大規模データセンター向けSDN対応スイッチの販売開始
~ サーバラック数千相当のネットワーク構成が可能 ~
2015年6月1日
日本電気株式会社
NECは、通信事業者やサービスプロバイダの大規模データセンター向けにサーバラック数千相当のネットワーク構成が可能なSDN対応スイッチを開発し、本日から販売を開始しました。
新製品は、10GbE 48ポートのインタフェースを持ちサーバを集約するToR(Top of Rack)スイッチ「PF5340-48XP-6Q」と40GbE 32ポートで複数ラックを集約するアグリゲーションスイッチ「PF5340-32QP」の2機種です。本製品を制御するSDNコントローラと組み合わせることで、SDN(注1)を活用したスケーラブルでコスト効率の高い大規模データセンターのネットワークが構築可能になります。
NECは「社会ソリューション事業」に注力し、豊かな社会を支える情報通信基盤の確立、高度化に貢献します。
昨今、企業や個人、IoT等、様々な活動から情報が生み出され、大量の情報がネットワークを通じて大規模なデータセンターに集約化されています。一方、データセンターのネットワークは、大規模化による運用の煩雑さや拡張の難しさが課題となっています。
こうした課題を解決するため、NECはSDN対応スイッチ2機種を製品化しました。
新製品の主な特長は、以下のとおりです。
- 数千ラック相当の大規模データセンターのネットワークが構築可能
新製品は、QinQフレーム方式(注2)、OpenFlow技術、端末アドレス自動学習機能を組み合わせた転送方式(注3)を採用することで、最大64万個までのVLANを利用可能としました。また、テナント・ユーザが自由にVLAN IDを設定可能で、特にベアメタルサーバや仮想サーバの収容においても、VLAN IDのネットワーク内での一意性をシステムが自動的に担保し、運用管理工数を軽減します。
また、本製品を制御するPFシリーズのSDNコントローラと組み合わせることで、最大6万4千のユーザを仮想テナントネットワーク(VTN)(注4)に収容、数千ラックに相当するSDN対応の大規模データセンターのネットワークを実現します。
なお、本製品で採用しているQinQフレーム方式は、オーバレイ方式のサーバ間接続に採用されることが多いVXLAN(注5)、NVGRE(注6)、MPLS(注7)などのカプセル化に比べフレーム・オーバヘッドが大幅に小さく、ハードウェアによる高速、低遅延な接続を可能とします。 - ToRスイッチとアグリゲーションスイッチの2階層でスケールアウト可能なOpenFlow技術を採用したネットワークを実現
「PF5340-48XP-6Q」はToRスイッチとして10GbE x 48ポート、40GbE x 6ポートを有し、「PF5340-32QP」はアグリゲーションスイッチとして40GbE x 32ポートを有する高さ1Uサイズのスイッチです。OpenFlow技術と端末アドレス自動学習機能を組み合わせた転送方式(注3)を採用することにより、さまざまな条件に合わせてスイッチ間の接続構成を組むことができます。これにより、ネットワーク構成の制約なくスモールスタートから大規模ネットワークまで柔軟にネットワークを構築することが可能です。
なお、新製品はOpen Compute Project(OCP)(注8)のデータセンタースイッチ仕様に準拠したSDN対応製品です。NECが開発したOpenFlow対応のネットワーク・ソフトウェアをOCP準拠のスイッチハードウェアに搭載することで、市場ニーズに対応した迅速な製品化を実現しています。
SDNはNECが注力する社会ソリューション事業の中核領域の1つで、これまでに「NEC SDN Solutions」を軸に国内外に250システム以上の導入実績を有しています。
新製品は6月10日(水)から12日(金)まで、幕張メッセ(千葉県千葉市)にて開催される「Interop Tokyo 2015」において展示します。また、新製品は、「Best of Show Award」(SDI部門)のファイナリストにノミネートされています。
NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1) SDN (Software-Defined Networking):ネットワークをソフトウェアで制御する概念
- (注2) QinQフレーム:IEEE802.1adで規定され、ユーザトラフィックのVLANフレームに別のVLAN Tagを付与してカプセル化されたフレーム。フレームのオーバヘッドは4byteとなる。
- (注3) 端末アドレス自動学習機能とOpenFlow技術を組み合わせた転送方式
非営利標準化団体であるOpen Networking Foundation (ONF)で定義されたOpenFlowプロトコルによりフローを設定して初期トラフィックを転送後、初期トラフィックから端末MACアドレスを自動学習して転送する方式。 - (注4) 仮想テナントネットワーク(VTN:Virtual Tenant Network):物理的なネットワークを共有した上で、ソフトウェアによって設定する論理的なネットワーク。
- (注5) VXLAN:IETF RFC7348で定義されているフレームカプセル化方式。フレームのオーバヘッドは54byteとなる。
- (注6) NVGRE:IETF で策定中のフレームカプセル化方式。フレームのオーバヘッドは42byteとなる。
- (注7) MPLS:IETF RFC3301, 3302で定義されているフレームカプセル化方式。
Ethernet over MPLS(1段タグ)の場合のオーバヘッドは22byteとなる。 - (注8) Open Compute Project(OCP):http://www.opencompute.org/ 参照
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