Loading...

7つの社会価値創造テーマ
Safer Cities
& Public Services

安全・安心な都市・行政基盤

人口の集中やグローバル化が進む都市では、サイバーとフィジカルが融合した脅威が増し、安全・安心へのニーズが高まります。NECは、市民や産・官・学と共に、ICTを活用した安全・安心な都市・行政基盤を実現し、地域の魅力を発揮できるサステナブルな都市経営に貢献します。

NECが考える10年先に向けた
<安全・安心な都市・行政基盤>

データ利活用型スマートシティを実現し、サステナブルな都市経営に貢献する

社会背景

パーソナルデータが市民の手に取り戻されて、情報銀行などを通じた利活用が進み、データ利活用型スマートシティが実現します。一方でサイバー世界と実世界の境目はなくなり、その両面からリスクを考える必要があります。

NECの取り組み

官庁や自治体、民間企業を超えたデータ流通や活用の仕組みを主体的に提供します。また、世界No.1(※1)の顔認証技術などを活用し、サイバーとフィジカル両面でのセキュリティを実現します。

※1 世界的権威のある米国国立標準技術研究所(NIST)による初の動画顔認証の評価プログラムにおいて最高評価を獲得。静止画に続いて4回連続の世界第1位評価獲得。

NECが目指す未来

ICTを活用して官庁や自治体、民間企業に安全・安心な都市・行政基盤を提供し、サステナブルな「都市経営」に貢献します。

データ利活用型スマートシティの実現に向けて

市民がインターネットを経由した購買や検索、SNSでのコミュニケーションを行うようになり、パーソナルデータは巨大なプラットフォーム企業に一方的に収集されてきました。しかし現在、その流れを見直し、パーソナルデータを市民の手に取り戻そうという動きが生まれてきています。EUでは一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)が制定され、パーソナルデータについて、所有する本人の基本的権利を保護する考え方が強く打ち出されました。日本でも独占禁止法の適用などパーソナルデータを市民に取り戻すための新制度の検討が進んでいます。

取り戻したパーソナルデータを市民が企業に提供する場合、企業は情報銀行やデータ取引市場の仕組みを利用して安全な運用を保障し、サービスや製品などの対価を市民へ還元します。ヘルスケアや観光などの産業だけではなく、マイナンバー制度の活用も含め、官庁や自治体、民間企業でこうした対応が一般化していきます。市民もデータのセキュリティと使用制限を担保している企業をデータ提供先として選択し、パーソナルデータを主体的に管理、活用していく必要があります。
行政が公開している公共データや、IoTによって取得された個人情報を含まないデータ、匿名化されたデータに加え、個人情報を含む統合されたパーソナルデータがAIによって分析され、サービスに活かされていく「データ利活用型スマートシティ」が実現するでしょう。

日本ではマイナンバー制度は始まったばかりですが、欧州や中南米では個人IDの利用は広く普及していて、免許証や保険証の代わりに個人IDを利用するなど、多数の活用事例があります。安全かつ利便性の高いパーソナルデータの取り扱いを可能にするVRM(ベンダーリレーションシップマネジメント)や、VRMを実現するためのPDS(パーソナルデータストア)は、すでに日本でも一部の産業で実証事業が開始されるなど、今後この動きは加速し、10年後には日本でも広く浸透しているでしょう。

パーソナルデータを守るセキュリティ

情報銀行やデータ取引市場で扱われるパーソナルデータには個人情報が含まれています。
ICTの進展に伴いサイバー世界と実世界(フィジカルな世界)の境目はなくなっていきます。サイバー攻撃の高度化は今後もさらに進み、攻撃対象は実世界のさまざまなライフラインに広がって、被害は深刻なものになります。

こうした脅威からデータを守るため、サイバーとフィジカルを連携させたセキュリティ対策が今まで以上に求められるようになります。NECは、世界No.1(※1)の精度を誇る顔認証や指紋認証のほか、掌紋、指静脈、虹彩、耳穴の形状、DNAなど多彩な生体認証技術により個人情報を守ります。
顔認証は、本人に意識させることなく不特定多数の人間をリアルタイムに識別することができ、空港での搭乗手続きなどで利用されます。また、金融取引の厳正化のため、複数の生体情報を使った本人認証が導入されています。

サステナブルな都市経営に向けて

安全・安心な都市・行政基盤づくりへの取り組みは、新興国と先進国で異なります。
新興国では環境や交通基盤の整備と並行して安全な都市づくりを進める必要があります。一方、先進国では社会の持続性に重点を置きながら多くの先進国がこれから直面する人口減少のなかで安全な都市づくりを進めていく必要があります。

NECは、実世界で起きていることを的確に捉えてデジタル上にリアルタイムに構築し、AIを活用して最も優れた選択肢を実世界へフィードバックする「デジタルツイン(Digital Twin)」などを利用して、都市活動全体の見える化を実現します。あわせて官庁や自治体、民間企業を超えたデータ流通や活用の仕組みを主体的に提供することで、官庁や自治体、民間企業などが複数のシミュレーション結果から改善や改革を実行するために、最適な施策を選択することを可能にします。

欧州ではすでに自治体行政を「運営」するのではなく、「経営」するという考え方が定着していますが、日本ではまだ十分浸透していません。先行する欧州での事例経験を持ち、セキュリティ技術に強みを持つNECは、都市全体を俯瞰しながら、官庁や自治体、民間企業をICTで支え、サステナブルな都市経営に貢献していきます。

未来への取り組み 01

リスボン市全体の都市機能を集中管理するスマートシティインフラの構築へ

image1

NECのグループ会社であるNECポルトガル社は、ポルトガルのリスボン市から、市民の生活の質(Quality of Life、以下QOL)の改善と都市のセキュリティ強化を目指した2018年2月稼働予定のスマートシティインフラプロジェクトを受注しました。

リスボン市は、ポルトガルの首都で人口約55万人。
観光都市として有名な同市は、都市の安全性の向上とQOLの改善を目指し、IoT機器で収集した都市環境データや外部機関と都市の複数部門のデータを横断的に統合し、都市全体のデジタルトランスフォーメーションを検討しています。

今回、リスボン市内部にある10システムと外部パートナー(空港、鉄道、交通局、環境関係、エネルギー、警察など)の持つ30システムをNECの「クラウド・シティ・オペレーション・センター」(※1)を活用して統合し、リスボン市全体を俯瞰する「市政サービス統合オペレーションセンター」を構築します。NECのAI・IoT技術を活用して違法駐車車両や不審物の置き去りの検知を行い、リアルタイムに市中の各種データ(気象、地理、空気汚染、交通渋滞など)を収集・分析することにより、速やかな市政サービスの提供を実現していきます。

NECは、AI・IoT技術をはじめとする最新のICT技術を用いたソリューションを提供して、今後も安全・安心な街づくり、スマートシティの実現に貢献し、行政や企業などのデジタルトランスフォーメーションへの歩みを支えていきます。

※1 NECが開発した産業別スマートサービスの状況可視化、データ分析、シミュレーションなどを行うための共通基盤となるシステム。EUで開発・実装された基盤ソフトウェアで、欧州を中心に多数の都市や企業でスマートシティを実現するシステムに活用されている「FIWARE」を活用するなどオープン性を特長に持つ。

未来への取り組み 02

未知のサイバー攻撃をAIで自動検知する「自己学習型システム異常検知技術」

image2

企業や公的機関の情報システムをターゲットとするサイバー攻撃は巧妙化と増大を続けています。標的型攻撃や未知のソフトウェアの脆弱性を突く攻撃などによる情報漏えいリスクが高まっています。

従来のサイバー攻撃対策は既知のウィルスや攻撃手法の情報に基づいて対策するのが主流でした。そのため、いまだ知られていないソフトウェアの脆弱性を突く攻撃や、前例のない未知の攻撃手法に対しては、攻撃の発見・検知がきわめて困難で、検知までに長い期間を要し、外部機関からの通報を受けて初めて攻撃を受けたことが発覚する事例が発生しています。

NECが提供する「自己学習型システム異常検知技術(ASI:Automated Security Intelligence)」は、監視ソフトを使ってPCやサーバの詳細な動作ログを収集し、そのログをAIで機械学習することにより、監視対象システムの平常時の状態を生成、認識します。この平常時の状態と現在のシステム動作の比較を行うことで、未知の攻撃を受けたシステムの異常な状態をリアルタイムに検知し、ネットワークから自動隔離します。
また、この監視システムでは、攻撃プロセスの初期潜入・目的遂行フェーズだけでなく、システム内における感染拡大などの中間フェーズも含めた攻撃プロセスの全体を通して検知します。
そのため、全く新しい攻撃への対策を可能とし、より強固なセキュリティを実現できる革新的な技術となっています。
NECは今後この技術を発電所や工場などの重要インフラ施設に適用するなど、安全・安心な都市経営に貢献していきます。

社会価値創造レポート