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NEC、バイオプラスチック「NeCycle(R)」の耐久性を強化 ~ 高度な耐薬品性などが必要なガソリンスタンド用給油システムへ適用拡大 ~

2014年6月30日
日本電気株式会社



NECは花王株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:澤田道隆、以下 花王)と共同で、世界最高レベルの植物成分率(約75%以上、注1)を有しながら耐久性(耐薬品性(注2)、耐光性、表面硬度など)に格段に優れた難燃性ポリ乳酸複合材(注3)(以下 難燃性バイオプラスチック、注4)を開発しました。
本バイオプラスチックは、NECのバイオプラスチック「NeCycle(R)」(ニューサイクル、注5)の主成分となるポリ乳酸に、水酸化アルミニウムや炭化剤等の難燃剤と他の特性改良剤を配合する独自の組成により性能を強化し、汎用石油系プラスチックを超える耐久性を初めて実現したものです。
本バイオプラスチックは、ガソリン、強アルカリ洗剤などへの耐薬品性、耐光性、寸法安定性(非膨張・収縮性)、表面硬度等に優れ、流通・交通・医療・金融等の設備に用いられる、より厳しい仕様が要求される高耐久プラスチック市場への適用が可能となります。

今回、これらの高度な耐久性を実現したことにより、薬品への耐性が必要となる、ガソリンスタンド用給油システム(NECインフロンティア製:注6)における屋外機器の内部部品(POS周辺)に適用を開始しました。
NECは、持続可能な循環型社会の実現に向け、高い環境調和性と耐久性を両立できるバイオプラスチックの開発を進めてきました。今後もさらに開発を推進し、高度な耐久性を要求される社会インフラ向け機器まで、幅広い製品分野に適用することで、温室効果ガス(CO2)削減と資源循環に貢献していきます。


高耐久性を高めたバイオプラチックNeCycle(R) 耐薬品性の比較
高耐久性を高めたバイオプラチックNeCycle(R) 耐薬品性の比較


背景


NECは地球環境保全への貢献として、2000年からバイオプラスチックの開発に先駆的に取り組んできました。2007年には花王と共同で、ポリ乳酸を主成分にしながら、従来にない高い植物成分率と高機能性を実現した難燃性バイオプラスチックを開発し、2010年からNECのビジネス向けデスクトップパソコンや業務用決済端末など6製品群に適用しています。

今回開発した難燃性ポリ乳酸複合材(バイオプラスチック)は、より厳しい仕様が要求される高耐久プラスチック市場向けのものです。
主成分となるポリ乳酸に、水酸化アルミニウムや炭化剤等の難燃剤と他の特性改良剤を配合する独自の組成により、従来の高度な難燃性を保ちながら、新たに「耐薬品性」「耐光性」「表面硬度」等の耐久性や高い「抗菌性」を実現しました。これにより、高耐久性が要求される社会インフラ向け設備・機器の部材などへの幅広い適用が可能となります。 従来、ガソリン用給油システムには、耐薬品性等に優れた高耐久性の石油系プラスチック(注7)が使用されてきました。今回開発した難燃性バイオプラスチックは、ガソリン・灯油等への耐油性や強アルカリ洗剤、消毒用エタノール等に対する耐薬品性と寸法安定性を格段に強化したことにより、ガソリンスタンド用給油システムの屋外機器の内部部品への適用が可能となりました。



新たに開発した難燃性バイオプラスチックの性能


耐薬品性 強アルカリ洗剤への浸漬試験後、割れ・変色なし。また、ガソリン・灯油等への耐油性を強化。従来の耐薬品性石油系プラスチックと同等以上を実現。
薬品浸漬後の
寸法安定性
ガソリン浸漬試験(7日間)において、寸法変動率(非膨張・収縮性)が、従来の屋内向け電子機器等に利用している石油系プラスチックの1/3以下を実現。
耐光性 光照射試験において、変色率が、従来の屋内向け電子機器等に利用している石油系プラスチックの1/5以下を実現。
表面硬度 鉛筆硬度~H(注8:従来の石油系プラスチックではB~F)
抗菌性 抗菌性強化を行うことで菌試験(JIS Z2801)において、耐水・耐光・耐洗剤全ての項目で、抗菌性強化前に比べ、減菌率99.99%以上を達成。


NECは2010年6月に発表した「NECグループ環境経営行動計画」(注9)に基づき、2017年までに全てのNEC主要製品へのバイオプラスチックの適用を進めていきます。
今後、本バイオプラスチックの適用を流通・交通・医療・金融など幅広い業界において用いられる社会インフラ向け設備・機器に広げていく予定であり、グリーンICT(注10)による便利で持続的な社会の構築に貢献していきます。

NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICT技術や知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。


【別紙】 NECにおけるバイオプラスチックの研究開発

以上




(注1) バイオプラスチックの全炭素量に占める植物由来炭素量の割合。ASTM(米国試験材料協会、ASTM International) D6866で規定。なお、通常の難燃性バイオプラスチックは、石油系樹脂を主成分とし、植物成分率が30%程度。

(注2) 石油や洗剤などの薬品が付いたり、拭いたりした際の割れや変色の耐性を指す。

(注3) ポリ乳酸複合材:植物資源由来のポリ乳酸に、難燃性、機械強度などの特性向上のため添加剤を配合した組成物

(注4) バイオプラスチック:再生可能な植物資源に由来する成分を含むプラスチックのこと。植物資源とは、トウモロコシやサトウキビなどから抽出したデンプンや、木材、葉、茎などから分離できる植物繊維(セルロース)などを指す。

(注5) NeCycle(ニューサイクル)はNECの商標または登録商標です。

(注6) 2014年7月1日より、NECプラットフォームズに改称

(注7) 高耐久性の石油系プラスチック:機械部品や自動車部品、電子・電気機器部品等として、各種機能を活かして使用されている100℃以上の耐熱性を有する樹脂を指す。機能は、強度・耐衝撃性・硬度・耐薬品性・電気特性・寸法安定性・耐老性などがある。

(注8) 鉛筆の強度に相当。強度が高いほど耐傷性に優れる。

(注9) 2010年6月9日『「NECグループ環境経営行動計画2017/2030」を策定』
http://www.nec.co.jp/press/ja/1006/0901.html

(注10) ICT(情報通信技術)を従来よりも一層活用することによりCO2の大幅な削減に貢献すること。


本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 研究企画本部 プロモーショングループ
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NECは、社会ソリューション事業を推進する企業としてのグローバルブランドを構築するため、
新ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」を策定しました。
本ブランドメッセージのもと、世界の人々と協奏・共創しながら、社会の様々な課題解決に貢献していきます。 Orchestrating a brighter world 世界の想いを、未来へつなげる。


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