Please note that JavaScript and style sheet are used in this website,
Due to unadaptability of the style sheet with the browser used in your computer, pages may not look as original.
Even in such a case, however, the contents can be used safely.

  1. ホーム
  2. プレスリリース
  3. センサネットワーク運用管理に必要な通信を従来比50%省電力化する技術を開発

センサネットワーク運用管理に必要な通信を従来比50%省電力化する技術を開発~ 福島県の高等学校における実証実験に成功 ~

2012年12月10日
日本電気株式会社
沖電気工業株式会社
奈良先端科学技術大学院大学




日本電気株式会社(以下、NEC)、沖電気工業株式会社(以下、OKI)、奈良先端科学技術大学院大学(以下、奈良先端大)は、広域に設置したセンサネットワークの運用管理に必要な通信の消費電力を、従来比50%削減する技術を開発しました。また本技術を用い、気温/照度、湿度、放射線量を計測するセンサネットワークを福島県の高等学校に設置し、2012年11月12日~11月16日の期間に実証実験を行い成功しました。実証実験において、高い信頼性や安全性を確保しつつ、省電力化が可能であり、広域災害発生時等の電力供給が不安定な状況下でも、センサネットワークを長期運用できることを確認しました。

昨今、様々なセンサや端末をネットワークで繋ぎ、機器間で通信を行うM2M(Machine to Machine)技術や、センサで収集した大量のデータ(ビッグデータ)を処理・分析するクラウドサービスが開発されています。遠隔地のサーバから被災地に価値ある情報を提供できるクラウドサービスは、広域災害に強く復興に有効な社会インフラにも適用できる技術として注目を集めています。

このようなクラウドサービスは、電源や通信のケーブルが不要な、電池で駆動する無線センサネットワークの活用が有効です。さらに、広域に配置した膨大なセンサを無線ネットワークで結ぶには、送信元を偽る「なりすまし」や、データを偽造する「改ざん」等をされない高い信頼性の担保と、死活情報などのセンサ状態の管理を、電池の消耗を抑えつつ運用できる省電力技術が必要です。しかし、これまでこのような技術は確立されていませんでした。

このたび開発した技術は、高い信頼性や通信品質を維持しながら、センサ運用管理やセキュリティ確保に必要な通信を最小限に抑えることで、センサの消費電力を従来比50%低減するものです。これによりセンサに搭載した電池の駆動時間を従来比2倍とし、環境監視、防災監視、交通制御、エネルギー制御といった社会インフラ分野で長期運用可能なセンサネットワークを実現します。

開発した技術の特長は、以下のとおりです。

「通信管理・デバイス管理」
  1. 省電力アクセスネットワークの高信頼化技術(OKI)
    センサおよび無線機(以下、センサ等)を収容するアクセスネットワークにおいて、従来方式と同等の信頼性を維持したまま、より高い省電力効果を実現する省電力マルチホップネットワークの実現。


  2. 省電力センサ遠隔管理技術(NEC)
    センサ及びセンサネットワークの状態管理において、必要なセンサのみ管理情報を応答することで管理通信量を削減する省電力センサ遠隔管理プロトコルの実現。

「セキュリティ・暗号通信」
  1. 省電力アクセスネットワーク向け暗号通信路確立技術(OKI)
    センサ等とクラウド上のサーバとの間の暗号通信路確立処理において、通信管理サーバがセンサネットワークにおける通信量を削減する代行方式の実現。


  2. 省電力鍵更新技術(NEC、奈良先端大)
    センサ集合の包含関係を多角的・多次元的に利用し、定期的な鍵の更新管理と不正なセンサをシステムから切り離す無効化処理における通信量の削減を実現(NEC)、並びにその信頼性評価(奈良先端大)。

三者は、本技術の効果を検証するシミュレーションを実施し、従来比で50%の消費電力削減を確認しました。また、福島県の高等学校において、校舎とグランドに気温/照度、湿度、放射線量センサを約60個設置した計測システムの実証実験を行い、シミュレーションと同様の動作を確認しました。(注1)(注2)
この実証実験の様子は、来年2月20日に開催されるクラウドネットワークシンポジウム2013でご覧いただけます。(注3)

三者は今後も本技術の研究開発を進め、広域災害に強く復興に有効なクラウド基盤の構築に向けた議論に役立ててまいります。

なお本技術は、平成23年度第3次補正予算「広域災害対応型クラウド基盤構築に向けた研究開発」の「省電力アクセスネットワーク制御技術の研究開発」のプロジェクトの一環として実施したものです。



【別紙1】 「省電力アクセスネットワークの高信頼化技術」グループ 実証実験内容
【別紙2】「省電力センサ遠隔管理技術」グループ 実証実験内容
【別紙3】「省電力アクセスネットワーク向け暗号通信路確立技術」グループ 実証実験内容
【別紙4】「省電力鍵更新技術」グループ 実証実験内容



以上



(注1) 実証実験時のセンサネットワーク構築は、高等学校の教職員・生徒の協力の下に実施。
本実証実験のシステム構築はNECソフトウェア東北が担当。

(注2) 本実証実験では、センサと接続した2.4GHz帯無線機および920MHz帯IPv6対応無線機を利用して各開発技術の評価を実施。

(注3) クラウドネットワークシンポジウム2013(https://www.itevent.jp/)では、「広域災害対応型クラウド基盤構築に向けた研究開発」の成果を講演やデモンストレーションにより紹介。


実証実験イメージ

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

日本電気株式会社 知的資産R&D企画本部 広報グループ
お問い合わせ

沖電気工業株式会社 研究開発センタ
ネットワーク・端末技術研究開発部 福井
TEL:06-6260-0700

奈良先端科学技術大学院大学 企画総務課広報渉外係 瀬戸
TEL:0743-72-5026
E-mail:s-kikaku@ad.naist.jp

Share: