2013年7月11日
ネポン株式会社
日本電気株式会社
ネポン株式会社(以下、ネポン)と日本電気株式会社(以下、NEC)は、農業の生産性向上や農産物の品質改善に貢献する農業ICTクラウドサービス(ネポンブランド名:アグリネット(C))の強化を行い、あらかじめ設定したスケジュールにあわせて灌水制御(水やり、
注1)を行う機能を追加し、本日より提供を開始しました。
温室用温風暖房機のトップメーカーであるネポンと、M2M技術を利用したソリューション「CONNEXIVE」を提供しているNECは、従来からセンサネットワークなどを利用して農地データの見える化やコミュニケーションを実現するサービスを提供しています。
このたびの機能強化では、クラウド経由により、ハウス内に設置した灌水装置(水が出るチューブ)を、1日のうちで何時から何時まで動作するのか、どのくらいの間隔で作動させるか、どのくらいの時間水をやるのか、などの灌水にかかわる詳細な設定を、1日48パターンまで、パソコン画面で設定可能です。
また、過去の灌水実施の実績レポートを、パソコンやスマートフォンから確認できるため、今後の灌水設計にも活用できます。従来の灌水装置は、一般的には1台の灌水制御盤あたり8バルブ(
注2)が上限でしたが、32バルブまでサポートすることにより、大規模な圃場への対応や、同一圃場内でのより細かな養液管理を実現することが可能です。
なお、本灌水制御機能の価格は、4,960円/月~(税別)です。(
注3)
また、このたび、農事組合法人 和郷園(千葉県香取市)(
注4)は、養液栽培(肥料分を含んだ水を灌水する栽培方法)で栽培する農作物の品質安定の実現に向けて、本サービスを導入しました。なお、和郷園は、本灌水制御機能を導入した初めてのユーザとなります。
和郷園では、従来から養液栽培で灌水制御を効率的に行うために、ハウス毎に設置した灌水プログラムが複数設定できる灌水制御盤を利用して来ましたが、農業ICTクラウドサービスの導入により、これまで行っていたハウス毎に設定していた灌水制御設定を、生産者がパソコンを通じて、遠隔から灌水制御設定をすることができ、灌水状況を監視することもできます。さらに複数のハウスの灌水制御を一元的に管理し易くなります。
これらにより、和郷園は、灌水制御ノウハウの蓄積ができ、ノウハウをグループ内で共有することができます。また、どこにいてもハウス環境が確認でき、灌水制御設定をすることができるようになるため、国内にいながらにして海外に設置した農場での養液栽培も可能となり、グローバルな展開も可能となりました。
また、今回、クラウドと連携する灌水制御盤も大幅な機能拡大を行い、これまで制御のために、大型のハウスに必要だった複数台の灌水制御盤が、1台で対応できるようになります。
和郷園としては、生産者ごとに微妙に異なっていた栽培作物の品質をより安定・向上することができ、商品の特徴(ブランド)をさらにアピールできます。
ネポンとNECは、昨年7月に全国農業協同組合連合会(以下、JA全農)と、農業ICTクラウドサービス事業で協業し、農業ICTクラウドサービスの提供を進めています。このたびの機能強化および和郷園への導入も本協業によるものです。
ネポン、NECは今後も、JA全農とともに、ICT及びクラウド技術を活用したサービスを農業生産者に提供し、合理的な農業経営の確立を支援していきます。
なお、NECは、本サービスを7月11日(木)から12日(金)までグランドフロント大阪(大阪市北区)で開催される「NEC iEXPO関西2013」に出展します。
【別紙】 灌水制御機能 概要
以上
(注1) 灌水制御とは
作物に最適な水分量になるように、水分をコントロールすること。水分量が少ない場合は水分を供給し、逆に水分量が多すぎる場合は適切な水分量になるまで水分の供給を停止させること。
(注2) バルブとは
給水用タンク等の給水システムに設けた弁。バルブの開閉によって水の流量をコントロールすることで、作物に対する供給水分量を調整する。
(注3) 基本料金2,980円を含む。灌水制御盤は別途購入が必要。すでにサービスを利用しているユーザは、現在の基本利用料、1,980円/月~プラスにて提供。
本件に関する情報
本件に関するお客様からのお問い合わせ先