2014年7月3日
日本電気株式会社
NECは、小松市農業協同組合(本店:石川県小松市、以下 JA小松市)の農家に、農業ICTクラウドサービスを提供しました。本サービスは、本年5月末から全面稼働を開始しています。
本サービスは、JA小松市 施設園芸部会青年部に属する農家5軒のトマトを栽培するハウス12棟に温度や湿度などのセンサを設置し、環境データを自動収集します。これにより、従来は経験や勘に頼っていた作業を数値で確認することで、生産工程の改善や、新しい農業手法への取り組みが可能となり、生産力向上と人材育成に貢献します。
NECは、社会ソリューション事業に注力しており、その中核領域の一つであるビッグデータ事業の強化を進めています。農業ICTクラウドサービスは、ビッグデータ関連の最先端技術・製品・サービスを体系化した「NEC Big Data Solutions」の一つに位置付けられるものであり、このたびの導入事例は本事業における取り組みの成果です。 |
トマトハウス内に設置したセンサ
NECは小松市のトマト農家5軒12棟のハウスに、農業ICTクラウドサービスを提供しました。本サービスは、ネットワークを介てセンサや端末からのデータを集約するM2M(Machine to Machine)ソリューション「CONNEXIVE(コネクシブ)」を、施設園芸の監視に活用したものです。
具体的には、トマト栽培を行っているハウス内に温度・湿度・炭酸ガス量・照度のセンサを設置し、データを定期的に自動収集してNECのクラウドに蓄積します。これらのデータは自動的にグラフ化され、パソコンやスマートフォンに表示できるため、ハウス内の環境を遠隔地からでもリアルタイムに把握可能となります。
また、農作業の計画・実績や、農薬散布の回数・量などをweb上で登録できる営農日誌機能も提供しており、日々の作業を簡単な操作で記録できるとともに、過去実績の閲覧も容易となり、生産者の利便性を向上します。
JA小松市および本サービスを導入した農家は、センサから得られたハウス内の環境データと、トマトの収穫量・品質の相関を分析し、土質・水質・施設規格・栽培方法など最適な栽培環境を検証します。分析で得られた知見や営農日誌の記録を基に、栽培マニュアルを作成し生産者間で共有することも予定しており、生産技術の底上げと産地の結束力強化を目指します。また、活動主体を若手生産者とすることで、先端ICTを活用した次世代農家の育成を推進します。
本サービスを導入した農家からは、「ハウス内の環境が数値として見える化されたことで、トマトの成長に必要なCO2濃度が想定より低いことが判明し、対応が必要なことが分かった」、「導入した農家同士でハウス内環境などの情報交換を行う機会が増加し、ノウハウの共有や作業の改善活動が加速した。新たに農業に就く障壁も下がる可能性がある」といった評価を得ています。
なお本サービスは、建設機械メーカーである株式会社小松製作所(本社:東京都港区、代表取締役社長(兼)CEO:大橋徹二)・小松市・JA小松市の三者が発足した「こまつ・アグリウェイプロジェクト」の一環として導入されたものです。また、環境データの分析や栽培指導などに、石川県の支援をいただいています。
NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICT技術や知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
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新ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」を策定しました。
本ブランドメッセージのもと、世界の人々と協奏・共創しながら、社会の様々な課題解決に貢献していきます。
