2014年5月29日
日本電気株式会社
NECは、80GHz帯の狭帯域(チャネル幅250MHz)に対応し、大容量通信を実現する、高速無線伝送装置「iPASOLINK EX(アイパソリンク イーエックス)」を、本日から国内で販売開始します。
なお、日本での80GHz帯狭帯域の使用については、今夏の制度化に向けた制度整備が、現在、総務省にて進められています。本製品の出荷は制度化後となります。
NECは、高度な無線伝送技術やIPネットワーク技術、高品質かつ高効率なものづくりを活かした製品・ソリューションの提供を通して、社会のネットワークインフラを支えていきます。 |
iPASOLINK EX 設置イメージ背景
80GHz帯は、電波の直進性が強い、大気の影響により電波が減衰することが少ない、大容量通信が可能などの特長を有した周波数帯です。
80GHz帯を活用した無線伝送装置は、LTEの普及により大容量化が進むモバイルネットワークのフロントホール・バックホール回線や、河川・鉄道線路の横断や山間地など光ケーブルの施設が困難な場所での中継伝送に向いています。また、非圧縮で遅延が少ない高精細・大容量の映像を伝送することも可能になります。
「iPASOLINK EX」の特長
本製品は、これまで海外で先行販売しており、多くの通信事業者に導入実績があります。
このたび本製品を、日本で予定されている80GHz帯狭帯域の複数チャネル分配の制度に合わせて、通信事業者、放送事業者、企業・団体などに提供します。既に認可されている、80GHz帯を広帯域1チャネルで使用する場合と比較して、事業者ごとに使用するチャネルが異なるため、電波干渉が少なく、周波数を効率的に使用することが可能となります。
また、高変調方式(256QAM、
注1)を採用するとともに、連続する250MHz帯域幅のチャネルを束ねて500MHz帯域幅として使用することも制度化される見込みです。これにより500MHz帯域幅では、最大3.2Gbpsと光ケーブル並の大容量伝送が可能となります。
さらに、降雨などの際に変調方式を自動で変更することで回線接続を維持するAMR(無瞬断適応変調方式)や、天候に応じて自動的に送信電力を制御し、他の周波数への干渉を低減するATPC(送信電力自動制御機能)などを搭載しています。
なお本製品は、電波の送受信部(ODU)と変復調部(IDU)を一体型にした屋外設置用「iPASOLINK AOR(All Outdoor Radio)」シリーズラインアップの一つであり、小型軽量・省スペースを実現しています。接続インターフェースには、モバイルフロントホール用途として、基地局の制御部(BBU: Base Band Unit)と無線部(RRH: Remote Radio Head)を接続するためのCPRI(
注2)に対応したモデルと、モバイルバックホールなどの用途として、Ethernetに対応したモデルを用意しており、多様な用途・環境で迅速かつ安定した高速ネットワークの構築を実現します。
NECは本製品を、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2014」(会期:5/28(水)~30(金)、会場:東京ビッグサイト(東京都江東区))にて展示しています。
NECグループは、「2015年中期経営計画」をもとに、人が豊かに生きるための安全・安心・効率的・公平な社会の実現に向け、ICTを活用した高度な社会インフラを提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進し、「社会価値創造型企業」として、社会の様々な課題解決に貢献していきます。
以上
(注1) 256QAM(Quadrature Amplitude Modulation):
位相と振幅を変化させることで、一度に8列のデジタル情報を伝達する変調方式。一つの象限に6ビットの組み合わせで位相と振幅を変えて64の値を設定し、それを2ビットの組み合わせで4象限にマッピングすることで、64×4=256の値を用いる直交振幅変調方式。
(注2) CPRI(Common Public Radio Interface):
無線基地局のインターフェースの標準仕様。産業団体であるCPRIにより規定されている。
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「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現する
グローバルリーディングカンパニー」を目指しています。
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