富山市

NECスマートシティ

スマートシティ向け基盤の実装で都市課題を解決

データを利活用したまちづくりは、すでに始まっています。富山市は、IoT等の近未来技術を用いたエビデンスデータや各種業務で活用できるデータの収集を目指し、2018年にIoT向けの省電力・長距離通信が可能なネットワーク「LoRaWAN™※1」を居住人口の98.9%をカバーするエリアに整備するとともに、各種IoTセンサーで取得したデータを集積・管理するためのIoTプラットフォーム(NECが提供するFIWAREを採用)を構築し、「富山市センサーネットワーク」として運用を開始しました。「富山市センサーネットワーク」を用いて収集した様々なデータを分析・活用することで、地域の新たな価値を創出する試みを進めています。

持続可能なコンパクトシティに取り組んできた同市では、富山市に家族で住んでもらうには子供の安全・安心が重要と課題設定し、「こどもを見守る地域連携事業」をパイロット事業として展開しました。児童にGPSセンサーを持たせ、個人情報を含まない登下校の位置情報を収集。富山大学の大西教授と共同して収集データを分析し、登校時・下校時の移動経路の違いや学年別の移動経路の違いなど、児童の登下校路の実態を「見える化」しました。得られた分析結果を小学校、PTA、自治振興会等と共有し、実態に即した見守り活動の検討資料として活用するなど、IoT技術等の近未来技術を活用した地域住民との協同による地域の安全・安心の向上を図っています。

人やモノの移動の可視化と分野横断データ活用を可能にする同基盤を、民間に開放する取り組みも始まっています。2019年、同市はSociety5.0における地域産業の活性化を目的として、「富山市センサーネットワーク」を実証実験環境として民間事業者等に無償提供する公募事業を実施しました。その結果、IT、福祉、農業など様々な分野にわたる23事業36団体からの応募がありました(NECも「分野横断サービスの実証研究」として参加)。

今後も、「富山市センサーネットワーク」を活用し、Society5.0における新たな価値の創出、新時代の市民サービス・QOLの向上、産業振興に取り組んでいきます。

  • ※1
    LoRaWAN™:LoRa Allianceで規格化が進められている低消費電力の広域ネットワークプロトコル。

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