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NEC、「物体指紋認証技術」を強化し様々な材質の工業製品・部品に対応

~ 抱っこひも「エルゴベビー」の偽造品対策に採用 ~

2015年9月24日
日本電気株式会社

NECは、工業製品・部品の表面に自然発生する微細な紋様(物体指紋)をもとに個体を識別し、真贋判定が可能な「物体指紋認証技術」(注1)を強化しました。本強化では、従来の金属の真贋判定に加え、樹脂・塗装など表面が多様な材質からなる商品の認識に対応しました。

今回強化した「物体指紋認証技術」は先行的に、米国大手ベビー用品メーカー「Ergobaby(エルゴベビー)」ブランドの抱っこひも新商品の偽造品対策に採用されます。本商品は日本限定仕様で、エルゴベビーの日本正規総代理店である株式会社ダッドウェイ(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役社長:白鳥 公彦)から、日本国内で11月に販売開始されます。

「物体指紋認証技術」は、人間の目では判別が困難な製品固有の紋様を、スマートフォンなど汎用カメラで撮影し、事前に登録した紋様の画像と照合することで、製品の真贋を瞬時かつ高精度に識別するNECの独自技術です。今回の強化では、プラスチック樹脂や皮革など多様な材質の物体表面において、光沢や模様の濃淡など識別性の高い特徴を独自に抽出して認識する技術等を開発しました。
これにより、特殊なタグ等がなくとも、様々な商品の真贋判定を高精度に行えるため、低コストかつ効率的な模造品対策、ブランド保護を実現します。

NECは、社会ソリューション事業に注力しており、その中核領域の一つであるビッグデータ事業を強化しています。新技術は、ビッグデータの活用領域を大きく広げるものとなります。今後もICTを活用した社会インフラの実現に貢献していきます。

皮製品を用いた認証イメージ

「物体指紋認証技術」を採用した抱っこひも「エルゴベビー・ベビーキャリア」

背景

昨今、企業における製造・流通のグローバル化に伴い、商品の適切な管理・品質保証などが、ブランドの維持向上にますます重要となってきています。 
ブランドに関しては、特に偽造品が年々増加し、正規メーカーや流通業者の金銭的損害だけでなく、偽造品が日用品から安全装備品などにまで広がり、偽造品の使用が人命にかかわる事故を招く危険性も指摘されるなど、消費者が受ける被害も深刻化しています。

しかし、ブランドを保証するために大量な製品一つ一つにタグや特殊加工を行うには膨大なコストや時間が必要になります。また、正規商品の識別には、専用の装置や専門家の人手も必要です。粗悪な偽造品が消費者へ渡る前に製造・流通等の段階で未然に阻止するには、世界中の流通市場全体を監視する必要がありますが、必要な装置や人的リソース・コスト面などから、個々の企業で対策を行うには限界がありました。
今回の技術強化により、様々な商品が物体指紋認証によって手軽に認証可能となり、製造から流通・使用にわたる安全の実現に貢献します。

今回の強化内容

物体の表面における光沢の強度や模様の濃淡の有無など、様々な対象物の材質・表面特性の違いに合わせて識別性の高い特徴を抽出し、汎用のカメラ(スマートフォン等)で「物体指紋」の画像を撮影できる技術を開発しました。
これにより、従来、一般のカメラでは鮮明な画像として撮影できなかった金属以外の物体指紋に対しても、安定した認証が行えるようになりました。

また今回、認証を行う場所による環境の違いに対しても、より安定した認識が可能な特徴照合アルゴリズムも開発しました。従来「物体指紋」の撮影に必要だった、カメラに取り付けるアタッチメントを使用しにくい対象物でも認識が可能となりました。(注2

これらの技術により、材質やデザイン、形状に合わせて、従来の金属製品に限らず多様な商品から物体指紋を取得・認証し、登録済みの正規商品かどうかの真贋判定が可能となります。また、真贋判定用の特殊なタグや加工なしで製品の真贋判定が可能となり、低コストかつ効率的な模造品対策・ブランド保護を実現します。

本技術の適用例

本技術の主な適用例は、次のとおりです。

  1. 機械、装置などの塗装面(ハンマーネット塗装など)
  2. 電気製品、ケース、タグ等のプラスチック樹脂
  3. バッグや財布などの皮革
  4. ベルトやストラップなどの繊維

NECは、今回のダッドウェイ社への提供をはじめ、今後、他業種も含めたブランド・製品・部品などに本技術を展開していきます。また、様々な業界の偽造品対策活動とも連携し、本技術を用いた真贋判定をクラウドで提供することで、企業の効率的・効果的な偽造品対策を支援し、製品・部品の製造から流通・使用まで、安全・安心の実現に貢献していきます。

NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、
効率的で洗練された社会を実現していきます。

以上

  • (注1) NEC、工業製品・部品の個体を識別する世界初の「物体指紋認証技術」を開発
    http://jpn.nec.com/press/201411/20141110_01.html
  • (注2)対象となる商品の形状や材質素材などに合わせて適切な特徴抽出技術で認証を行い、必要に応じてアタッチメントも利用

NEC 研究企画本部 プロモーショングループ

NECは、社会ソリューション事業を推進する
ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」のもと、
今後の世界の大きな変化(メガトレンド)に対応する
様々な課題解決や社会価値創造に貢献していきます。
詳細はこちらをご覧ください。
http://jpn.nec.com/profile/solutionsforsociety/index.html
Orchestrating a brighter world 世界の想いを、未来へつなげる。

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