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学生のみなさんへ2018インタビュー:董 婷婷

2018.2.2

董 婷婷

学会活動と企業での研究を両立

バイオメトリクス研究所
董 婷婷(とう ていてい)

学生時代からデータベース研究に取り組み、2016年にNECへ入社。現在はマルチメディアデータベースの研究に取り組みながら、論文発表や国際学会での発表も精力的に続けている。また、NEC登山部に所属し、趣味の山登りも積極的に楽しんでいる。

世界のトップを走りつづけるNECのマルチメディアデータベース研究

私が所属するチームでは、映像検索技術とデータベース技術を融合させたマルチメディアデータベースの研究を進めています。マルチメディアを検索対象としたデータベースは、NECが切り拓いてきた新しい研究テーマです。NECが得意とする顔認証などの画像認識技術や機械学習技術を活かして、映像や画像などのメディアから情報をスピーディに検索できる技術を世界に先駆けて開発してきました。「時空間データ横断プロファイリング」という技術も、私たちのチームが生んだ成果の一つです。
この技術では、大量の映像から特定のパターンで出現する対象を高速に検索することが可能です。たとえば事件の犯人を映像から検索しようとするとき、普通なら犯人の顔がわからなければ検出することができませんよね。しかし、この技術を使えば大量の映像データから人物の行動パターンを分析し、平常な行動パターンとは異なる不審な行動をとる人物を検出することができます。実際に、2016年に金融機関と共同で行った実証実験では、ATMから不正な出金を重ねる「出し子」を検出することに成功しました。
私も最近ではこの技術を派生させて、既に先輩によって確立されていた顔認証の情報だけでなく、服の色や性別、年齢など複数の特徴量から映像検索ができるように拡張させた技術を開発しました。この技術が活用できるシーンは、犯罪捜査だけではありません。たとえば、ショッピングモールに設置された防犯カメラの映像から「女性」「20代」などで検索すれば、いま若い女性のあいだでどのようなファッションが流行しているかというマーケティング活動にも応用することができます。この検索技術は、先日展示会での発表も終えることができたので、いまは製品化へ向けて取り組んでいるところです。

国際学会への積極的な参加や論文発表も継続できる環境

私はもともと博士課程に進みアカデミアの世界で研究を進めていましたが、当時からNECの研究者には国際学会でも活躍されている方が多いと感じていました。実際、いま私の先輩となっている劉さんも、私が参加していた学会で非常に有名な方で、はじめは学会で知り合ったんです。劉さんは学会でも精力的に活動されていて、いろいろな研究者や学生と議論して研究領域や人脈・ネットワークを広げたり、共同研究にも積極的に取り組んだりしていました。私もその姿を見習って、いまでも学会ではさまざまな先生や学生と積極的にコミュニケーションをとっています。そのおかげもあって、先日参加した学会ではアイルランドの大学の先生が私の研究に興味をもってくだり、共同研究を進めようというお話をいただきました。
また、2016年10月には、縁あってスタンフォード大学で講演をするという経験もさせていただきました。自分一人での講演は初めてだったのでとても緊張しましたが(笑)、私とチームが取り組んでいる研究をお話した結果、とても実用性が高くて面白いという評価をいただきました。
このように、実は私はアカデミアの時代と変わらず論文発表をしたり学会に参加したりしながら研究を続けられています。これはNECで研究する一つのメリットだと思っています。正直言うと、入社前は企業での研究ということに不安を感じていたんです。でも実際に入ってみると、分からないことは先輩たちが丁寧にサポートしてくれますし、学会にも変わらず参加できるんです。さらに、アカデミア時代は自分の研究した技術が論文として発表されたらそれで終わりでしたが、企業の研究では論文発表後にも製品や事業となってユーザーに使われていく喜びがあります。確かにコストやビジネスのことは考えなければいけませんが、それも含めて、いまはアカデミア時代よりも充実した研究ができていると感じています。研究技術が完成したら、ホームページに載ったり、メディアで広く報道されたりするのも満足感のあるポイントですね(笑)

多様な人材に囲まれて、世界トップの研究者をめざす

NECの研究所は、研究者にとって本当に良い環境だと思います。まず、会社の規模が大きくて、さまざまな分野の研究者がいるというのは、実はとても貴重なことなんです。人数が多いぶん自分の研究テーマと近い方が多くて相談していくことができますし、逆に自分がよく知らない分野の技術が必要になったときには、同じ会社にいるその分野の研究者と気軽に協力していくことができます。私が取り組んだ映像検索技術の研究も、NECが取り組んできた顔認証技術やAI技術群の研究者のご協力がなければ、うまくいかなかったと思っています。すぐ近くに、あらゆる研究分野の第一人者がいて協力できるという環境は、とても恵まれていますよね。
また、研究所のグローバル化も進んでいて、私のような中国出身の方やインド、ブラジル、タイ、ドイツなど、たくさんの国々から研究者が集まっています。社内での会話は日本語が中心となっていますが、研究者の方々はみんな英語を話すことができるので、英語でコミュニケーションをとることもあります。国際学会で活躍される研究者の方々も多いので、日本という枠にとらわれない環境になっているのも魅力ですね。私もマルチメディアデータベースの研究者としてどんどん成果を出して、NECだけでも、日本だけでもなく、この分野だったら世界中で名前を知らない人がいないというほどの研究者をめざして活躍してきたいと思っています。