2013年4月17日
株式会社アマダ
日本電気株式会社
アマダ(社長 岡本満夫)はNEC(社長 遠藤信博)の「ユーザ中心設計(UCD: User Centered Design)サービス」を採用し、ユーザビリティの高いグローバル対応のタッチパネル操作画面AMNC3iを開発。板金を折り曲げる作業に用いるサーボ(
注1)ベンディングマシンEGシリーズ、高効率双方向ピストンポンプとACサーボ・モーターの組み合わせによるハイブリッドドライブシステムのベンディングマシンHGシリーズに搭載し、5月より販売を開始する。これによりベテランから初心者まで熟練度に応じたベンディング作業を安心・安全におこなうことができる。
アマダは20年以上前から顧客視点に立った様々な機能を、機械の操作部であるAMNCに付加してきたが、機能が増えるにつれて操作のボタンや作業工程の数が増え、現状の表示画面サイズではうまく配置できなくなっていた。加えて煩雑な操作は多大な教育時間を発生させ、作業初心者への負担も増加させていた。そこで、2年前より商品のグローバル競争力強化、機械の操作機能の高度化・複雑化に対応するため、操作画面の見やすさ、使いやすさなどのUI(User Interface)の改善を目指していた。
一方、NECは「NEC ものづくり共創プログラム」の名称で、自社グループ内の「ものづくり」で培ったノウハウを活かし、製造業の「ものづくり」を強化・革新する活動をおこなっている。この「NEC ものづくり共創プログラム」の一環として、これまでのPOS端末や携帯電話、銀行ATMなどのUI開発のノウハウを活かした「ユーザ中心設計サービス」を、製造業を中心に展開し、ユーザの業務効率化への貢献を目指しており、互いにユーザビリティ向上の主旨が一致。両社は共同でベンディングマシンの操作システムを一から見直すことになった。
新しい操作画面の開発にあたりNECは、実際のベンディングマシンを使用しているユーザの作業現場に入り込み、ヒアリング調査や、実機操作の観察、既存画面の評価・分析、開発要件の整理、画面イメージ作成などのUCDを実践し、ユーザビリティの高いグローバル対応の操作画面AMNC3iを開発した。
また、ベンディングマシンは手動で板金を折り曲げる作業が中心で、特に作業者のリズムが安定した作業に重要な影響を持つ。EGシリーズとHGシリーズの新機能は各作業者の職能に応じた機能ボタンの配列をNC(
注2)に記憶させ操作画面に自動でセットさせることで、自分の好みに合った手順や方法で作業することができる。
これらの取り組みにより、機械が人に合わせるイージーオペレーションを可能とした。
アマダはベンディングマシンを年間3,000台生産しているが、このAMNC3iを単体機で操作画面の自動設定に対応できるハイエンドクラスのEGシリーズとHGシリーズから順次搭載していく予定。
具体的な改善ポイントは次のとおり。
- 熟練工、新人問わず操作のしやすい画面を目指し、手袋を着用していても操作できる静電容量方式の18.5インチの縦型液晶大画面を採用。マシンの作業スペースをより広く確保するとともに3D表示領域、工程表示領域、操作領域などを1つの画面で表示させた。これによりタッチパネル操作の手数を極力低減させることができ、安全な作業が可能となる。
- 活用頻度の高い加工品情報を提供する3D表示や、データ入力を行うための大きな操作ボタンが作業者の身長に配慮して上下入れ替えられる機能を装備することで、ユーザにとって最適な位置で操作ができ負荷を軽減できる。
- どの作業工程でも共通して使用・参照する機能や情報は、固定領域を設けて表示し、加えて、工程進捗をバー表示することで、いつでも進捗具合が把握でき、安心して作業がおこなえる。
- 1つの画面に表示される情報を、容易に視認できるよう、関連する機能ボタンをグルーピング。また、遠くからでも見やすいユニバーサルデザインに配慮したフォントを使用した。
- アマダの製品デザインに合わせた、赤やシルバー色を基調とした画面デザインを採用することにより、統一感を追求。
なお、NECグループは、2013年5月8日(水)~10日(金)東京ビッグサイトで開催される第16回組込みシステム開発技術展に出展し、「ユーザ中心設計サービス」の展示を行います。
http://jpn.nec.com/embedded/event/esec2013.html
以上
(注1) サーボ:物体の位置、方位、姿勢などを制御量として、目標値に追従するように自動で作動する機構。
(注2) NC:Numerical Control。行う動作を数値情報で指令する制御方式。数値制御。
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