2013年11月7日
日本電気株式会社
NECは、公共空間や大型施設において、防犯カメラなどで撮影された群衆映像から、個人を特定することなく混雑状況を把握するとともに異変を検知する世界初の「群衆行動解析技術」を開発しました。これにより、事件・事故を早期に検知し、より安全・安心な社会の実現に貢献します。
多くの人が集う公共空間や大型施設は、異常な混雑が生じた場合に集団で転倒するなどの事故が発生したり、また、犯罪やテロの対象となるリスクがあります。そのため、現在、多くの施設で設置されている防犯カメラを活用し、混雑環境での事件・事故を未然に防ぐことや、被害を最小限に抑えることが期待されています。しかしこれまでは、数百人が複雑に行き交う混雑環境下において、発生しうる様々な異常を早期に発見したり、異常の詳細を推定することは困難でした。
このたび開発した技術は、事件・事故の発生やその兆しが周りの群衆や集団の行動に影響を与えるという点に着目し、異変につながる「群衆全体の動きの変化」を正確にとらえ、解析するものです。これにより、例えば、ラッシュ時間帯の駅やイベント会場のように非常に混雑した環境下でも、混雑度を高精度に推定できるとともに、人の流れの急激な変化や、人の流れに逆らって滞留している集団、人の転倒時の周りに生じる人垣などを既設の防犯カメラを用いて検知します。さらに、人の固まりに対して解析を行うため、個人を特定することなく状況の把握が可能です。
本技術の特長は、次のとおりです。
- 群衆の状況をより正確に把握
混雑度や各人の挙動などが異なる様々な状態の群衆画像をシミュレーションによって擬似的に生成。その画像と防犯カメラ等の映像を、独自のアルゴリズムを採用した画像認識技術によって一人ひとり区別せずに照合・解析。これにより、人と人が重なって見えるほどの混雑時も、群衆の状況を高精度に把握。
- 群衆の変化を正確かつ瞬時に解析
異常が発生した際、その周囲の人々の行動変化に着目。例えば公共空間で見知らぬ2人が口論を開始した場合に、周囲の人々が一時停止したり取り囲んだりする行動パターンを緻密に解析し、異常が発生した場所に加え、予め閾値を設定することで、その変化の大きさから異常レベルも推定。
NECは今後も本技術の研究を進め、セーフティ事業の拡大に向けた映像処理・解析技術の開発に積極的に取り組むことで、安全・安心な社会の実現を目指します。
なお、NECは本技術について、NECグループが開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2013」(会期:11/14(木)~15(金)、会場:東京国際フォーラム(東京都千代田区))にて、展示を実施する予定です。
【別紙】 異常や危険を早期に察知する世界初の群衆行動解析技術のご紹介
以上
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