研究所のグローバル人材 – スマン スウィティ

2019年1月7日

スマン スウィティ
リサーチャー
システムプラットフォーム研究所

日本での生活

― 日本で生活・就業してみて、いかがですか?(暮らしぶりや通勤、日本でのお気に入りの食べ物などについて話してください。)

ここで仕事を始めてから、たくさんのことを学びました。インドと日本では、仕事に関する文化がまるで違いますので、私にとって新しい学びの経験になりました。会社近くの寮に住んでいるため、通勤は楽です。日本での生活は、とても便利です。ただ、食べ物だけは、ベジタリアンなので問題があります。日本ではベジタリアン向けの食事を探すのが大変です。日本に来る前から、日本に対して非常に良い印象を抱いていました。日本の仕事文化を体験し、国として日本がどのように成長してきたのかを知りたいと思いました。仕事をする動機や、生活様式に興味がありました。

― すると、自分の食事は自分で作っているということですか?

はい、毎日料理をして、自分の食事を作ります。平日は、夜の間に料理を作っておいて、翌日会社にお弁当として持っていきます。でも、ときどき料理することに飽きてきて、外食します。

― 日本での暮らしでもっとも気に入っていることは何ですか?理由も教えてください。

日本の人は、とても謙虚です。日本に来て2日目に、冷蔵庫を買いに友人たちと中古品店に行こうとしました。でもその店を見つけることができず、英語と日本語のまぜこぜで、ある男性にその店への行き方を尋ねました。でも、彼が連れていってくれたのは、すでに訪れていた店でした。そのため、近くに同じような店はないか聞こうとしましたが、聞き方が分かりませんでした。すると、その男性は、電車の駅に私たちを連れていって、周辺地図を見せながら、近くにある冷蔵庫を売っている店を全部教えてくれたのです。このような親切な人に、ほかの国では出会ったことがありません。日本の人は、とても辛抱強く、親切です。私が日本でもう一つ好きなものは、美しい自然です。日本は技術的に進んだ国ではありますが、自然の美観を保ってきました。この都会でも、自然を取り入れています。日本はまた、非常に清潔です。日本の人々は、ごみを散らかさないように教え込まれています。近くにゴミ箱がなかったらゴミを持ち歩きますが、このような態度は驚くべきものです。個人的には、私はきれい好きなので、日本がとても清潔な国と知って目を見張りました。日本人は創造力に富み、革新的でもあります。既成概念にとらわれずに、より良いデザインを考えたり、物を制作したりすることができます。「ダイソー」に行ったとき、バースデーカードを見ましたが、今まで見たカードと全く違っていました。あのような物が私に作れるとは思えません。私も創造力を働かせようと思い、折り紙を折ったりしています。

― ここでの生活で、何かマイナス体験はありましたか?例えば、何かの障害にぶつかるようなことはありましたか?何か心配事や不安になるようなことはありますか?

今のところ、ベジタリアン向けの食事を見つけること以外に障害と言えるようなものはありません。

― 日本語以外の言語で分かるものはありますか?あるとすれば何語ですか?それらの言語を使うのはどのようなときで、どれぐらいの頻度で使いますか?

インドには地域言語があります。でも私の出身地域では、ヒンディー語しか話しません。そのため、私が分かるのは英語とヒンディー語と、多少の日本語だけです。日本語が上達するように、終業後に日本語のレッスンを受けています。今までのところ、とても役に立っています。マンツーマンのレッスンなので、とても身に付きます。私は日常的にヒンディー語と日本語を話しますが、英語はあまり話しません。私の上司は、私に対して英語で話しかけますが、私が日本語を勉強していることを知っているので、日本語の単語やフレーズを織り交ぜて話してくれます。レッスンでは丁寧な話し方を学びますが、日常会話では普通の言葉遣いをします。なので、日本語で話しかけられると、ときどき分かりにくいときがあります。

NECでの仕事

― あなたの業務で難しいと感じていることは何ですか?

忍耐強くあることです。現実的なシナリオから課題を取り出し、ソリューションを創出することは、数時間でできることではありません。研究は、開発作業とは大きく異なります。最終目標を達成するための、決まった方法があるわけではありません。そのため、この仕事には多大な忍耐力が必要です。私は自分に、忍耐強くあれ、と言い聞かせています。一日中論文を読んだ後でも、得た情報が十分でないと気づいて、さらに論文を探し出して読まなければいけないことがあります。

― この仕事で個人的にもっとも満足感が得られることは何ですか?

どのような技術であれ、ソリューションであれ、私が取り組んだ仕事により、その大小にかかわらず、誰かの役に立つということです。今まで、この世界は多くのものを私に与えて、今ここにいる私を形作ってくれたと私は信じています。今こそ、私が学んだ知識を生かして社会に貢献できると思っています。

― あなたの同僚はどのような人たちですか?上司と一緒に仕事をしてどうですか?どのようなことで手助けをしてくれましたか?(仕事の面、健康・生活面など)

部長も上司も、よく助けてくれました。いつも、ここでの暮らしで不自由はないか尋ねてくれます。私を気にかけてくれる人がここにいることを嬉しく思います。私に日本語で話しかけて日本語が上達するように手助けしてくれるのですが、私は「難しいです」と日本語で返事してしまいます。私の上司は、アドバイスもよくしてくれます。インフルエンザにかかったときのことを話してくれたのですが、そのときに、どこで薬を手に入れたらいいか、医者へのかかり方、あとはこのことを会社に伝える方法なども教えてくれました。私のチームの同僚は、ほとんどが日本語で会話をするので、あまり話す機会はありません。でも、チームの先輩が英語を話せるので、非常に助かりました。何か問題に出くわしたら、出来得る限りこの先輩が助けてくれます。ある時は、グループ会議で、研究問題についてメモ帳にしか書いていなかった私の代わりにプレゼンテーションのスライドを作ってくれました。

技能や個人的特質について

― あなたの仕事や仕事分野で役に立ったと思う技能や個人的特質はありますか?どのように役に立ちましたか?

根気です。新しいことを学ぼうとする向学心と、達成しようとする情熱を持っていることです。一人で研究できることも重要です。自分で自分の最終目標を設定して、そこまでの道程を築きます。その道のりには、導いてくれるものもありますが、ほとんどが自分だけの作業です。研究に情熱を持って取り組める人は、ぜひ来てください。

職務上求められる要件について

― NECに入社するにあたって日本語能力は必須だと思いますか?

はい、そう思います。私のチームでは、外国人は私一人なので、コミュニケーションに支障がある場合があります。文書も日本語で書かれているものもありますし、これらは読むのが難しく、また、翻訳ソフトもそれほど正確ではありません。決定的に必要というわけではないですが、日常生活でも非常に役に立つことなので、ここに来る前に日本語を学んでおくといいと思います。

個人の成長について

― NECに入社して以来、人として職業人としてどのような成長を遂げられましたか?何か重要なポイントはありますか?

ここで仕事を始めてから、一人でできることが増えました。今は一人暮らしなので、自分で責任を持ってしなければいけないことがたくさんあります。

― あなたの仕事は主に個人作業ですか、それともほとんどグループやチームでの作業ですか?また、それはチームワークを培うのに役に立ちましたか?

大学生の頃は、グループワークが主でした。ここで働き始めてから、一人で作業することが増えました。

― 会社は、社員の個人的な成長や専門性の向上を促す取り組みを行っていますか?

私が受けている日本語レッスンのほかには、新入社員のために英語で行われる研修がありました。この研修では、状況の分類について話し合ったり、個人的・職業的な場面においてこれらの状況を打開するための方法を考えたりしました。

その他

― 自国のテクノロジー関係の企業と比べて、NECはどう違いますか?NECを選ばれた理由は何ですか?

インドの大手テクノロジー関連会社と比較してですが、インドでは多くが開発主体の企業です。NECは、これらの企業とは異なる領域にあります。インドの企業にも研究開発はありますが、主にソフトウェア開発やハードウェア製造を行っています。一方で、NECでは私は博士課程にいるような感じで働くことができ、興味のある分野を追求することができます。もちろん、求められていることや達成すべき目的はありますが、研究に対する柔軟な姿勢と自由さもあります。

― 将来へ向けての計画はありますか?どのようなキャリア目標を持っていますか?

40歳までに自分の会社を立ち上げる夢があります。社会と直接対話して、解決すべき問題を特定したいと考えています。将来的には技術を使って、貧困ラインのような日常的な問題を解決したいと思っています。技術的進歩によって、富裕層がより裕福になり、貧困生活を送る者たちはむしろ救われていないように感じます。そのため、貧困層に目を向けて支援していきたいと思っています。

― NECで働くことは、その達成に役立っていますか?どのように役に立っていますか?

さまざまな背景や考え方を持った人とのコミュニケーションの取り方を学びました。将来的には、自分の会社を設立するとなれば、多様な物の見方をする人たちとコミュニケーションを取って、彼らの観点を理解する必要があります。

― あなたに刺激を与えてくれる人は誰ですか?そしてそれはなぜですか?

子供たちです。子供は常に質問してきます。子供には、なぜ物事がそうであるのかを知りたいという願望があります。子供の脳は学習段階にあり、子供のそのようなところに憧れます。私たちは、もっと子供のようにならなければならないと感じます。物事がどうしてそうなるのか、常に問い続ける必要があると。年を取るにつれて、人生の波にもまれ、新しいことを学びたいというこの願望を抑制しているのかもしれません。子供が転ぶと、泣きながらもまた立ち上がります。しかし私たちが失敗を経験すると、やる気を失って挫折に捕らわれ、自分の進むべき道ではないのかもしれないと思い始めます。だから、子供のような気の持ちようを会得すべきだと思います。転んでも、もう一度挑戦する精神です。