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中堅生産財卸・商社にもとめられる差別化戦略とは 【第4回】

~事例に見る成長戦略の5つのポイント~

講師:片山和也 氏

第4回
収益力を上げる、卸・商社におけるマーケティング戦略
(2008年7月公開)

講師:片山 和也  プロフィール
(株式会社船井 総合研究所 シニアコンサルタント)

1. 求められるマーケティングへの取組み

前号では求められるギアチェンジということで、主にマネジメント面について触れてきました。本号では卸・商社におけるマーケティングについて考えていきたいと思います。  

ところで皆様は、「卸」と「商社」の違いが何かご存知でしょうか。卸にしても商社にしてもやっていることは同じです。経済産業省によれば、商社とは「卸売業務を主体とし、海外貿易の割合が高い企業、あるいはマーケティング機能を持つ企業」と定義されています。つまり“単なる卸”なのか“商社”なのか、その違いはマーケティング機能を持っているかどうかなのです。

ではマーケティングとは何か?マーケティングとは一言で言えば「いかに売れる商品をつくり、売れる仕組みをつくるか」ということになります。卸・商社におけるマーケティングは、これに「いかに売れる商品を扱うか」ということがプラスされます。 卸・商社におけるマーケティングを、具体的な施策別にまとめると以下のようになります。

  1. 品揃え戦略
  2. カタログ戦略
  3. エンジニアリング戦略
  4. PB商品戦略
  5. プル型営業戦略
まず“品揃え戦略”ですが、卸・商社の基本は「何でも売る」ということにつきますが、その中でも自社の得意分野を明確にする必要があります。“カタログ戦略”は品揃えを反映させたものです。

また“エンジニアリング戦略”は地域密着型の場合特に有効な戦略であり、“PB商品戦略”は逆に全国区型の場合や通販主体の場合、特に有効な戦略です。“プル型営業戦略”は従来の営業の常識である“プッシュ型営業”の逆です。 それぞれ次項より詳しく述べていきます。

2. 品揃え・カタログ戦略

まず“品揃え”ですが、卸・商社に限らず流通業というのは品揃えが多ければ多いほど有利になります。いかに価格面で勝っていても、品揃えが劣っていれば最終的には負けてしまいます。しかし、全ての商品をまんべんなく取扱うことは、現実問題として不可能です。つまり品揃えをどの分野で充実させるかということが、その卸・商社の戦略ということになります。船井総研ではマーケティングの目的を「自社が一番になれる市場を探すこと」と定義しており、これを一言で「力相応一番」と表現しています。

卸・商社の場合、一般に規模が小さくなればなるほど「何でも屋」となり、取扱商品の特色が無くなる傾向にあります。商品面において自社の強みが不明確だと、おのずと営業スタイルも属人的なものになり易くなります。さらに購買頻度が著しく低い商品アイテムを多く取扱う結果となり、それが業務の煩雑さを生み生産性が低下するという悪循環に陥るのです。販売規模の小さい卸・商社の生産性が低いのは、こうしたことが原因です。

こうした自社の品揃えを媒体に反映させたものが“カタログ”になりますが、全国区の卸・商社の場合、自社カタログ(商報)は大きな武器となります。取扱商品が多い卸・商社にとって、自社カタログの制作は大きな投資となりますが、ポイントを押さえた上で制作を行えば、目に見えて業績が上がります。卸・商社が自社カタログを制作する上でのポイントは以下の3つです。

  1. 物流とリンクしていること(在庫状況と納期の明記)
  2. 販売価格(あるいは定価)が明記されていること
  3. 自社が得意とする商品カテゴリーが明確になっていること
1.については、例えばメーカー直送品であっても大体の納期やメーカー在庫の有無がわからないと、商報としては用を成さないということです。2.の定価を載せるか、実際の販売価格を載せるかは、ユーザーを意識するか販売店を意識するかによって変わってきます。3.の重要性は今まで述べてきた通りです。

3. エンジニアリング戦略

エンジニアリング戦略は特に地域密着型の商社の場合、有効な差別化要素となります。商社におけるエンジニアリング機能としては、主に以下のことが挙げられます。

  1. 専用機やプラントの設計・製作・販売
  2. 各種工事の設計・施工
  3. 標準品への追加工等カスタマイズ

1.については例えば工場の加工設備や組立装置、検査装置の中でも、ナショナルブランドメーカーが販売する標準品では対応できないような設備装置を手がけることです。設計・製作まで自社で行うパターンもあれば、自社は販売のみで設計・製作は外注に投げるパターンもあります。2.の各種工事についても同様です。いずれにしても一般の営業だけでは組織的に対応できないので、エンジニアリングの専任担当者をスタッフとして置くことが必要です。そしてラインの営業がエンジニアリングの引き合いをもらったら、スタッフに相談するという形をとるのが一般的です。

3.の標準品への追加工等とは、例えば標準品の滑車にお客の図面に合わせたキー溝を入れる、あるいはお客の要望に合わせた長さの油圧ホースをつくるといったことが挙げられます。また、プラントで仕様される高圧バルブの圧力試験を行う、あるいは精密洗浄を自社で施すといったことも3.に含まれます。

エンジニアリング機能はエンジニアリング専任者が動けるエリア、あるいは工場がフレキシブルに対応できるエリアに限られるため、どちらかと言えば地域密着型の戦略であると言えます。また、エンジニアリングは一般に“手離れが悪い”ので、こうしたことも地域密着型に向く戦略と言えるのです。 エンジニアリング戦略は手離れが悪く多少のリスクがある反面、1)顧客との人間関係を築き易い 2)全国区大手が参入しにくい といったメリットがあります。事実、地域密着型で業績の良い卸・商社には大概、エンジニアリング機能が備わっています。

4. PB商品戦略

PBとは“プライベートブランド”の略語であり、“ナショナルブランド”の対義語です。ナショナルブランドがメーカーを前面に出したブランドであるのに対し、PBは流通(卸・商社)が企画したオリジナルブランドです。PBはナショナルブランド商品と比較すると粗利率が高く、成功すれは高い収益性を会社にもたらします。

卸・商社においてPBで成功した会社の代表格が、米国の機械工具(MRO)卸・商社であるグレンジャー社であり、同社をベンチマークした日本のトラスコ中山です。トラスコ中山のPBは、例えば小分けされたネジや使いきりタイプのサンドペーパーなど、メーカーの商品であれば大量に買わざるを得ないところが、トラスコ中山のPBであれば必要な量だけ買えるという、現場のニーズをよくつかんだアイデア商品的なアイテムが特徴です。もちろんノギスやキャスターなど、メーカー商品よりも低価格の設定で価格面を訴求するPBも数多くあります。

また管工機材卸・商社のミヤコは、特に排水器具における自社PBに強みを持っています。管工機材というカテゴリーはパイプから継手、バルブやポンプに至るまで非常に幅広く、かつほとんどの商品が規格で規定されているため、特徴を出すのが難しい業界と言えます。そうした中でも同社は、自社PBを中心とする排水器具に強みを持つということで、業界の中でも強力に差別化を図っているのです。

このような自社の企画商品だけでなく、海外ブランドの商品を国内で販売することも広い意味でのPBということになるでしょう。例えばキャプテンインダストリーという会社は、工作機械周辺機器に特化した商品を全世界から輸入し、国内メーカーに供給しています。例えば配線ケーブルを保護するジャバラや、機械内用照明灯など国内市場だけではニッチすぎる商品について、うまく海外商品を開拓しているわけです。 全国区の卸・商社であれば、PB商品戦略は外すことのできない戦略と言って良いのではないでしょうか。

5. プル型営業戦略

“プル型営業”とは“プッシュ型営業”と逆の概念です。 “プッシュ型営業”は、営業マンがお客のところに一方的に売り込みに行く営業スタイルであるのに対し、“プル型営業”は逆にお客の方から自社に来てもらう営業スタイルです。一般にモノが世の中に行き渡った「成熟期」になってくると、“プル型営業”のスタイルが有効になってきます。例えば自動車販売などは、今や営業がお客を訪問する営業スタイルではなく、店舗やショールームへお客さんに訪問していただくスタイルへと変化しています。

卸・商社の場合は、訪問販売が主体ですから“プッシュ型営業”が主役ではあるのですが、そうした中でも“プル型営業”の要素を取り入れていくと、“プッシュ型営業”を促進する効果を生むのです。 卸・商社における“プル型営業”の手法としては、

  1. 展示会の企画
  2. セミナーの企画
  3. ショールームの設置
が挙げられます。
1.の展示会については自社でテーマを設定し、複数のメーカーを集めて行うタイプのプライベートショーと、メーカーが主催する展示会への動員を挙げることができます。2.のセミナーについては、自社で企画するケースはもちろん、メーカーを講師として企画するケースがあります。例えば「工場エネルギーにおける省エネ技術の動向」など、自社商品の販売につながる技術的な内容になることが多いと言えるでしょう。3.のショールームの設置は、自社がPBを持っているケースには有効な施策です。 こうした企画を 1)DM 2)FAX DM 3)インターネット 4)広告 5)営業ツール によって告知、集客につなげます。“プッシュ型営業”の営業力強化をもちろんですが、新規開拓を中心にこうした“プル型営業”にも取組むことが、自社の活性化につながる施策となるのです。

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