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学生のみなさんへ2019インタビュー:ソンバトシリ・サリター

2019年2月4日

社会に役立つ技術を世界へ

データサイエンス研究所
ソンバトシリ・サリター

タイ出身。日本の大学で修士課程を修了後、博士課程の途中で2016年にNEC入社。現在は博士課程と並行しながら、NECでニューラルネットワークに活用するハードウェアの研究に従事している。

高速化処理から社会へ貢献できる技術をめざす

私はいま、データサイエンス研究所でハードウェアの研究・開発に従事しています。具体的に言うと、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の高速化技術が主な研究テーマです。画像認識などで使われるCNNですが、現状の技術ではまだまだ処理スピードが十分ではないという課題を抱えています。この処理時間を短縮し、即時に処理できるほどの高速化を実現することが、現在の大きな目標の一つです。おかげさまで、2018年には国際会議SASIMI(Workshop on Synthesis and System Integration of Mixed Information Technologies)において、この畳み込みニューラルネットワークについての発表「Parallelism-Flexible Convolution Core for Sparse Covolutional Networks」でOutstanding Paper Awardを受賞することができました。一つの技術的な足がかりはできましたので、今後はさらなる高速化や実用化をめざして研究をつづけていきたいですね。
私がNECに興味をもったのは、大学院で指導教授から紹介していただいたことがきっかけでした。私は日本の大学に留学していたのですが、博士課程で3年目を迎え、そろそろ就職先を考えなくてはならないなと感じていた時に、教授が「NECという会社も研究者を探しているよ」と教えてくれたんです。実は教授はNECの方々と交流があったので、その話をしてくれたんですね。NECは、アカデミアとも交流が深い企業なんです。
ですが、私は当時NECというと、パソコンなどの電子機器をつくっている会社としてしか認識していなかったんです(笑) でも、調べてみると世界中でたくさんの社会ソリューションも手掛けていることがわかりました。私自身、社会に役立つ研究がしたいと考えていたので、マッチするなと思い応募したというのが、入社までの経緯ですね。

博士号取得をサポートしてくれる研究環境

私はNECに入る際、博士課程を途中でやめて入社しました。ただ、そのことを会社の皆さんも気にかけてくださって、「博士号はきちんと取得した方が良いよ」と言ってくださったんです。なので、現在は博士課程をきちんと修了するために、会社で仕事をしながら大学にも通っています。大学は関西にあるので、2カ月に1回程度大阪大学に行き、卒業までに必要な研究や試験に取り組んでいます。こうしたサポートをしてくださる上司や会社には、本当に感謝しています。
上司や先輩たちは本当に親切ですし、研究者としても優秀な方が多くて、大きな刺激を受けています。特に、皆さんが幅広い知識を持っている点には驚きます。自分の研究領域だけでなく、関連する分野についても周知しているんです。大学であれば、自分の研究だけに集中しているだけで良かったのですが、研究技術を実際のソリューションに応用しようとすると、幅広い知識が必要になります。周りの皆さんは、そうした広い分野の知識があるんです。きっと大きなイメージやビジョンが見えているんだろうと思います。
社会に貢献できる技術やソリューションをつくり出していくためには、自分の専門領域の知識だけでは不十分です。社会が実際に何を必要としているかであるとか、何があればより住みやすい街になるかなど、ニーズを広く見極められることが必要不可欠だと思います。私もより広い視野をもって、社会に役立つ技術を研究していきたいですね。

海外からの研究者をサポートする制度も充実

NECには、私のように海外からやってきた研究者も働いています。私自身は日本の大学に通っていたので日本語には不自由しませんでしたが、もし日本語を話せないという方であっても、コミュニケーションに困ることはないと思います。日本人の研究者の方々も、英語を話すことができますから。私も普段は、英語と日本語を適宜使い分けながら会社の方々とコミュニケーションをとっています。また、NECでは海外から入社した研究者の方々へのサポートが充実しています。たとえば、希望者には日本語教育の授業を提供してくれるという制度があります。講師がマンツーマンで日本語を教えてくれるので、日本での生活に不安を感じることもないと思いますよ。
あと、日本の企業というと夜遅くまで働かなければならないイメージもあるかと思いますが(笑) NECでは、そんな心配はしなくて大丈夫です。ワークライフバランスをとても大切にしてくれているので、残業に追われるようなことはありません。
私自身は、NECに入ってすごく良かったと感じています。上司や先輩、同僚にも恵まれて、非常に良い研究生活を送ることができています。あとは、私自身がどう社会に還元できる技術を開発していくかですね。実際にアプリケーションとしてアウトプットし、世の中に役立つ技術をこれからも研究していきたいです。生まれ故郷のタイにも役立つような世界的なソリューションを開発できたら嬉しいですね。