2012年10月29日
日本電気株式会社
NECは、国立大学法人山梨大学(学長 前田秀一郎、以下「山梨大学」)の情報システム基盤を、クラウド環境へ移行しました。また、PC教室やフリースペースの端末をシンクライアントシステムにより刷新し、両システムが、本年9月から稼動開始しました。
山梨大学は、これまで甲府キャンパスと医学部キャンパスで別々に基幹サーバを設置・運用していました。このたび、これらのサーバを統合・仮想化しデータセンターへ移行、プライベートクラウド型で利用することで、サーバ台数を70%削減するとともに、24時間365日のサービス継続を実現しています。
また、学生・教職員ともに全学規模でメールシステムをパブリッククラウドサービスに移行し、運用コストの削減とサービスレベルの向上を実現しています。
あわせて、学内のPC教室およびフリースペースの端末をネットブート型シンクライアントシステムで刷新し、端末環境のセキュリティと運用性の向上を図ります。
これらをNECの認証技術を用いて統合し、約7000人の学生・教職員は、学内のサービスを1つのIDで利用することが可能になります。
山梨大学は、今回の情報システム基盤の刷新により、従来のシステムと比べ、構築・運用コストを約10%削減しています。
情報システム基盤刷新の概要は次のとおりです。
- 目的に応じてプライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて構築
- 情報システム基盤をデータセンターへ移行し、プライベートクラウド型で利用。仮想化によりサーバ台数を68台から21台へ削減するとともに、24時間365日のサービス継続や高いセキュリティを実現。なお、サーバの統合にはブレードサーバ「Express5800/SIGMABLADE」、ストレージには「iStorage」を採用。
- データセンターとキャンパス間は10ギガビットイーサの回線で冗長化を実施。また、キャンパス内基幹ネットワークスイッチには、ユーザ単位でネットワークの接続制限が可能となる認証スイッチを採用。これにより、強固かつ利用形態に合わせた柔軟なネットワークシステムを構築。
- 約7000人の学生・教職員が利用するメールシステムには、日本マイクロソフト株式会社のパブリッククラウドサービス「Microsoft Office 365 for Education」を採用。運用負荷・コストを削減しながらサービスレベルを向上。
- 情報処理教室システムにシンクライアントシステムを採用
- 情報処理教室のシステムには、ネットブート型(注1)の シンクライアントシステムを導入。シンクライアント端末としては、540台の一体型PC「Mate」を採用。
- OSやアプリケーションソフトはサーバで集中管理し、端末管理の負荷を軽減。また、端末内に個人データを保存しないことで、セキュリティを強化。さらに、ネットプリントサービスを導入するなど、利便性も向上。
- シンクライアントシステムは、リモートアクセスにより教室外からも利用可能とし、自習環境を拡充(注2)。
- NECの認証技術で各サービスをシングルサインオンで利用可能
- 煩雑であったID管理を、NECの統合認証ソフトSECUREMASTERとShibboleth技術を用いて統合(注3)。ユーザは1つのIDで学内外の各サービスをシングルサインオンで利用可能。
- 国立情報学研究所(NII)がサービスを提供するeduroam(注4)にも対応し、今後、他の大学や研究機関とのシステム接続や無線LAN接続を同じIDで実現できる環境を整備。
山梨大学は、2002年に旧山梨大学、旧山梨医科大学が統合され、新制山梨大学として発足したことを契機に、その後一部のシステムの統合による運用コストの削減に取り組んできました。このたび、これまでキャンパス毎に別々に運用していたシステムを可能な限り集約し、データセンターへ移行、パブリッククラウドサービスを組み合わせてICT環境を構築することで、システム運用コストの削減と、本業である教育サービスのさらなる向上が期待されます。
NECは、今回の構築実績をもとに、大学向けのクラウドサービスの提案を強化し、拡販につなげていきます。
山梨大学の情報システム基盤のイメージ図は
別紙をご参照ください。
【別紙】 山梨大学の情報システム基盤のイメージ図
以上
(注4) eduroam(エデュローム)
所属機関のアカウントを利用して大学間で無線LANの相互利用を可能とする、国際無線LANローミング基盤
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