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物流改革に向けた物流KPIマネジメントの重要性 【第1回】

講師:柴田 道男

第1回 物流戦略とKPIマネジメント(2009年7月15日公開)
講師:柴田 道男  プロフィール
(NEC 流通・サービス業 ソリューション事業本部 ソリューション推進部 マネージャー)

景気が伸び悩む中、企業における物流は固定費削減の切り札として着目されています。
物流コストは下げたい、でもサービスレベルは向上したい、そうした悩みへの解決策として物流戦略の設定とKPIを活用した現場マネジメントの実現について、2回にわたって解説します。

1.企業における物流改革の必要性と動向

(1)企業における物流コスト状況

企業の売上高に対する物流コストの比率は約6%といわれています。(JILS調査)
年商100億の企業であればおよそ6億円の物流コストがかかっていることになります。
その内訳は輸配送関連コストがその6割、保管関連コストが3割、残りの1割が情報システムやその他のコストになります。この6%の物流コストを例えば3割削減できるとしたら、1.8億の利益を上乗せできることになるわけです。

(2)サプライチェーンにおける物流の役割

サプライチェーンにおける物流の役割【図1:サプライチェーンにおける物流の役割】

上図のように、「物流」は様々な領域で発生しています。製品物流だけではなく、原材料の調達においても工場内の移動においても「物流」業務は発生しています。保守が必要な製品においては保守パーツの物流も必要です。
近年の特徴としては、ネットビジネスの進展などに伴い「直送化」が進んでいることが挙げられます。従来はまとめて納入すればよかった物流が、細分化し煩雑化していることが物流現場の課題となっています。さらに製造ロットや日付の管理、納入履歴の把握(トレーサビリティ)という管理業務の追加も現場作業の負荷を高めています。

(3)物流改革の動向

こうした中で最近の物流改革の動向はどうなっているのでしょうか?
昨年末以降の物流関係のニュースを整理してみると、2つのキーワードが見えてきます。
ひとつは「物流再編成」であり、もうひとつは「統廃合」です。売上高が伸び悩んだり低下する中で、物流コストの削減をテーマにまず組織を再編成し、ムダを削減して統廃合を進めようといった取り組みが多く見られます。
「統廃合」は在庫低減などのコスト削減効果が高いため、大手企業を中心に自社の物流ネットワークを再編成したり、全国の物流拠点を統廃合する動きが見られます。

2.物流戦略の設定と物流改革の階層

(1)物流戦略の設定

では、具体的にどのように物流改革を進めていったらよいのでしょうか。
物流は営業や生産活動の後処理としての役割を押し付けられがちな分野となっていますが、この後処理状態を脱却するにはきちんとした「物流戦略」を掲げることが重要です。
「物流戦略」とは「企業戦略」に沿って設定されるべきものです。企業方針としてどのような点に重心をおくのかによって「物流戦略」は異なってきます。
下図のように、物流においては「コスト」「品質」「納期」が永遠の取り組みテーマとなっています。 では、皆さんの会社はこのどれに重きを置かれているでしょうか?全部でしょうか?

物流戦略バランス【図2:物流戦略バランス】

確かにどれも無視してよいテーマはありません。とはいえ、会社によってこの3つのどれに重きをおくのかという「物流戦略のバランス」は異なってきます。
例えば、通販会社では当日出荷を企業戦略として掲げているところがあります。この場合コストを多少かけても納期を短縮する、というのが物流戦略のバランスとなります。
また、品質管理(温度など)が絶対的でそのためには時間はかけてもよい、という物流もあります。
皆さんの会社で競合との差別化において何をセールスポイントとするのか、という観点でこのバランスを検討する必要があります。

(2)物流改革の階層

物流戦略を検討する上では、「物流改革の階層」にも目を向けておく必要があります。下図のように物流改革はおよそ3つの層で考えることができます。これらは同時に実施できるものではなく、改革に必要な期間がありますので今年度の短期的取り組みと中期計画での取り組みに分けて考えると良いと思います。
例えば、全国の5つの拠点を東西2つの拠点にまとめて、物流コストを削減し納期や品質は現状同等以上のレベルを確保する、という方針を立案したとします。その場合、センターの統合は3年計画で行い、今年度はまずは物流現場の作業改善に取り組むというやり方です。 こうしたスケジュール設定とそれぞれの改革でのゴールを設定することで経営者層にも理解を求めることが出来ます。

物流改革の階層【図3:物流改革の階層】

  • サプライチェーンネットワーク設計
  • 物流センター改革
  • 現場作業改善
  • これらの3つの改革を場当たり的でなく組み合わせて実施することで着実に成果を上げることが出来ます。

3.物流KPIの設定とマネジメント

(1)物流サービスの現状分析

では、いよいよ本論となる物流KPIの設定についてご説明します。企業の戦略に沿って物流戦略を立案し、中期的なマイルストーンを設定するというイメージはつかんでいただけたと思います。では具体的に物流のサービスレベルはどのレベルに設定するのか、についてまずご説明します。

品質や納期について「ゆずれない一線」というものがあれば、あらかじめ整理しておく必要があります。この物流サービスのレベル設定は最終的にはトップ層の判断で決めることになりますが、そのための判断材料として「物流サービスの現状分析」を簡単に行うことが出来ます。
皆さんの会社で行っている物流サービスの各項目について営業部門や生産部門、できれば取引先にヒアリングを実施します。
これには簡単な調査票を用意し、現状行っているかもしくは期待されているサービスに対して「重要度」と「実現度」をお伺いします。

物流サービスの分析【図4:物流サービスの分析】

例えば、「当日出荷」という物流サービスに対して取引先の「重要度」と「実現度」をそれぞれ5段階で評価してもらいます。「重要度」が5で「実現度」が5であれば重要と思われているという項目に対し十分に実現できている、という評価ができます。 もし仮に、「納品書の添付」という物流サービスがあり、「重要度」が3で「実現度」が5であったとします。 この場合は「別に全部添付してくれなくてもいいのに・・・」という取引先の意向があるかもしれません。にもかかわらず「実現度」が5となるのはいわば「過剰サービス」でコストの増大を招いている可能性があります。

このようにサービスの分析を行うことで無駄の少ないサービスレベルの設定が可能です。物流現場ではかつて必要とされたサービスを実直に継続していることがよくあります。ところが取引先の何らかの理由により、「別にそこまでしなくても・・・」と思われている可能性があります。
したがって、この調査は(毎回取引先に聞くかどうかの判断は必要ですが)定期的に実施する意味があります。

(2)物流KPIマネジメント

物流サービスについて、関係部門の期待に沿ったサービスレベルの設定がされたら、これらの実行と継続に向けた仕組みづくりが必要です。

物流KPIの設定とマネジメント【物流KPIの設定とマネジメント】

上図のように経営層から現場部門までひとつながりとなるマネジメント階層を作成します。「物流コスト削減」という物流戦略目標に対し、物流現場が日々、何に取り組むのかを具体的に設定します。財務データとしてのコストは結果として出てきますが日々の取り組みとして何をすべきかを定義するのが「物流KPI」です。

例えば「出荷作業の生産性向上」というKPIに対して現場単位・グループ単位で目標値の設定を行います。一人当たり○件の出荷検品を達成する、そのために実施する項目を設定します。例えばベテラン作業員からパート作業員へのノウハウ教育を月3回実施する、といったことです。出荷作業の生産性向上のためにまずは教育を3回行う、という目標を設定しこの実施を着実に管理していきます。

こうした階層に応じたマネジメント項目の設定で継続的に物流改革の成果を上げていくことが出来ます。
この階層別のKPIマネジメントについては第2回の本コーナーでさらに詳しくご説明をいたします。

次回(第2回)も、どうぞよろしくお願いします。
第2回は、「物流KPIマネジメントの実践」について解説いたします。

本コラムに関するご質問・ご相談などは、下記よりお気軽にお問い合わせください。

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