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気候変動への対応

考え方

NECは、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、NECが果たすべき責任と貢献できる領域はさらに増すと考えます。そのため、ESGにおける最重要課題「マテリアリティ」の1つに気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応を位置づけ、環境方針および2050年を見据えた気候変動対策指針に基づき、「緩和」と「適応」の両面から価値を提供することに取り組んでいます。2021年には、「NEC環境ターゲット2030」の策定や「2050年までにサプライチェーン全体でのCO2排出量(Scope1,2,3)を実質ゼロ」にすることを宣言、2022年には気候移行計画を策定し、脱炭素社会の実現に向け、さらなる目標設定による環境負荷低減の取り組みと事業を通じた戦略的な活動を一層拡大していきます。
また、2022年9月、Amazonと気候団体Global Optimismが、2019年9月に共同で設立した気候変動イニシアチブであるThe Climate Pledgeへ加盟し、カーボンニュートラルの実現を2040年に前倒しをすることを宣言しました。事業展開においても、ICTインフラの省電力化、CO2排出量の見える化ソリューション、リソースアグリゲーション事業、環境コンサルティングなどを通じ、お客さまや社会のカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。
なお、NECは日本の気候関連法令であるエネルギーの使用の合理化などに関する法律(省エネ法)および地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)を支持し、これに沿ったCO2排出量削減活動と適切な報告を行っています。

TCFD提言に沿った情報開示

NECは、2018年にTCFD*への賛同を表明しました。気候変動に関連するリスクと機会への対応について、TCFD提言に沿った情報開示を進め、将来のビジネスにおける財務的な影響を想定し、管理しています。

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    気候関連財務情報開示タスクフォース
TCFD

TCFDの提言に沿った取り組み概要

項目 概要 関連ページ
ガバナンス
  • 気候変動を含めた環境に関わる重要事項を取締役会で報告
  • 環境管理規程に基づき、環境経営における組織の推進体制、役割、責任および権限を特定し運用
環境経営推進体制
重要会議体での報告・審議
戦略
  • 気候変動を経営の重要なマテリアリティに設定
  • 複数のシナリオを用いて、気候変動による短期・中期・長期のさまざまなリスクと機会を認識し、対応策を検討
  • 事業機会につながる緩和(脱炭素)/適応関連ソリューションの開発や提供の拡大
  • 脱炭素を目指すための諸施策の実施・実績管理
気候変動緩和に寄与する製品・サービス
シナリオ分析
シナリオ分析から見えたリスクと機会
インターナルカーボンプライシングの導入
リスク管理
  • 環境経営推進体制やリスク・コンプライアンス委員会を通じて、リスク評価を実施
  • 潜在的および顕在的リスクに対する活動の進捗・成果や課題の把握、今後の計画などを検討し、リスクの低減や未然防止活動を実施
環境経営推進体制
環境リスク対策
シナリオ分析から見えたリスクと機会
リスク・マネジメント
コンプライアンス
指標と実績 2040年目標
  • Scope 1、2、3からのCO2排出量実質ゼロ
  • 再生可能エネルギー電力100%
2030年目標
  • SBT1.5℃設定
    Scope 1、2 55%削減(2017年度比)、
    Scope 3(カテゴリー1、3、11) 33%削減(2017年度比)
気候変動への対応
温室効果ガス排出量実績
再エネ導入実績・計画
SBT1.5℃の進捗
環境関連データ(推移)

重要会議体での環境関連報告

気候変動は重要なマテリアリティであることから、経営層が出席する会議体において気候変動を含めた環境の取り組みやリスクなどについて、審議・監督・報告を行っています。また、2021年度は、社外有識者と経営層との対話を拡充すべく、従来のステークホルダーダイアログに加えて、サステナビリティ・アドバイザリ・コミッティを新たに設置しました。

主な審議・監督・報告内容

会議体 年度 頻度 主な審議・監督・報告事項
取締役会 2019年度 1回 5月:サステナビリティ推進方針
2020年度 4回 6月:サステナビリティ推進活動報告
12月:次期中期経営計画に含める環境視点
2月:サステナビリティ推進活動報告
3月:NECエコ・アクションプラン2025(含む投資費用計画)
2021年度 4回 5月:サステナビリティ推進活動報告
12月:BA1.5℃加盟、ESG説明会実施報告
1月:NECのカーボンニュートラルへの取り組みについて
2月:環境リスクについて(全社リスク対策検討の一部)
2022年度 4回 5月:「カーボンニュートラル」への取り組み
7月:サステナビリティ・リンク・ボンドの発行について
10月:「気候変動サミット」について
2月:NECの環境取り組みについて
~今後のカーボンニュートラル対策強化~
社外有識者と経営層の対話 ステークホルダーダイアログ 2019年度 1回 気候変動を核とした環境課題への対応
2020年度 1回 “環境貢献事業の創出”に向けて、今NECが取り組むべきことは何か
サステナビリティ・アドバイザリ・コミッティ 2021年度 1回 気候変動におけるグローバル潮流の理解とNECのリスクと機会
2022年度 2回 5月:NECのサステナビリティ推進の考え方と主な取り組み
2月:自然資本分野における事業リスクと機会について

シナリオ分析

NECが描く2030年/2050年の世界 ~私たちの暮らし・自治体の未来~

NECは、気候変動を考慮したシナリオ分析なくして企業の存続や成長はないと考えます。最新のグローバルリスクでも気候変動に関連したリスクが多く挙げられ、企業の事業活動や収益のみならず、私たちの暮らしに非常に大きな影響を及ぼします。そのため、どのような未来になっても、NECが存続・成長し、安全・安心な社会を実現するために、複数のシナリオを用いて進むべき方向性を検討しています。2019年には、全社のシナリオ分析を実施し、2つの異なるシナリオにおいて、自社のリスクと機会がどのように変化するのか分析しました。

2022年の焦点は「気候変動x行政DX」

昨年度からは、NECのさまざまな事業分野ごとにとらえるべき気候変動のリスクと機会が異なることから、事業分野ごとにシナリオ分析を行っています。今年度は、中期経営計画の事業戦略の1つである「デジタルガバメント」の領域から国内行政DXと2030年の脱炭素社会への移行度合い(1.5℃と4℃)をシナリオを用いて分析し、そこでのNECの事業機会について検討しました。具体的には、「気候変動 × 行政DX」の2030年の姿を描き、自社のリスク・機会をふまえ、事業構想案を検討しました。さらに、ステークホルダーの声を反映することを目的に、外部ヒアリングを充実させました。

シナリオ分析の結果(2030年) NECが描く2030年/2050年の世界
~気候変動と行政DX~

地域・自治体(中核都市と小規模都市)の未来の姿を気候変動の影響をふまえて描くことを目的に、2030年・2050年のシナリオを作成しました。脱炭素社会への移行度合いである1.5℃と4℃を縦軸に、生活者と行政の関係や行政システムの在り方を強制と自発に分けて横軸に設定し、4つのシナリオを検討しました。なお、気候変動や脱炭素に関する事項は、以下の参照シナリオを2050年の前提条件とし、各シナリオではその一部を利用しています。

参照した公開シナリオ

1.5ºCシナリオ 4ºCシナリオ
  • IPCC AR6 WG1 SSP1-1.9
  • IPCC 1.5ºC特別報告書
  • IPCC AR5 RCP2.6
  • IEA World Energy Outlook2021
    Net Zero Emissions by 2050
    Scenario (NZE)
  • 国立環境研究所 日本版
    SSP+SSP1:持続可能、
    SSP5:化石燃料に依存した発展
  • IPCC AR6 WG1 SSP5-8.5
  • IPCC AR5 RCP8.5
  • IEA World Energy Outlook2021
    Stated Policies Scenario(STEPS)
  • 国立環境研究所 日本版
    SSP+SSP3:地域分断、
    SSP4:格差
第2象限:1.5℃×強制「環境効率至上シナリオ」zoom拡大する
第2象限:1.5℃×強制「環境効率至上シナリオ」
第1象限:1.5℃×自発「地域価値多様性シナリオ」zoom拡大する
第1象限:1.5℃×自発「地域価値多様性シナリオ」
第3象限:4℃×強制「災害対応奔走シナリオ」zoom拡大する
第3象限:4℃×強制「災害対応奔走シナリオ」
第4象限:4℃×自発「適応格差拡大シナリオ」zoom拡大する
第4象限:4℃×自発「適応格差拡大シナリオ」

「私たちの暮らし・自治体の未来」の4シナリオ

  • 縦軸:脱炭素社会の実現「1.5ºC」(2100年1.5ºC上昇)と失敗「4ºC」(2100年4ºC上昇)
    横軸: 生活者と行政の関係や行政システムの在り方として「強制」と「自発」

シナリオ分析によるNECの事業リスク・機会を反映した2030年の事業例

  2030年シナリオの概要 キーワード 機会 リスク 2030年の事業例
1.5℃
  • 国や自治体の政策および市民の関心は、wellbeingや環境に重点がおかれている。
  • 脱炭素政策は国・自治体において優先度が高く、2020年代の法規制や企業、自治体の努力も相まって脱炭素社会に移行しつつある。
  • 脱炭素先行地域では、再生可能エネルギー導入やエネルギーマネジメントが推進され民生部門のCO2排出量がゼロである。
  • マイナンバーカードは普及率100%となり、これを活用したインセンティブ制度や助成を行う行政サービスも増え、市民の行動変容を促している。
  • 再生可能エネルギーベースの分散型電源
  • EV化・インフラ構築
  • 環境活動に対するインセンティブ
  • 自然資本の見える化
  • well-being意識の向上
  • デジタルツインを活用した防災計画
  • マイナンバーカードを活用した災害後支援
  • 自治体業務の一部を請負、事業化
  • 再生可能エネルギーデータセンターの増加
  • 健康インセンティブが重要視され、ヘルスケア事業の拡大
  • 制度のシステム化(排出量算定、炭素税、排出権取引、カーボンフットプリント)
  • センシング、可視化、数値化市場の拡大(生態系、環境保全、損害&被害)
  • コンパクトシティ内における画像解析技術利用の増加
  • 行政DXとシステムの標準化・共通化が進むことによるこれまで築いてきたビジネスモデルの転換
  • 競合や新規参入者との競争激化
1.5℃・エネルギーマネジメント:住民の取り組み・行政施策効果の見える化による自治体の脱炭素支援サービス

4℃・防災:災害前(災害自分化シミュレーション)、災害中(止まらない通信、被災証明発行支援)、災害後:ボランティア支援促進システム

両方・ヘルスケア:来訪者向けのヘルスケアと環境価値に基づいた地域ブランディングを向上させるためのデータ利活用システム
4℃
  • 国内の多くの地域は人口急減と財政難に直面する。
  • 国や自治体は、すべての人々へのインフラやサービスを提供することが困難となる。
  • 広域連携、官民連携が進む。限られたリソース(行政職員・財源)から気候変動緩和に関する施策は優先度が下がる。
  • 災害の多発・大規模化を見据え危機管理能力の向上と行政機能の継続性が求められ、適応分野は重点的に取り組まれる。
  • 格差の拡大、コミュニティの階層化と分断が進み、あらゆる政策分野(経済・福祉・教育・都市計画・財政など)に影響を与え、社会課題となっている。
  • デジタルツインを活用した防災計画
  • マイナンバーカードを活用した災害後支援
  • 化石燃料ベースの集中型エネルギーシステム
  • エネルギー・食糧など物価の上昇
  • 自家用車中心
  • 自然資本の減少
  • 防災・減災対応・災害時・災害後ソリューションニーズの増加
  • パーソナルデータ・行政データを活用した行政ソリューションの創出
  • 気候変動に適した農産物への対応ニーズの増加
  • 再生可能エネルギー導入・地産地消エネルギー推進ソリューションの増加
  • 個別化医療・オンライン診療への市場算入
  • 産業間のサプライチェーンBCPの取りまとめ
  • セキュリティビジネスニーズの増加
  • 顧客の減少、システム統合による市場・パーク減少
  • 自由競争の激化
  • 個人情報・生体情報利用に対する抵抗感

NEC全体におけるリスクと機会

NECでは、気候変動が与える影響について、リスクと機会の視点から短期・中期・長期に分けて分類し、認識しています。検討プロセスとしては、まず既存事業を気候変動の視点で整理後、シナリオを用いて気候変動により将来生じる影響を評価しています。同時にリスクへの対策と機会に対するアセットを確認しています。特に大きなリスクと機会においては、中期経営計画にも反映しています。

リスク 内容 リスク管理と対策
移行リスク カーボンプライシングによるリスク
  • CO2排出実質ゼロ(2040年)に向けた2030年度新目標達成時のNECのScope 1、2(約16.4万t)すべてにカーボンプライス(130米ドル/tCO2)がかかると想定すると、28億円のコスト増(1米ドル=130円で想定)
  • サプライチェーンの上流、下流のコスト増もインパクトを与えると想定
CO2排出実質ゼロ(2040年)達成に向けた効率化の徹底と再生可能エネルギーの活用拡大(サプライヤーエンゲージメントや製品の省エネルギー性能向上への継続的な取り組みを含む)
物理リスク 気象災害(洪水、土砂崩れ、水不足など)に伴うサプライチェーンの寸断、電気・ガス・水道などライフラインの長期間にわたる停止を想定 サプライチェーン全体のリスク評価と河川氾濫など気象災害を含むBCP対策(防水扉の設置や電源設備の移動など)、データセンターでの発電設備強化
機会 内容 機会創出と拡大
移行リスク対策への価値提供(緩和) CO2排出の少ない交通インフラ整備 AIおよびIoTを活用した物流可視化・ルート最適化。EV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド自動車)充電クラウドなど
再生可能エネルギーの活用拡大支援 仮想発電所(VPP)、電力需給管理、リソースアグリゲーション事業(需給調整市場)、xEMS( エネルギーマネジメントシステム)、再生可能エネルギーを活用したデータセンターサービス提供など
エネルギーの無駄の削減支援 DXによるプロセス改革(業務自動化、スマートファクトリー、需給最適化)、データセンターの省エネルギー化を支える製品・技術(新冷媒)など
物理リスク対策への価値提供(適応) 気象災害の増加への備え
  • AIおよびIoT、画像解析などを活用した災害発生前の予兆検知、河川氾濫シミュレーション、避難支援など
  • 防災・減災による将来のCO2抑制量を可視化し、金融商品化することで防災・減災対策への投資を促進する仕組みを検討
森林火災の増加への備え 森林火災監視・即応システム、衛星による災害監視など
農業生産適地の変化への備え 影響予測シミュレーション、農業ICTソリューションなど
感染症の拡大への備え 感染症対策ソリューション、地球規模感染症発生時の物流情報管理プラットフォーム、リモートワーク、遠隔診療支援、教育クラウドなど

気候変動緩和に寄与する製品・サービス

ESGコンサルアプローチ:脱炭素実現ステップ

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お客様の課題解決プロセス(=脱炭素実現ステップ)を基に、All NECでお客様を支援。

インターナルカーボンプライシングの導入

NECでは、エネルギー効率化と低炭素設備導入推進の視点から、インターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)を設定して設備投資によるCO2排出削減量を金額換算し、投資判断の情報として活用しています。
また、本仕組みは、将来の炭素税増額や排出権取引拡大の可能性を見据えた脱炭素社会によるリスクの低減と将来の脱炭素活動の推進にもつながっていると考えています。

「緩和」への貢献

NECが提供するICTソリューションは、お客さまの業務を効率化し、人やものの移動や保管、ペーパーレス化などを実現し、ICTソリューションの導入前と比べると、トータルでCO2排出量の削減につながります。お客さま・社会がCO2排出量の削減対策を進めていく中で、NECのICTソリューションが貢献する機会が増えると考えています。

緩和事例

企業のNet Zeroに貢献するリソースアグリゲーションビジネス
カーボンニュートラルを達成するため、世界規模で再生可能エネルギー(以下、再エネ)の主力電源化が進んでいます。国内では、発電出力の変動が大きい太陽光発電や風力発電の導入が増えるに従って、電力系統の需要量と供給量のバランスを保つことが困難になっています。これらの課題を解決するため、2021年4月に需給調整市場が開設され、再エネの発電変動量を吸収し、需給バランスを保つための調整力取引が行われています。従来は、稼働率の低い老朽火力発電所が調整力の供給を担ってきましたが、市場開設後は蓄電池や自家発電機など変動対応能力の高い分散電源も調整力の供給が可能となっています。分散電源による調整力の供給は、老朽火力発電所の代替と再エネによる調整力の供給が可能となるため、再エネ主力電源化に大きく貢献することができます。
NECでは、企業などが保有する発電設備や蓄電池などの分散電源を新たなエネルギーマネジメント技術により統合・遠隔制御し、全体であたかも1つの発電所のように機能させる「バーチャルパワープラント(VPP)」を実現することで、電力系統の安定化と再エネ主力電源化に貢献しています。2019 年からは、NEC のIoT 技術を活用したpopup「NEC Energy ResourceAggregationクラウドサービス(RAクラウドサービス)」の提供を開始しています。RAクラウドサービスは、太陽光発電などの複数のエネルギー設備や、蓄電池、EV(電気自動車)などの装置を、需要の予測も含めてICTを用いて制御・最適化するものです。需給バランスの状況に応じて、需要家にある蓄電池やEMSを遠隔で制御することにより、需要をコントロールするデマンドレスポンス*2で電力系統の安定化に貢献することが可能となります。これらの制御は、太陽光発電の「むら」や「無駄」を解消することもできるため、企業ごとのゼロエミッション達成への道も開けます。NECは、これらの技術を使い自らもリソースアグリゲータとして、グループ内やお客さまの分散電源を制御し、電力取引が行われる取引市場に参入することで、社会全体の脱炭素化の実現を目指します。

  • *2
    デマンドレスポンス(Demand Response):市場価格の高騰時または系統信頼性の低下時に、電気料金価格の設定またはインセンティブの支払いに応じて、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させること
アグリゲーションサービス

「適応」への貢献

NECが注力する社会インフラ事業は、気候変動による「災害」「水資源不足」「食料不足」「健康被害」などのさまざまな影響への「適応」に貢献できると考えています。

適応事例

河川水位IoT監視システム
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)において、今後気候変動の影響により、「大都市部への洪水による被害のリスク」や「極端な気象現象によるインフラなどの機能停止のリスク」が増えると予測されています。また、日本では、台風や集中豪雨による小規模河川の氾濫被害が問題となっており、河川水位のリアルタイムな状況把握、住民に対する情報提供が求められています。
このようなリスクに対し、NECでは、身近な河川の変化を広域無線技術(LPWA*3)を使って収集し、インターネットでリアルタイムに公開、住民の安全確保に活用できるpopup「河川水位IoT監視システム」を開発しています。
本センサーは、電源工事不要で簡単に取り付けられる汚れに強い非接触型であり、河川水位を平時は1時間、大雨時は10分おきにデータを更新します。これらの情報はLPWAなどを使用して、クラウド上のサーバに送られ、Webシステムで公開されます。地方自治体はこれらの情報を利用し、地域の防災計画や緊急対応の準備情報に活用できます。また、住民は、リアルタイムで河川情報を入手でき、早期の備えや防災意識の向上につながります。すでに、国内5つ以上の地方自治体で実証や検証を行っています(2021年3月現在)。

  • *3
    Low Power Wide Area
河川脇に設置されたセンサー
河川水位IoT監視システム

温室効果ガス排出量 目標と実績

2022年度の実績は以下のとおりです。なお、すべての実績において第三者保証を獲得しています。

項目 目標 実績
Scope1,2 21.0%削減(2017年度比) 45.1%削減(2017年度比)
Scope3 11.1%削減(2017年度比)
温室効果ガス排出量実績(Scope 1,2,3)

対象範囲:NECグループ

Scope1,2,3 実績内訳