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研究所のグローバル人材 – カンデルワル カニシュク

2019年1月7日

カンデルワル カニシュク
リサーチャー
データサイエンス研究所

日本での生活

― 日本で生活・就業してみて、いかがですか?

日本での生活は、良好です。私は会社の近くにある外国人研究者向けの寮に住んでいます。毎日20分徒歩で通勤しているので、地下鉄に乗る必要がありません。地下鉄はピーク時にはかなり混み合うので、これには助かっています。NECでは言語教育も行っているので、これも助かります。

― 来日される前に日本語は学習していましたか?

日本に来る前に、6週間インドでレッスンを受けていました。その時に基礎日本語会話を学びました。

― 来日された時、学習した日本語の会話は十分でしたか?日本語の勉強は来日してからも続けられましたか?

幸運なことに、私が一緒に仕事をしている皆さんは英語ができます。なので、今は特に日本語の勉強をしていません。

― 日本食で好きなものはありますか?

ラーメンです。

― 日本での暮らしでもっとも気に入っていることは何ですか?理由も教えてください。

ここでの生活は、インドでの生活に比べて穏やかです。インドではいつも大勢の人が集まっていて、人々は大声で話します。日本でもときどき混み合う場所はありますが、皆さん、思い思いに自分のことに集中しています。駅や電車などの公共の場所では、ほとんどの人が静かにしています。また、日本人はとても礼儀正しいです。

― インドのどこから来られましたか?

私は中央インドから来ました。ムンバイから600キロほど離れたところです。学生時代はムンバイにあるインド工科大学ボンベイ校で学びました。

― ここでの生活で、何かマイナス体験はありましたか?例えば、何かの障害にぶつかるようなことはありましたか?

一般的には、言葉の壁でしょうか。多くの言葉が漢字で書かれているので、読むのに苦労します。また、私にとっては食事も困難なときがありますね。私は菜食主義者なので、出かけたときなど、ベジタリアン向けの食事を出してくれるところを探すのに苦労することがあります。仕事のある日は、朝食と夕食は自宅で作りますが、昼食は社員食堂でとります。外食する際に必須の日本語を覚えましたよ。ベジタリアン向けではないレストランで注文するときに、「野菜だけ」と日本語で伝えます。

― 英語と日本語以外の言語で分かるものはありますか?あるとすれば何語ですか?それらの言語を使うのはどのようなときで、どれぐらいの頻度で使いますか?

英語と日本語以外では、ヒンディー語とマラーティー語も分かります。ヒンディー語は母国語で、インドで広く使われています。ヒンディー語は、日常的に、インド人の同僚と話すときに使います。マラーティー語というのは、マハラシュトラ州の地域言語です。マラーティー語を話す友人たちとしか使いません。ただ、私はマラーティー語がそれほど上手ではないため、友人たちと話すことで学ぼうとしています。NECの同僚とは、毎日英語でコミュニケーションを取っています。それから、必要なときには少々の日本語ですね。

NECでの仕事

― あなたの業務で難しいと感じていることは何ですか?

研究そのものが、相当難しいものです。同様の分野で研究を行っている人がほかにも大勢いて、研究者としてこれらの人々と競い合っています。自分の業績は、どれだけ多くの論文を発表して、特許を申請しているかによります。私にとって、もう一つ困難なことは言葉の問題です。会議はたいてい日本語で行われるので、理解するのが難しいです。

― この仕事で個人的にもっとも満足感が得られることは何ですか?

研究フィールドが割と穏やかです。自分のペースで研究ができる余地があること、それから自分の興味のある分野の研究ができるところが気に入っています。また、研究によって育まれる連携もあり、素晴らしいと思います。

― あなたの同僚はどのような人たちですか?上司と一緒に仕事をしてどうですか?どのようなことで手助けをしてくれましたか?

私の同僚と上司は、私をとてもよく受け入れてくれています。チーム内で外国人は私だけですが、蚊帳の外に置かれているように感じることはありません。私とは常に英語で話すようにしてくれているからです。
チームのみんなとはうまくコミュニケーションを取れていると思いますし、それを居心地よく感じます。日本語表示のNECシステムを使う際には、毎日のように手を貸してくれます。それ以外にも、東京でお勧めの場所などもよく教えてくれます。

技能や個人的特質について

― この仕事や分野で役に立ったと思う技能や個人的特質はありますか?どのように役に立ちましたか?

クリティカルシンキング、意志の強さ、それから忍耐力は、この分野で活動するのに役に立つ性質ですね。何を、どのように研究したらよいかを知っている必要がありますし、大量の文書から重要な情報だけを抽出することもできなければなりません。これには多くの時間と忍耐を要します。

職務上求められる要件について

― NECに入社するにあたって日本語能力は必須だと思いますか?(言葉の壁)

日本語の基礎知識は必要でしょうね。でも日本に来る前の時点ではそれで十分です。今、私の日本語はあまり上達していません。あまり使っていませんから。私たちはたいていインド料理店に行きますから、日本語を話す必要がありません。

― どのような人材に研究チームへの参加を勧めますか?(例として、研究やICTに情熱を持って取り組める人や、充実した職務経験を求めている人など)

私の役割はかなり難しいものです。まだ参加して6か月なのに、現在3つのプロジェクトに取り組んでいます。なので、この分野に熱意を持っている人がいいですね。このような仕事をしたいという決意が必要です。

個人の成長について

― NECに入社して以来、人として職業人としてどのような成長を遂げられましたか?何か重要なポイントはありますか?

かなりの変化がありました。大学では、もっとゆったりとした環境でした。でも仕事となると違います。週一で報告書を提出しなければいけないし、成果を出すには自律して期限やスケジュールを守らなければなりません。また、自分の見せ方も変わりました。今では、私は以前とはずいぶん変わったと周りの人に言われます。大学にいた頃は、もっと遊び好きでしたが、職業人としての道を進んでいる今では、もっと真面目にやらなければなりません。大学では友人たちとふざけ合ったりして、自分のことをする時間がありました。

― あなたの仕事は主に個人作業ですか、それともほとんどグループやチームでの作業ですか?また、それはチームワークを培うのに役に立ちましたか?

今のところ、主に一人で作業を行っています。しかし、同じ問題でも多様な視点を得るために、いろいろな人の考えを聞けるほうが良いため、チームで働きたいと思っています。研究では、何かの問題で引っかかっているときに、これが非常に重要で必要なことです。解決策を生み出すには、外部から別の観点を取り入れるのがいいと思っています。私たちのプロジェクトは、統計数理研究所(ISM)から来ている先生と協働して進めていくもので、先生から指導を受けて行っています。

その他

― インドのほかのテクノロジー関係の企業と比べて、NECはどう違いますか?NECを選ばれた理由は何ですか?

私見では、インド企業が私たちに求める役割は、あまりやりがいのあるものではありません。インド企業が行っているのは、開発寄りの活動であり、研究ではありません。

― 将来へ向けての計画はありますか?どのようなキャリア目標を持っていますか?

自分の事業を始めたいと思っています。でも今はまだ若すぎるとも感じています。業界での経験が必要です。35歳ぐらいになれば、起業について具体的に考え始められるかもしれません。私は事業者の家系です。私の父は、製造業の会社を経営しています。私の兄も、自分で事業を立ち上げました。

― 起業に対する家族からのプレッシャーはありますか?今はICTに関わっていても、将来的には起業してほしいとか?

私の父は、もう30年も事業をしていますので、私に就職して経験を得、世界がどのように回っているかを理解するように、とアドバイスしてくれました。父は、関係を構築する方法や、会社がどのように機能するのかを学んでくるように言いました。これらの知識は、10年ほどその業種で働いてはじめて得られるものです。自分の事業を立ち上げるなら、当然顧客がいるので、会社と顧客の関係を理解することは不可欠と言えます。短期的な目標は、世界がどのように動いているのかを知ることです。今はIT分野について学んでいますが、将来的には、これに加えて経済や金融分野についても学びたいと思っています。修士課程ではマイクロエレクトロニクスを学びましたし、学士課程は電子工学で、副専攻はコンピュータサイエンスでした。

― どの業界で起業することを考えていますか?

現時点では、AI分野の研究を行っているので、私の考えの及ぶ範囲は少し狭いと思っています。私は常に新しい問題や、まだ探求されていない領域について考えています。つまり、AIを適用してソリューションを提供できる分野です。例えば、農業なんかは割と新しいですね。ここ何年かの間、多くの企業がIoTやAIを農業に導入して食糧生産を向上させてきました。まだまだ探求すべき分野はありますので、どの業界で事業を立ち上げるかを言うには時期尚早です。

― NECで働くことは、その達成に役立っていますか?どのように役に立っていますか?

まだ6か月しか経っていないので、まだ自分が成長するためにできることはたくさんあります。でも、就職して以来多くのことを学びましたので、短期的な学習効果は非常に高かったと思います。大学では、3年目、4年目にはすでに課程を修了していたため、あまり学ぶことがありませんでした。そのため、最後の18か月(1年半)は非常にゆったりしたものでした。主には、研究を行っていました。

― ゼロから会社を立ち上げるとしたら、どのような価値を基に事業を始めますか?

社員には、日本人のような職業上の倫理観を持ってほしいですね。日本人は仕事に価値を見出しているので、自分のやっていることに情熱を持っている人を雇いたいです。これだけは、会社を立ち上げたり、人を雇ったりする前に考えていることですね。それ以外では、顧客を大事にしたいです。立ち上げる会社にもよりますけど、例えば製品に関する会社なのか、それともサービス関連会社なのか。お客様は王様のようなものなので、もちろん大事にします。

― もし目を閉じて、再び目を開けたときに世界のどこでも望む場所にいれるなら、どこに行きますか?

私は滝を見に行くのが好きです。だから、ナイアガラの滝がいいです。でも、マチュピチュやペルーなど、訪れてみたい場所はほかにもたくさんあります。エベレスト山頂もいいですね。5秒間だけそこにいて、どんな感じか味わってから、戻ってくる。

― これまでに15か国に旅行したことがあるそうですね。どこの国ですか?

アラブ首長国連邦、トルコ、ベトナム、日本、インド、キルギスタン、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、チェコ共和国などです。

― 旅行をする時間は、どのようにして作ったのですか?

大学のときに、夏季交換留学でトルコに、インターンシップでドバイ、夏季インターンシップでパリに行きました。そのため、その近隣国を訪れる時間は十分にありました。昨年の正月にはベトナムに行きました。今年の6月は、ロシアに行きます。今年のワールドカップはロシアで開催されますので、試合を見に行くつもりです。先ほども言いましたが、ヨーロッパのサッカーをいつも見ているのと、旅行好きなので、一石二鳥です。ロナウドが大好きなので、ワールドカップではポルトガルを応援します。サッカーチームとしては、レアルマドリードをサポートしています。