基地局間協調ビームフォーミングを用いた干渉低減による複数移動局への5G無線通信を実現
~デジタル信号処理によるビーム制御を活用した干渉低減~
2018年5月23日
株式会社NTTドコモ
日本電気株式会社
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と日本電気株式会社(以下、NEC)は、第5世代移動通信方式(以下、5G)において、4.5GHz帯の周波数を用いて、同一エリア内の2台の基地局間での基地局間協調ビームフォーミングによる複数移動局との5G無線通信を世界で初めて※1達成しました。
本実験は、信号処理装置および多素子アンテナで構成される基地局2台の間で協調したビームフォーミングをデジタル信号処理により実現し、8台のユーザ(移動局)と同時通信する実験を、2018年5月9日(水)~5月11日(金)に神奈川県川崎市で実施しました。
今回の実験では、合計128素子のアンテナと信号処理装置とを光ファイバーで接続した光張り出し構成の小型基地局によるビームフォーミングを活用し、8台の移動局合計で5.5Gbpsの無線通信を達成しました。
実験では、2カ所に配置した基地局が互いに協調しビーム制御を行う、基地局間協調ビームフォーミングの検証を実施いたしました。複数箇所に設置したアンテナは、その位置によっては大きな干渉が発生し通信速度が劣化しますが、本実験では、デジタル信号処理により互いの干渉を打ち消し合うビーム制御を実装しました。
このビーム制御により柔軟に複数のアンテナを設置できるため、都市部のような人口密集環境においてもさらなる大容量通信の実現が期待できます。また、本実験により、ドコモとNECが共同で受託した総務省受託研究である、電波資源拡大のための研究開発「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発~高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発~」※2における目標値を達成いたしました。
ドコモとNECは本実験や5Gに向けた取り組みを、5月23日(水)から25日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレス・テクノロジーパーク2018」内の「5G Tokyo Bay Summit®」にて展示・紹介します。
本実験内容には、総務省からの委託を受けて実施した「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発」※2の成果の一部が含まれています。
【別紙】 基地局間協調ビームフォーミングを用いた5G無線通信実験の内容
以上
- ※12018年5月23日 ドコモ、NEC調べ
- ※2http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000169.html
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