2013年10月9日
ネポン株式会社
日本電気株式会社
ネポン株式会社(以下、ネポン)と日本電気株式会社(以下、NEC)は、農業の生産性向上や農産物の品質改善に貢献する農業ICTクラウドサービス(ネポンブランド名:アグリネット(C))において、新たに天窓やカーテンの開閉、暖房機や炭酸ガス(CO2)発生機などの制御機能を開発しました。年内にサービスを提供開始予定です。
温室用温風暖房機のトップメーカーであるネポンと、M2M技術を利用したソリューション「CONNEXIVE」を提供しているNECは、従来からセンサネットワークなどを利用して農地データの見える化やコミュニケーションを実現するサービスを提供しています。
昨今、施設園芸経営においては、温室内の栽培環境や機器動作の異常監視、温室内環境の制御による生産性や品質の向上が課題となっています。
現在、ハウスから離れた場所で、センサによる環境データを手軽にモニタリング・記録する仕組みは実現していますが、さらに、ハウス内の環境を制御する仕組みも必要とされてきています。このたび提供開始する機能は、ハウス内機器を制御することにより、ユーザ(農業生産者)がハウスへ見回りを行う回数の削減や、装置への設定情報をクラウドで共有することで、高度なノウハウを抽出・共有できるなど、農作業の省力化やノウハウの継承につながるものです。
このたびの農業ICTクラウドサービスの強化内容は、次のとおりです。
- 各種センサと連動し、ハウス内設備の統合自動制御が可能
温湿度計や照度センサ、CO2センサなどの情報を基に、天窓の開閉角度やカーテンの開閉、冷暖房機のON/OFF、炭酸ガス(CO2)発生機のON/OFFなど、ハウス内の機器を統合的に自動制御が可能。
また、農業生産者は、スマートフォンやタブレットを利用し、天窓の開閉を自動で行う時間や温度の設定、開閉量を、クラウドを経由することでいつでもどこからでも設定変更が可能。
さらに、制御を行う閾値の設定などをクラウド上で10件まで保存できるとともに設定データのインポートやエクスポートが行えるため、ハウス内環境の制御を簡単かつ便利に設定可能。
- クラウドによる多彩な表示、データ出力機能、警報機能を提供
各種センサのデータや、天窓の開閉角度・暖房機の稼働状況などを、グラフやデータ一覧表示により確認可能。また、数値データの一覧はCSVデータによりダウンロードも可能。
また、クラウド上で、栽培に役立つ飽差(温度と湿度を保った空気にあとどれだけ水蒸気を含むことができるかを示す指標)を自動計算し、グラフ表示やデータをダウンロードする機能も提供。さらに、あらかじめ、加湿を開始する濃度と除湿を開始する濃度を、飽差適正範囲としてグラフ上に表示することも可能。これらにより、適切なタイミングでCO2を供給することで、高品質・高収量の生産に貢献。
加えて、雨センサ、風センサなどの天候情報を元に、クラウド上であらかじめ設定した条件で警報を発信し、メールで受信可能。
ネポンとNECは、2012年1月に農業ICTクラウドサービス事業で協業し、同年5月にサービス提供を開始、機能強化を進め、現在、JAちばみどり、JA富里市、JAやつしろなど、すでに200件の農業生産者に利用されています。
ネポン、NECは今後も、ICT及びクラウド技術を活用したサービスを農業生産者に提供し、ビッグデータを活用した合理的な農業経営の確立を支援していきます。
なお、NECはネポンと共同で、本サービスを10月9日(水)から11日(金)まで幕張メッセで開催される「第3回農業資材EXPO(通称アグリテック)」に出展します。
【別紙】 統合環境制御機能の概要
以上
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