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担当役員メッセージ

社会価値を生み出すサプライチェーン・コラボレーション

執行役員 CSCO
清水 茂樹

2018年、当社は設立より119年を迎えます。
設立当初よりベタープロダクツ、ベターサービスを掲げ、さまざまなICT製品やサービスを生み出してきました。その後、70年代のC&C宣言に象徴される通信とコンピューターの融合を旗印に、ICTをリードする企業に成長しました。
現在ではICT技術を活用した社会価値創造型企業へと変革(トランスフォーメーション)を推進しています。

当社の考える社会価値創造は、IoT技術と通信インフラにより実世界の出来事をデジタル化し、そのデータを見える化すること、AI技術によりこれら大量のデータを分析し、ヒト・モノ・コトに新たな意味性を付加することで深い知識や知恵を共有すること、そしてその結果に基づき対処を実世界に戻すこと。当社はこの3つのステップにより、新たな価値を生み、よりよい社会の実現に貢献してまいります。 

こうした一連の価値創造の流れを実現するため、当社には各業種向け端末等の身近なデバイスから、サーバーやHPC、ストレージ等エッジ、クラウドのレイヤーで利用される製品、またこれらのレイヤー間の通信を実現する装置やソフトウェア等、多くの製品群があります。

【パートナーの皆さま、お客さまと共に社会価値を創る】

製品事業が主力だった時代には、当社が仕様を作成し、実現に必要な部品をパートナーの皆さまから購入し、あるいは開発の一部をパートナーの皆さまに委託し、自社の工場で生産した製品をお客さまに納める、といった流れが典型的な価値提供のあり方でした。言わば受注や発注、納入等の流れを表す矢印が3者の間に存在する関係と言えます。

この関係性に変化をもたらす事業環境の中でも、とりわけ次の3点の影響が大きいと考えています。

まず1つ目はESG(EnvironmentSocialGovernance)です。企業が長期的に成長するためには、財務情報で表される状況だけではなく、ESG3つの観点が必要という考え方が投資家の間で急速に広まっています。サステナビリティの概念が普及する中、サプライチェーンの実務に携わる者として、ESGを意識した経営が利益や価値の向上に繋がるということを日々実感しています。

2つ目は量、スキルの両面からの労働力不足です。特に日本では、既に様々なサービスの内容や価格の見直しという形で影響が出始めていますし、またAIなど成長領域で高いスキルを持つ人材の獲得は争奪戦の様相すら帯びています。若年人口が多いといわれていたアジア各国でも、国によっては早晩人口オーナス期に入ると見込まれており、日本と同様の課題に直面すると見ています。

3つ目は破壊的イノベーションです。AIなどの技術の急速な発展はもとより、エンドユーザーのニーズの多様化、シェアリング等製品・サービスの使い方の意識変化も相まって、これまでの延長線上には無い破壊的イノベーションが、業種を超えて、また国境を超えて起こっています。

こうした環境の下、従来と同様のビジネスの進め方では、スピード感の点で立ち行かなくなってきました。そこでパートナーの皆さま、当社、そしてお客さまも含めた3者がより緊密に連携することにより、ビジネスのスピードを上げ、タイムリーに価値を生み出し改善を続ける、そうした関係性を構築することが必須と考えています。 

 このような認識を踏まえて、パートナーの皆さまへの期待を3点お伝えします。

【パートナーのみなさまへの期待】

1.統合サプライチェーンの実現

 価値を創造し、お客さまや社会に提供するためには、パートナーの皆さまから提供いただく製品・サービスのQCDの継続的な改善と安定供給が不可欠です。そのためには、サプライチェーンの透明度を上げることが必須と考えています。

例えば、部品が逼迫状況にある際には、パートナー様と当社の間で多くのやり取りが発生します。相互の取り組みによってこのやり取りの透明度を上げることができれば、よりスムーズなやり取りが可能となり、お客さまへの価値、すなわちQCDを素早く改善していくことができます。

またBCPの観点では、当社では地震やパンデミックが発生した際のアクションの基準を設定し、万一の場合には必要なアクションをタイムリーに取れるようプロセスを構築中です。その時々の状況をパートナーの皆さまと共有する仕組みにより、早期復旧や影響度を最低限に抑える強いサプライチェーンを実現していきたいと考えています。

当社ではこうしたサプライチェーン上のプロセスや情報を見える化し、進捗や課題を関係者で共有するための基盤を現在準備中です。パートナーの皆さまにおかれましても、この基盤を活用した更なる連携をお願いします。 

2.環境課題への取り組み

2点目は、前述のESGの中でも、E(環境)に関する取り組みです。ご承知の通り、2015年のパリ協定で気候変動への対応のため世界的な枠組みと目標、フォロー体制が定められ、また同年国連によるSDGsSustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択され、気候変動に関わる目標が多く定められるなど、低炭素あるいは脱炭素の動きが世界的に加速しています。

当社でも、サプライチェーンからのCO2排出量削減に向け、2050年に自社の事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロにする目標を設定し、発表いたしました。この実現に向けて、パートナーの皆さまのご協力によって、サプライチェーン全体で取り組むことが不可欠と考えています。

 3.共創(コラボレーション)の加速

3つ目は共創の加速です。当社ではお客さま、社会の課題を解決するため、さまざまな場やプログラムを用意しております。

伝統的な共同VEはもちろんのこと、モビリティやIoTなどのニーズが高い分野におけるソフトウェアの開発協業が重要なテーマです。

一方、例えば小売店の将来像を具体化したコンセプトルーム(Future Store)を開設し、お客さまとトライアルを実行したり、NECプラットフォームズでは製品のコンセプト作りから製品化までトータルプロセスをサポートするスタートアップラボを展開しています。これまでは主に社内向けでしたが、パートナーの皆さまにもご活用いただく機会を作ってまいります。

また当社のエンタープライズビジネスユニットが運営しております「ものづくり共創プログラム」は、2012年からスタートし、現在1,134社の加盟会社、4,076名の研究メンバの方々にご参加頂いております。当社が培ったノウハウを活用しながら、つながる製品、つながる工場、デジタル化の観点で連携を深めることで製造業の発展に貢献してまいります。

また、先に申し上げたように労働力人口が減る中、従来の働き方を続けることは成長の阻害要因、すなわち社会課題と言っても過言ではありません。当社でも、自らのICT技術を活用しながら、働き方改革を実行しております。この経験を踏まえて、皆さまにもご提供できるサービスメニューを豊富に用意しております。多くの人に多様な働き方が可能な場を提供することも、共創の一つの形と考えています。

これらの場をより良いものにしていくためは、当社グループの日々の努力はもちろんのことではありますが、パートナーの皆さまの厳しくもあたたかいフィードバックが欠かせません。是非これらの場に参画いただき、皆さまと共にお客さま、社会への提供価値の最大化を加速してまいりたいと思います。

【調達からサプライチェーン・コラボレーションへ】

これまでの調達機能は、調達に関するオペレーション業務と、部材や装置、開発リソース等のソーシングが主要な業務でした。ごうした「売り」と「買い」の関係性に加え、今後は皆さまとの情報連携を密にして、価値を生み出すことを強く意識した活動、サプライチェーン・コラボレーションを強化してまいります。

当社は2014年、「\Orchestrating a brighter world」のブランドメッセージを発表し、7つの価値創造テーマを設定しました。これらの課題を解決するためには、お客さま、パートナーの皆さま、当社が一体となり、スピード感を持った「サプライチェーン・コラボレーション」の重要性が一層高まると考えています。

今後とも、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます。

(2018年4月)