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システムプラットフォーム研究所

2021年7月16日

システムプラットフォーム研究所

通信とAIの連携で、独創的な基盤技術を生み出す

システムプラットフォーム研究所では、コンピューティングと通信技術をもとに革新的なプラットフォーム技術を生み出す研究を進めています。サイバー世界と実世界の接点を拡大し、連携を深化させることがミッションです。
現在、通信においては5GやBeyond 5Gなどの高速化・大容量化の流れのみならず、自律性や拡張性など運用の効率化が注目されるようになっています。一方で、AIやデータサイエンスの領域においても複数のAIを接続するために、通信は不可欠なものとなりました。いまやAIと通信は不可分な表裏一体の領域です。1977年から「C&C(Computer & Communication)」を掲げ、この領域で研究を続けてきたNECは、現在も世界に誇るさまざまな技術を生み出しています。
たとえば私たちは現在、通信品質の新たな評価指標として注目されるQoE(Quality of Experience)を最大化させる技術を開発しています。QoEとは、アプリケーションを使用するユーザーが体感する品質に注目した評価指標です。ユーザーの感じる満足度と言い換えても良いかも知れません。単に通信速度を中心に評価する従来型の指標とは、大きく異なります。自動運転車の遠隔管制であれば、車載カメラから送られる映像が用途に適したレベルで制御システムに届き、実際に制御できるかどうかを示すのがQoEです。アプリケーションの特性を踏まえて通信+制御し、結果的にエンドトゥーエンドで安定的に対処できることが重要視されます。通信速度等の従来の指標は、あくまでもQoEを構成する要素や条件の一つに過ぎません。システムプラットフォーム研究所ではこのQoEに着目し、例えば映像中の注視領域だけを自動で判別して鮮明化し、それ以外の部分は圧縮して送信する技術を開発しました。これにより、通信容量が限られ、変動する環境においても遠隔地の状況を正しく判別し続けることができます。本技術は、実際に自動運転バスを遠隔地から監視するシステムに搭載し、実証実験にも成功しています。
また、大容量光通信も我々が得意とする分野です。NECは海底通信において、世界で3割近いシェアを誇っています。グローバルレベルでのデータ活用が進み、さらなる大容量化が求められる海底通信ですが、陸上から供給する電力はもはや限界に達しており、世界中でこの問題の解決が求められています。システムプラットフォーム研究所では、光ファイバ当たりの伝送容量を増大するための技術開発に加え、海底に設置される光増幅器内の光を再利用することで大幅な省電力化を実現する技術など、この分野でも革新的な技術を開発しています。

量子コンピューティングやロボティクスにも注力

システムプラットフォーム研究所では、量子コンピューティングやスピン熱電、量子センサといった先端的な基盤研究にも取り組んでいます。NECは1990年代から量子コンピューティングの研究に取り組み、世界で初めて量子素子・量子デバイスの開発に成功した企業です。その技術やノウハウは脈々と受け継がれており、現在では産総研と連携しながら研究を加速させています。高性能な量子コンピューターの実用に向けたブレークスルーとなり得る技術の開発をめざし、チームを拡大して研究に取り組んでいるところです。
また、通信を介して連携するロボティクスも、私たちが注力する研究テーマの一つです。周囲の環境に設置するセンサ群でとらえた環境情報、およびその変化にも動的に対応できるロバスト性の高い「ネットワークド・ロボティクス」技術に取り組んでいます。倉庫内の搬送ロボットの自律制御や建設現場での建機の自動化など、周囲の環境を予測するAI技術と連携することで、数々の実証実験を成功させてきました。少子高齢化によって人手不足が不安視されているなか、熟練者の技やノウハウを継承できるロボットの社会実装を拡大させています。
さらにこの他にも、気候変動やカーボンニュートラルの実現などが世界的に注目されるいま、環境にやさしく、漆塗り調の美しさも備えたバイオプラスチックの開発や、フロンを使わない環境負荷の少ない冷却技術の開発など、社会の持続的発展を実現するグリーンイノベーションに向けた幅広い研究も行っています。このような多様性も私たちの強みの一つです。
データサイエンス研究所やセキュアシステム研究所など、ソリューションに欠かせない他研究所のスペシャリストとも連携を深めることで、サイバーと実世界を密につなぐ革新的なプラットフォーム技術を開発しつづけています。

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