する事業を推進する際、各国・地域の関連法令などの遵守をはじめ、従業員一人ひとりが、企業活動のすべての段階において人権の尊重を常に最優先なものとして念頭に置き、それを⾏動に結びつけていきます。

そこでNECは、全社ポリシーに基づき、主に以下の3点に取り組んでいます。

  1. AIの利活用が、NECグループだけでなくお客さまやパートナーにおいても適正な用途で⾏われること
  2. 人権尊重を最優先としたAIの利活用促進に向けた技術開発と人材の育成を⾏うこと
  3. AIの利活用に関して、さまざまなステークホルダーとの連携・協働を促進すること

なお、当社は、全社ポリシーに基づく「人権尊重を最優先にしたAI提供と利活用(AIと人権)」をESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」の1つに特定しています。

中長期目標/重点活動と進捗/成果/課題

中長期目標/重点活動

(対象:特に記載のない場合は日本電気(株)、期間:2021年4月〜2026年3月)
M:マテリアリティに関わる主な非財務目標を示しています。

M: AIの社会実装における、人権を尊重した事業活動の推進

2022年度の目標と進捗/成果/課題と2023年度の目標

2022年度の目標

  1. 国内外の法規制の動向をふまえたAIガバナンスの強化
  2. さまざまなステークホルダーとの対話の継続

進捗/成果/課題

  1. 国内外の法規制の動向をふまえたAIガバナンスの強化
    • 経済産業省のAI原則実践のためのガバナンス・ガイドラインや国内外の法規制・ガイドラインに基づき、コーポレートガバナンス体制と全社規程を新たに整備
    • 人権・プライバシーに関する国内外の動向をタイムリーに把握し、事業部門への共有と運用に反映
  2. さまざまなステークホルダーとの対話の継続
    • デジタルトラスト諮問会議による有識者からの知見獲得
    • 国内外の法規制やガイドライン策定検討のプロセスにおいて、当社の知見やノウハウを活かした意見発信や提言を実施
    • 社外へ取り組みを紹介

2023年度の目標

  1. 国内外の法規制の動向をふまえたAIガバナンスの継続強化
  2. さまざまなステークホルダーとの対話の継続

AIと人権に関する推進体制

AI事業の遂行にあたり、プライバシーその他の基本的人権を適切に保護するための方針、体制、計画、実施、点検および見直し(以下、AIガバナンス)に関するルールを全社規程として制定し、プライバシーや基本的人権などを適切に保護するためのAIガバナンスの実施や運用などの浸透を図っています。AIガバナンス遂行責任者(CDO)、リスク・コンプライアンス委員会、取締役会、外部有識者会議などの関係をコーポレートガバナンスに位置づけ、社内外の各部門・機能と連携することでAIガバナンスに取り組んでいます。

AIの利活用に関連した事業活動が人権を尊重したものとなるよう、全社戦略の策定・推進を担う「デジタルトラスト推進統括部」を設置しています。同部はNECのデジタルビジネスにおける中心的役割を担う全社共通機能のデジタルHubや研究部門などの関係部門との連携を強化しながら、全社ポリシーの事業活動への組み込みに向けて、社内制度の整備、従業員への研修など、人権を尊重した事業活動を推進しています。また、人権・プライバシー配慮への確認項目を設定し、企画段階以降の各フェーズで確認する運用を行っています。

AIガバナンス体制図

リスク軽減の取り組み

全社ポリシーの実現に向けて、法規制や社会受容性などの動向をタイムリーに把握するとともに、事業遂行にあたってリスクの見極めと対策を行う「リスク軽減プロセス」、従業員のリテラシー向上を行う「人材育成」、社外の多様な意見を活動に取り入れる「ステークホルダーエンゲージメント」などに取り組んでいます。

取り組みの際は、経済産業省が2021年7月に公表した「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」のアジャイルガバナンスの枠組みに基づき、AIと人権に関する環境の変化に応じた対応やルール・運用の見直しを行っています。
また、国内外の法規制・ガイドラインにも対応したものとなるように取り組んでいます。

リスク軽減の取り組みの図解

リスク軽減プロセス

リスク軽減プロセスの図解

適正なAI利活用に向け、企画・提案、設計・開発、運用・保守などのフェーズにおいて、公正性、説明する責任、透明性、プライバシー、適正利用などの観点からリスクチェックと対策を実施しています。フェーズごとのリスクチェックにあたっては、人権・プライバシーへの配慮事項に関するガイドラインやチェックシートを整備し、デジタルHubやデジタルトラスト推進統括部など関連する部門が連携して、法令の遵守や人権を尊重した取り組みとなるように確認しています。

また、お客さまやパートナーにおいてもAIの適切な利活用を推進いただくため、当社のノウハウや知見を活かし、利用目的などの公表に関してデザインサンプルを提供しながらサポートを行っています。

人材育成

人材育成に関する到達目標の図解

全社ポリシーに基づき、事業活動において人権を尊重した適切な行動がとれるよう、当社および国内外の関係会社の役員、従業員を対象に以下の研修を実施しています。

Web研修

  • 当社の全従業員に対して毎年1回、AI技術、AI倫理の重要性、AIの利活用に関連する国内外の法規制の動向、AIの利活用に伴う人権・プライバシー配慮事項、NECの全社ポリシーや運用などを学ぶWeb研修を実施しています。また、AI関連事業を行っている国内外の関係会社に対しても優先的に50社を対象に実施しています。(うちWeb研修システムのLearning Doorを導入している12社の2022年度修了率:92%)

社内セミナー

  • AI事業関係者に対して、外部有識者を講師として招き、社会的批判を受けた事例やケーススタディを交えながら、サービス提供時における留意点や対応を具体的に学ぶ社内セミナーを実施しています。
  • 経営幹部に対して、AIと人権に関する国際動向の理解を深め、人権に配慮した事業判断を行えるように、外部有識者を講師として招いた経営幹部向けのセミナーを2021年度から実施しています。

苦情処理メカニズム

NECの製品、システム、サービスについてご相談いただくための国内総合窓口として、「NECカスタマーコミュニケーションセンター」(CCC)を設けています。

AIと人権に関するエンゲージメント

法規制や社会受容性などの社会動向に応じた対応を行うため、さまざまなステークホルダーとの連携・協働を実施しています。

デジタルトラスト諮問会議(外部有識者会議)

法制度や人権・プライバシー、倫理に関し専門的な知見を有する外部有識者に参加いただく「デジタルトラスト諮問会議」をAIガバナンス遂行責任者の諮問機関として位置づけ、当社から取り組み方針や内容を諮問し、外部有識者からAIガバナンスの強化に向けた助言をいただき取り組みに反映しています。この会議を通じて、社外の多様な意見を取り込み、AIの利活用において生じる新たな課題への対応を強化しています。

国内外の多様なステークホルダーとの連携

AI社会の仕組みづくりに向けて産業界、政府機関、国際機関、アカデミアなど国内外の多様なステークホルダーとの連携を積極的に行っています。加えて、シンポジウムへの参加や社外向けのAI人材の育成なども行っています。

産業界 経団連、JEITA、AIプロダクト品質保証コンソーシアム
政府機関 内閣府、経済産業省、総務省
国際機関 WEF-C4IR、OECD/BIAC、Ethical AI関連の国際標準(ISO/IEC、IEEE)
アカデミア 東京大学、慶應義塾大学、大阪大学

連携例

G7デジタル・技術大臣会合公式官民イベント「デジタル・トランスフォーメーション・サミット(DXサミット)」登壇

経済産業省と世界経済フォーラム共催で、2023年4月に群馬県・渋川市で開催されたDXサミットにおいて、「AI and Governance」をテーマにしたパネルディスカッションに参加し、ジェネレーティブAIを含めたAIの利活用に関するNECの考え方や取り組みの紹介と信頼されるAIの利活用のために重要なことを紹介しました。

GPAI Summit2022登壇

2022年11月に東京で開催されたGPAI Summit 2022のSide Event(Japan 6)に登壇し、「日本、シンガポール、英国のAIガバナンス」をテーマに、NECの取り組みを紹介しました。

米国国立標準技術研究所(NIST)のAIリスクマネジメントフレームワーク(AI RMF)のパブリックコメントに意見を提出

NISTのAI RMFの作成過程において、AIのライフサイクルを通じてリスクを軽減するためのフレームワーク作成活動への賛同を表明するとともに、関連する国際標準との整合や、実装のための実施例の充実が重要であると提言しました。NISTのAI RMF 1.0は2023年1月に公表されました。

経済産業省と総務省による「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.2」の策定に協力

企業がプライバシーガバナンスの構築のために取り組むべきことを取りまとめた「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver.1.2」の策定に協力するとともに、当社の取り組み事例を提供しました。

欧州AI規制法案のパブリックコメントに意見を提出

世界で初めてのAIに対する包括的な規制案となる欧州AI規制法案のパブリックコメントに意見を提出しました。当社は、人間中心のAIルールおよび基本的権利を尊重することやAIを実装する上で実施すべき事項を明確にしていく方向性であることについて賛同するとともに、国際的な枠組みでの議論が重要であると提言しました。

NECアカデミー for AI

AIの発展と人材育成に向けて、2013年から取り組んできた豊富なAI人材育成実績をもとに、社会課題を解決できるAI人材を輩出するための「NECアカデミー for AI」を2019年に社外向けに開校し、学びと実践の場をとおして、プロフェッショナルなAI人材を育成しています。