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NECは花王株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:澤田道隆、以下 花王)と共同で、世界最高レベルの植物成分率(約75%以上、注1)を有しながら耐久性(耐薬品性(注2)、耐光性、表面硬度など)に格段に優れた難燃性ポリ乳酸複合材(注3)(以下 難燃性バイオプラスチック、注4)を開発しました。 本バイオプラスチックは、NECのバイオプラスチック「NeCycle(R)」(ニューサイクル、注5)の主成分となるポリ乳酸に、水酸化アルミニウムや炭化剤等の難燃剤と他の特性改良剤を配合する独自の組成により性能を強化し、汎用石油系プラスチックを超える耐久性を初めて実現したものです。 本バイオプラスチックは、ガソリン、強アルカリ洗剤などへの耐薬品性、耐光性、寸法安定性(非膨張・収縮性)、表面硬度等に優れ、流通・交通・医療・金融等の設備に用いられる、より厳しい仕様が要求される高耐久プラスチック市場への適用が可能となります。 今回、これらの高度な耐久性を実現したことにより、薬品への耐性が必要となる、ガソリンスタンド用給油システム(NECインフロンティア製:注6)における屋外機器の内部部品(POS周辺)に適用を開始しました。 NECは、持続可能な循環型社会の実現に向け、高い環境調和性と耐久性を両立できるバイオプラスチックの開発を進めてきました。今後もさらに開発を推進し、高度な耐久性を要求される社会インフラ向け機器まで、幅広い製品分野に適用することで、温室効果ガス(CO2)削減と資源循環に貢献していきます。 |
高耐久性を高めたバイオプラチックNeCycle(R) | 耐薬品性の比較 |
耐薬品性 | 強アルカリ洗剤への浸漬試験後、割れ・変色なし。また、ガソリン・灯油等への耐油性を強化。従来の耐薬品性石油系プラスチックと同等以上を実現。 |
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薬品浸漬後の 寸法安定性 |
ガソリン浸漬試験(7日間)において、寸法変動率(非膨張・収縮性)が、従来の屋内向け電子機器等に利用している石油系プラスチックの1/3以下を実現。 |
耐光性 | 光照射試験において、変色率が、従来の屋内向け電子機器等に利用している石油系プラスチックの1/5以下を実現。 |
表面硬度 | 鉛筆硬度~H(注8:従来の石油系プラスチックではB~F) |
抗菌性 | 抗菌性強化を行うことで菌試験(JIS Z2801)において、耐水・耐光・耐洗剤全ての項目で、抗菌性強化前に比べ、減菌率99.99%以上を達成。 |
(注1) バイオプラスチックの全炭素量に占める植物由来炭素量の割合。ASTM(米国試験材料協会、ASTM International) D6866で規定。なお、通常の難燃性バイオプラスチックは、石油系樹脂を主成分とし、植物成分率が30%程度。
(注4) バイオプラスチック:再生可能な植物資源に由来する成分を含むプラスチックのこと。植物資源とは、トウモロコシやサトウキビなどから抽出したデンプンや、木材、葉、茎などから分離できる植物繊維(セルロース)などを指す。
(注7) 高耐久性の石油系プラスチック:機械部品や自動車部品、電子・電気機器部品等として、各種機能を活かして使用されている100℃以上の耐熱性を有する樹脂を指す。機能は、強度・耐衝撃性・硬度・耐薬品性・電気特性・寸法安定性・耐老性などがある。
(注9) 2010年6月9日『「NECグループ環境経営行動計画2017/2030」を策定』
http://www.nec.co.jp/press/ja/1006/0901.html
NEC 研究企画本部 プロモーショングループ
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