カラーマネジメントディスプレイの選び方[基本編]
「Adobe®RGB」か「sRGB」か。カメラに合わせて選びましょう。
コンパクトデジタルカメラは、sRGBというカメラやプリンタ、ディスプレイなど、いろいろな機器で用いられている世界標準の色域で撮影を行います。一方、デジタル一眼レフカメラは、sRGBだけでなくより広い範囲の色を撮影できるAdobe®RGBというプロの世界でよく使われる色域での撮影も行えます。正しい色を表示するためには、撮影した画像の色域に合わせて正確に表示できるディスプレイを選ぶ必要があります。一般的なディスプレイやノートPCでは、正確なsRGBで表示されませんし、Adobe®RGBまで見られるディスプレイはさらに少なくなる上、正確に表示できるものは限られています。
2つの色域に対応するモデルをそれぞれラインアップ
コンパクトデジタルカメラを使っていて、sRGBの色域で十分な人には「sRGB」対応モデル。デジタル一眼レフカメラを使っていて、RAWやAdobe® RGB設定で撮影する人、または将来的に撮影してみたい人は「Adobe® RGB」対応モデルをおすすめします。表示にムラがあると、写真の色補正やレタッチも困難に。
パソコンの操作中に、ディスプレイの明るさや色が部分的に違うと感じたことはありませんか? 液晶パネルは構造上、画面の色ムラや輝度ムラの発生を避けることができません。ただし、ムラを補正する機能を備えたディスプレイであれば、ムラを補正・軽減し、均一な画面表示を実現できます。
画像のムラをなくすムラ補正機能を装備
液晶パネルごとに異なる輝度ムラや色ムラを補正・改善できる「ムラ補正機能(UNIFORMITY)」を搭載。均一な画面表示により、正確な編集作業などが行えます。また、ムラ補正機能は画質設定に関わらず、どのモードでも使え、輝度や色域、白色点を変えても常に最適なムラ補正が働きます。ムラ補正の設定時には、輝度制限などの制限事項はありません。滑らかな色の変化や、暗部の濃淡が分かるディスプレイを。
せっかく高性能なカメラで撮影しても、ディスプレイに再現力が備わっていなければ、写真の真の魅力や細部のニュアンスを表示できません。写真表示の用途が中心であれば、豊かな階調表現は必須条件です。
豊かな階調表現力をカバー
たとえば、RGBの各色に14bitルックアップテーブルを採用した「14bitガンマ補正機能」搭載モデルであれば、4兆3475億色の中から約10億7374万色を選んで表示が可能です。細やかな色の変化や暗部の濃淡も、きわめて滑らかな階調で表示できます。ディスプレイの前面ボタンで細かく調整するのは面倒です。
ディスプレイ前面のボタンでの操作が必要のあるモデルでは、画質調整や設定のたびに時間や手間がかかる場合もあります。
ソフトからかんたんに画質を調整できる
標準添付のソフトウェア「MultiProfiler®」を使えば、画面上でディスプレイの画質設定や変更をかんたんに行うことができます。カラーエミュレーション機能でプリンタとの色合わせをしたり、「2画面表示機能」を使って画像変更前と変更後を同時に確認することも可能です。また、輝度や白色点だけでなく、色域やガンマの設定などもカラーセンサを使わずに行うことができます。
より正確な色調整を行うなら、ハードウェアキャリブレーションを。
いつも正確な色の表示を求めるなら、キャリブレーション(色調整)機能を備えたディスプレイの選択が不可欠です。パソコンから出力可能な色数の中で色調整を行うソフトウェアキャリブレーション(パソコンの出力を調整)に対し、パソコンが出力する色数の制約を受けずにディスプレイ側(ハードウェア)で調整が行える「ハードウェアキャリブレーション」に対応していれば理想的です。
高精度ハードウェアキャリブレーションに対応
全モデルともハードウェアキャリブレーション対応のため、より高精度な色調整が可能です。標準添付のソフトウェア「MultiProfiler®」を使うとカラーセンサなしで輝度や白色点、色域やガンマなどの調整をリアルタイムに画面で見ながら行えます。また、専用キャリブレーション・ソフトウェア「SpectraView® Ⅱ」(オプション)」とNEC製カラーセンサ(オプション)によるハードウェアキャリブレーションも行えます。
カラーマネジメントディスプレイに求められるのは再現力やスペックだけではありません。ストレスなく長時間作業に集中できる快適性や、ユーザーの目線で考えられた使い勝手も、ディスプレイ購入前にぜひ確認しておきたいポイントです。
使いはじめて分かる、便利さ・快適さがしっかり充実
空冷ファンが無いから、静かで作業に集中できます。

「エルゴノミクススタンド」で、長時間の使用もより快適に。

USBハブ機能で、Mac+PC(Windows)の接続・使い分けが可能です。

遮光フード(オプション)を装着して、画面への映り込みを防止。
