NEC、新聞社向けに「モニタープルーフシステム」を発売～ 環境に配慮しながら高度な色再現とコスト削減を実現 ～

＜本件に関する情報＞ WEBページ http://www.nec.co.jp/solution/media/shinbun.html 朝日新聞社様導入事例紹介 http://jpn.nec.com/case/asahi/

NECは、新聞社が紙面印刷する際の色調整業務において、高い再現品質を保ちながら、導入・運用コストの削減と管理調整作業の軽減を実現する「モニタープルーフシステム」を、本日から販売開始します。なお、本システムは、朝日新聞社に採用されています。

プルーフシステムは、新聞社がカラー紙面を印刷する際に、広告主などに指定された色を再現するための"色校正システム"です。印刷工場では、色見本を専用のプリンタに出力する（紙プルーフ）か、最近では液晶画面に表示させる（モニタープルーフ）が利用されています。この色見本と実際の印刷結果を比較しながら印刷のインク調整などを行います。

紙プルーフでは、大型のプリンタが必要とされ、プリンタ出力に数分かかり、新聞印刷開始時刻に影響を与えるほか、用紙やインクのコスト、プリンタ保守コストが課題となっています。また、運用面でも複数の印刷工場で同じ印刷をする際、プリンタの色品質維持調整も行わなければならず、作業コストがかかっています。このため、スピードアップとコスト低減が可能で、地球環境にも配慮した液晶ディスプレイを使った「モニタープルーフ」の導入が始まっています。

NECの開発した「モニタープルーフシステム」は、NEC独自の色・画像処理技術を活用した色校正システムであり、高度な色再現、業務の効率化、導入・運用コストの削減を実現します。

本システムの価格は個別見積です。NECは、本システムを新聞社向けに拡販し、今後3年間で15社への提供を目指します。

NECの「モニタープルーフシステム」の特長は次のとおりです。

1. 液晶ディスプレイでも見た目の色を高度に再現
   
   • NEC中央研究所のカラーアピアランス技術（注）を活用し、色の数値ではなく環境光を加味した見た目の色を再現する方式を採用。これにより、見た目が合いにくいリッチブラックやこげ茶色などが再現可能。
   • 画像高画質化エンジンPictMagicの機能を組み合わせることで、特定色の微調整も容易に実現。



2. 高品質カラーマネージメント液晶ディスプレイを採用
   
   • NECディスプレイソリューションズ製のプロ用カラーマネージメントディスプレイ「MultiSync/PAシリーズ」を利用することで、高色域において、高品質かつ安定した色再現を実現。
   • MultiSync/PAシリーズでは、ディスプレイ内部で色の表示調整（ハードウェアキャリブレーション）を行うことにより、正確な色表現の維持が可能。指定した白色点、輝度、黒レベル、色域についても、表示調整ができ（カスタムキャリブレーション）、紙白など目標の白色点の目視調節も可能。
   • キャリブレーション終了時に、測定された色階調、輝度値、モデル名、製造番号、総使用時間などのディスプレイプロファイルを提供。各印刷工場に設置された複数のディスプレイのプロファイルとキャリブレーション結果を統合管理し、ディスプレイの品質維持管理も総合的に行うことが可能。



3. 複数新聞媒体の色見本を表示可能なマルチプロファイル機能
   
   • 複数の印刷プロファイルの切り替えが可能なため、新聞毎に異なる印刷色基準でプルーフ表示が可能。他の新聞社の紙面を印刷する受託印刷の場合でも1つのプルーフシステムで複数の新聞印刷の色見本として利用可能。



4. 紙プルーフ出力にも対応したハイブリッド対応
   
   • 従来の紙プルーフの出力機能にも対応。モニタープルーフとして利用時の色再現技術やマルチプロファイルに対応しており、新聞毎に再現性の高い色見本印刷が可能。

朝日新聞社においては、本システムを導入することで、高品質な色見本を安定して提供しながら、設備コスト、印刷コスト、管理調整作業の大幅削減を実現しています。

一般的にモニタープルーフは印刷の色を数値で合わせて表示を行いますが、紙プルーフと比較して、トーンなどを微調整しても、一部の色で見た目が合わないことや、モニタープルーフソフトウェアだけでは完全な色再現の維持が難しいという点があります。液晶ディスプレイにおいては、個体差や経年劣化などのため、定期的に個々のディスプレイ毎に現場での定期点検と色品質調整作業が必要です。
また、最近普及してきている他の新聞社紙面の受託印刷では、新聞毎に異なる印刷色基準の色見本を見るために、新聞社毎にシステムを導入する必要があり、コスト面において、導入における大きな課題となっています。

NECは、これらの課題を解決すべく、今回の「モニタープルーフシステム」を開発しました。NECは「モニタープルーフシステム」の拡販を通して、導入・運用コストの削減を図りながら業務効率化を推進するとともに、地球環境に配慮したシステムで、新聞業界の発展に貢献していきます。