本ウェブサイトでは、JavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。
お客さまがご使用のブラウザではスタイルが未適応のため、本来とは異なった表示になっておりますが、情報は問題なくご利用いただけます。
株式会社石井工作研究所
代表取締役社長
石井 見敏 氏
株式会社石井工作研究所
経理課 情報係 係長
甲斐 靖章 氏
日本経済を支える数多くの中堅企業が、常にスピード化と厳しいコスト競争を強いられる状況はこれからも変わりそうにない。しかし、その中でも一歩先を行く企業には、独自技術の開発や高品質な製品の提供を追求する意識、IT活用に対する明確な考え方があった。
コンピューター・携帯電話・AV機器・自動車など、いまやあらゆる産業製品に搭載され、心臓部を担っている半導体(IC)。株式会社石井工作研究所様は、半導体製造プロセスの後工程でリードを切断・成形するリード加工機を中心に高度な技術が活かされた機器を開発・製造・販売する企業です。九州・大分の地で金型製造の個人企業から出発し、1979年には精密金型に加えて半導体製造関連装置を事業の主体として以来着実に成長を重ね、1996年に株式を日本証券業協会の店頭売買有価証券として登録しました(2004年ジャスダック証券取引所上場)。
1986年に開発した半導体製造用の低騒音、超小型NC モーター半導体プレス装置「ソフトプレス」は、それまでの常識を180°転換する画期的な製品で、その後の企業成長のきっかけとなるだけでなく、日本をはじめ世界の大手半導体メーカーに採用され、それらの大手企業が市場シェアを伸ばす原動力になるものでした。「プレスといえば製品に勢いよく金型を当てて切断・成形するのが常識でしたから、製品に当たる瞬間だけ金型のスピードを落とし、騒音を抑えるというアイディアは当初誰からも受け入れてもらえませんでした」と、石井見敏 代表取締役社長は語ります。構想から約10年を経て完成したのは、単位時間当たりの製造個数を維持したまま、衝撃音を基準値以下に抑えて働く人に優しく、かつ生産コストの面でも有利な画期的な半導体製造装置でした。衝撃の少ないソフトプレスで製造された半導体は品質が高く、パッケージが経年劣化を起こす心配もありません。したがって、大手メーカーから出荷される半導体の耐久性向上に大きな役割を果たしたといえます。「周りから無理だと言われたからといってそこで諦めてしまうのでは、何も生まれないし中堅企業が勝ち残っていくことはできません。 IT活用にしても同じことです。『こうしたらもっとうまくいくのではないか』ということを常に追求すべきなのです」(石井 社長)。
そんな石井工作研究所様が、NECソフトウェア九州のソリューション提供を受けて2007年4 月から稼働させたのがNECの基幹業務パッケージ「EXPLANNER/Ai」による新たな会計システムです。実稼働後間もないため、基本部分から順次機能を拡張中ですが、EXPLANNER/Aiの会計・人事・給与システムに加えて、EXPLANNERシリーズの生産・販売管理システム「電脳工場」が連動し、経営への貢献が始まろうとしています。
「会計システム入れ替えのきっかけは、既存システムのバッチ処理を減らしたいということでした。もともとはオフコンを使っており、その後1997年からはクライアントサーバー環境でエミュレーター系のパッケージに移行していました。日次・月次のバッチ作業を効率化するためにシステムの更新を考え始めました」と、経理課 情報係 甲斐靖章 係長は話します。すでに会計処理がEXPLANNER/Aiへ完全移行しており、最低限必要な帳票類を最初に用意。現在はその種類を拡げている段階です。
「パッケージソフトでは自分たちの仕様に合わない部分が必ず出てきます。新しい会計システムでは、レポートクリエイター機能を使うことにより帳票類を後から現場で加工できるので、そこをうまく活用していきたいです。これまではデータをCSV形式で出力するだけでも、情報システム部門がやらなくてはなりませんでしたから、大きな進歩です。また、承認作業がシステム上で行えるようになったのも大きなメリットです。従来紙ベースで行っていた『担当者〜課長〜部長』の承認・決済を業務フローとして標準化して行うようになりました。内部統制についてもこうしたところから順次対応していけます。今後は生産・販売管理側もワークフローシステム『FlowLites(EXPLANNER/FL)』と連携し、フローを明確化していく予定です。役職や部門の違いにかかわらず、新しい業務のやり方を根付かせていければいいと思います」(甲斐 係長)。
新しい会計システムでは、これまでオフラインで処理されていた会計・人事・給与の処理も、EXPLANNER/Aiの機能を使いながらオンラインに移行、自動仕訳によって情報を連携させる予定です。「データが一元化されてオンライン処理が進むと、データベース上の情報を『正』とする習慣を作ることができます。これまでのような紙ベースでは、決められた期限に間に合わなくても処理が押し込まれてきて、きりがありません。ある時点での情報が正しくない可能性も出てきてしまいます」(甲斐 係長)。
石井工作研究所様は、上場企業の宿命から月次決算を迅速に行わなくてはなりませんが、そのために会計と生産・販売管理の連動を強化していくのが今後の課題です。EXPLANNER/Ai の機能を使って電脳工場との情報連携が図れれば、月末に集中する売上処理も自動仕訳され月次決算の効率化に大きく貢献します。「プラント的な装置を扱っている関係上、客先に納めた製品の検収をもって売上が計上されます。これからは紙ベースではなく、きっちり期限までに入力しなくてはならないので、もしかしたら営業担当者には嫌がられるかもしれませんが、正確な情報が上がってきて、監査法人が出す残高証明と一発でぴったり合うようになるはずです。 Web経由でこういった処理ができるようになれば、海外で受注活動をしている営業担当者がすぐに売上を立てることができます。これはもっと効果的です」(甲斐 係長)。
「経営者としては、実際に今どんなことが会社で起こっているかを逐次把握したいものなのです。納期の遅れや、開発案件の収支、生産性のボトルネックなど、システムからの情報を基に私が判断できれば、すぐに対策をとれます。工程管理や営業担当者にしてもそうです。自分の仕事の状況がわかれば、良かった点・悪かった点を自分で考えることができます。それを繰り返すことによって人の能力はどんどん高まっていくのです。それは会社にとってもかけがえのない資産です。情報システムをこういうことの支援に役立てていければ、他の会社に負けないのではないでしょうか」(石井 社長)。
「今回がNECソフトウェア九州との初めてのプロジェクトでしたが、提案を受ける前からセミナーや勉強会などを通じていろいろな情報を提供していただきました。実際にリプレイスを相談した時には、私たちのニーズをかなり理解していただいていました。当社は相談した後は決定・実施までが早い方だと思います。したがって、当社の決定事項を毎回一から十まで説明する必要もなく、スピーディに対応していただけています」と、甲斐 係長は話します。また、 EXPLANNER/Aiについては「当社の場合はどうしても生産管理が基幹になりますから、そことのインターフェースがきちんととれることを基本に、決算を迅速化していくことから始めて、様々な提案を受けました」と続けます。
石井 社長は「私たちは半導体製造装置以外にも、新しい分野に取り組み始めています。製品の加工精度の問題でも、開発スピードの問題でも、新しい発想がつぎ込めないのではいけません。今回のシステムもこれからどんどん工夫を加えていければいいと思っています」と語ります。新しい会計システムへの期待は大きく、これからもEXPLANNER/Aiを中心とする全体最適化によって戦略に貢献できるソリューションの提供が望まれています。
NECソフトウェア九州
ソリューションサービス事業部
ソリューション営業部
大分SIセンター長
横手 一茂
石井工作研究所様とは半年前に私が大分SIセンターに着任してからのお付き合いです。NECソフトウェア九州としては、前任者を含めて10年近くお付き合いさせていただいています。私が感激したのは、石井社長様がご自身で実現したい機能をイメージして今回のプロジェクトに臨まれ、帳票や画面イメージを自ら作成されて弊社へご説明いただいたことです。会計システムは4月に本番を迎えましたが、新基幹システムすべてが稼働するのは今年の秋の予定です。それまで全社一丸となり全力でサポートしていきます。また、今後とも石井工作研究所様から信頼されるパートナーとして認めていただけるよう、様々なソリューションのご提案を行っていきたいと考えています。
本社住所 | 大分県大分市東大道2丁目5番60号 | |
---|---|---|
設立 | 1979年1月5日 | |
資本金 | 11億8,630万円 | |
主な事業 | 半導体製造用を中心とする精密金型や装置の開発、設計、製造および販売が主な事業で、国内はもとより海外市場にも販売活動を強化している。機械部門に加えて電子部門も併設し、自動制御部分を自社内で開発・製造するなど一貫した業務を行って、「エレクトロニクス」「メカニカル」「超精密加工」をバランスよく融合させた総合力を特長としている。 | |
URL | http://www.i-kk.co.jp/ |
(2007年7月1日)
カタログをご希望の場合は対象製品名と必要部数をお知らせください