2014年11月17日
北陸先端科学技術大学院大学
日本電気株式会社
北陸先端科学技術大学院大学(所在地:石川県能美市、学長:浅野哲夫、以下 JAIST) と日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:遠藤信博、以下 NEC)は、サイバーセキュリティに関する最先端の研究活動と人材育成を目的とした寄附講座を開設します。
本講座は、「サイバーレンジ構成学」の名称で平成27年4月に開講予定であり、サイバーセキュリティ人材を育成するためのサイバーレンジ(サイバー空間の演習場)を構築する技術を研究開発するとともに、これを用いた教育プログラム(演習環境、教材、カリキュラム)の設計および開発を行ないます。開発したプログラムは、他の大学や高等専門学校などの教育機関に提供することで、多数の人材育成に貢献します。
実践的スキルを養成するプログラムの開発・展開は、国内でも先進的な取り組みとなります。
JAISTは、平成13年にインターネット研究センター(平成23年 高信頼ネットワークイノベーションセンターへ改組)、平成19年に高信頼組込みシステム教育研究センターを設置し、これまで大規模閉域環境でのセキュリティ実験や、M2M(Machine to Machine)の実証実験などを行ってきました。さらに、総務省主催の「実践的サイバー防御演習(CYDER)」に用いられる環境の提供やその基礎となる技術開発およびカリキュラムの検討を行ってきました。
これらの蓄積をベースに、今回新たに、実践的なサイバーセキュリティの講座を開設することとしました。
昨今、標的型攻撃などのサイバー攻撃による被害が拡大しており、企業の社会的信用の失墜、事業停止、場合によっては企業活動の継続が困難になるなど、情報セキュリティ対策強化の必要性がますます高まっています。
JAISTとNECが連携してサイバーセキュリティの講座を開設することにより、官公庁・企業向けのセキュリティ対応にとどまらず、今後 普及が見込まれるIoT(Internet of Things)のセキュリティやフィジカルセキュリティシステム等にも対象範囲を拡げていきます。このような活動を通して、重要性が一層高まるサイバーセキュリティの実践的スキルを有する人材育成を強化し、産業・地域の活性化に貢献していきます。
サイバーセキュリティ寄附講座の概要と両者の取り組みは、次のとおりです。
講座の概要
- 講座名称:「サイバーレンジ構成学」
- 講座の内容
サイバーセキュリティ人材を育成するためのサイバーレンジ(サイバー空間の演習場)の構成技術を研究開発するとともに、これを用いた教育プログラムの設計および教材開発を行ないます。
JAISTの取り組み
JAISTは、学部を持たず独自のキャンパスと教育研究組織を持つ、我が国初の国立大学院大学として、先端科学技術分野において世界トップクラスの研究を推進するとともに、注意深く設定された体系的なカリキュラムに基づき、コースワークを中心にして幅広い知識を習得させる大学院教育を実施しています。特に、サイバーセキュリティ分野においては多数の教員を擁し、先端的研究及び社会貢献を進めているのに加え、平成19年より体系的な人材育成プログラムを開始し、「情報セキュリティコース」として現在に至っています。また、ネットワークシミュレータ構築技術を基礎としたサイバーレンジの構築技術の研究も推進しており、広く利用可能なパッケージ開発にも着手しています。
NECの取り組み
NECは、「社会ソリューション事業」を推進しており、その注力領域のひとつである「サイバーセキュリティ事業」を強化する中、国際刑事警察機構(インターポール)をはじめとする先進的な機関や企業との提携などを通して、サイバーセキュリティ対策の技術・ソリューション開発に取り組んでいます。また、本年6月には「サイバーセキュリティ・ファクトリー」を開設し、専門要員が24時間365日体制でお客様の情報システムのセキュリティ監視やサイバーインシデント発生時の詳細解析などを行っています。こうした体制構築や技術力の強化を推進しており、今回のJAISTとの連携もこの活動の一環となります。
JAISTとNECは、それぞれの実績を活かしたサイバーセキュリティに関する技術・ノウハウを連携させ、安心・安全な社会づくりに貢献していきます。
以上
本件に関するお客様からのお問い合わせ先