サイト内の現在位置

社会福祉法人道形保育会
ちわら菜の花こども園様

園内への入退管理に顔認証システムを活用
子どもの安全と保護者・職員の負担軽減を両立

業種:
  • 文教・科学
  • サービス業
業務:
  • 経営企画
  • ICT管理・運用
  • その他業務
ソリューション・サービス:
  • 生体認証/顔認証

事例の概要

課題背景

  • 保育の安全・安心を確保するには、園内に部外者を入らせないセキュアな入退管理の仕組みが必要
  • ICカードによる入退管理は常にカードを携行しなければならず、紛失のリスクもある
  • 十分な安全性と、入退室時、運用時の手間の軽減を両立できる仕組みを求めていた

成果

保護者や職員に負担をかけず安全を確保

事前に顔情報を登録しておくことでICカードや鍵を持つことなく認証できるため、保護者や職員の負担が少なく、部外者の立ち入りも制限できる

速く正確な認証が可能

カメラに顔を向けるだけで瞬時に判定・認証。認証エラーも少なく、子どもの送迎のピーク時も出入口でスムーズに入室できる

保育事務の効率化を実現

顔認証の履歴を基に、誰が・いつ訪れたかを容易に把握。延長保育の利用状況を把握するための送迎記録の台帳管理が不要に。

導入ソリューション

zoom拡大する
ちわら菜の花こども園が導入した「インターホン付き顔認証ドア入退システム」

瞬時に間違いなく認証できる顔認証の精度と、人物登録時、ログ確認時などの管理者の扱いやすさが評価された

本事例に関するお問い合わせはこちらから

事例の詳細

導入前の背景や課題

ちわら菜の花こども園
園長
菅原 光輝 氏

現場に負担をかけず、部外者の立ち入りを防げる仕組みが必要

2020年4月に開園した「ちわら菜の花こども園」は、山形県鶴岡市の社会福祉法人道形保育会が運営する幼保連携型の認定こども園です。

豊かな自然に囲まれた広い敷地を持つ同園を訪れてまず目を引くのが、園庭にブランコや鉄棒などの遊具がないことです。「子どもには無限の可能性があります。自然の中で動植物と触れあい、自分で遊びを見つけることで、創造性を養ってほしい。外に出ると、子どもたちは虫探しに夢中です。安全第一で、のびのびとした保育教育が当園のモットーです」と同園の園長 菅原光輝氏は語ります。

鶴岡市茅原町は、かねて保育園設置に関する住民の期待が高い地域でした。同園は、共働きや核家族化による保育ニーズに応えるという地域の期待を背負っています。

そんな同園の開園に伴い、課題となったのが園内への入退管理でした。

保育の安全を確保するには、部外者の立ち入りを厳格に管理することが不可欠です。そのための方法として、現在の保育園では保護者にICカードを支給し、それを機器にかざして入口を解錠する仕組みが普及しています。しかし、この仕組みの場合、「ICカードを常に持ち歩かなければならない」「ICカードを持たない祖父母がお迎えにきた場合にどうするか」などが課題になりがちです。運用上お迎えを断るわけにもいかないため、解錠するかどうかを立ち会う職員の判断に委ねるなど、入退管理が形骸化しているケースも少なくありません。

「大切なお子様を預かるため、安全性は極力高めなければなりませんが、一方で訪れる保護者や職員に負担をかける仕組みでは運用は難しい。両方を満たす入退管理の仕組みを求めていました」と菅原氏は話します。

選択のポイント

ちわら菜の花こども園
看護師
佐藤 綾佳 氏

高い精度と、顔を向けるだけで瞬時に認証するスピードを評価

そんな中、道形保育会のITシステムやOA機器の導入・保守を担う鶴岡電子計算センターから提案を受けたのが、「NEC 顔認証アプライアンスサーバ」を中核とした顔認証ドア入退システムでした。

これは顔認証システムを組み込んだサーバ、出入口に設置するカメラ付きインターホン、そのカメラの映像を映し出す管理用PCなどが一体型システムとして提供されるものです。

事前に顔情報を登録しておけば、カメラに映った顔の映像を基に高精度な本人認証が可能です。認証されると自動でロックが解錠され、入室可能になります。未登録者が映った場合は、職員がインターホン越しに対応するかたちです。

「導入に当たり重視したのは、認証の精度とスピードです。登録してあるのに認証されない、あるいは認証に時間がかかると送迎のピーク時に行列ができてしまいます。保護者に迷惑がかかれば、『顔認証は止めてほしい』という話になるでしょう。それは避けたいと考えました」(菅原氏)

そこで同園は、正式稼働に向けた2020年6月にデモを実施。職員全員で繰り返し認証テストを行いましたが、認証されないケースは発生しませんでした。「認証にかかる時間も想像以上に速く、カメラをのぞき込むように意識をしなくても一瞬で結果が表示されました。NECの顔認証技術は世界トップクラス(※1)と聞いていましたが、その精度を実感しました」と菅原氏は評価します。

運用しやすさもポイントになりました。同園で顔情報の登録・管理を担当する佐藤綾佳氏は次のように述べます。

「どんなに便利な仕組みでも、運用に専門技術が求められるようでは活用のハードルが上がってしまいます。その点、NECの仕組みでは、システムのカメラで撮影して名前を入力するだけで顔情報を登録できます。登録した情報は即座に反映され、使い始めることができます。私自身、ITに詳しいわけではありませんが、これなら問題なく運用できると感じました」

こうして同園は顔認証という先進の技術を用いたシステムの導入に手応えを感じていきました。

NEC 顔認証アプライアンスサーバ
管理用パソコン。保護者の登録も簡単に行える。
顔認証の様子。インターホンのカメラを使って認証を行う。

導入後の成果

セキュアな入退管理で安全・安心を確保。業務効率化も実現

顔情報は個人情報に該当するため、システムへの登録には事前の許諾が必要です。同園は顔認証システムの導入に当たり、データ管理を徹底し、目的外利用はしないことなどを定めた利用規約を策定。保護者をはじめ送迎に訪れる人全員の許諾を得た上で、2020年7月、理事会での導入決定からわずか4カ月で稼働を開始しました。

顔認証による入退管理は保護者に非常に好評です。「安心して子どもを預けられるといった評価をいただいています」と菅原氏は述べます。

その安心感は職員も実感しています。部外者の不用意な入室を心配する必要がなくなったからです。「子どもの保護者や親族の方、全員の顔を覚えているわけではありませんが、園内にいるということは『認証を通った』ということ。過剰な警戒をする必要がなくなり、どなたとも安心して接することができています」と佐藤氏は話します。

さらに顔認証システムは、事務作業の効率化にも貢献しています。以前は、「延長保育」の利用状況を把握するため、お迎えに来た保護者にサインをもらって紙の台帳で管理していました。現在は、顔認証の履歴を確認すれば、誰が・いつ訪れたかすぐわかります。「台帳管理が不要になって職員の負担を軽減できたほか、保護者の手を煩わせることもなくなりました」と菅原氏はメリットを述べます。

NECの顔認証アプライアンスサーバを導入し、保護者や職員の負担を高めることなくセキュアな入退管理を実現したちわら菜の花こども園様。今後も同園は、安全・安心を確保した環境で地域の期待に応え、子どもの健やかな成長に寄り添っていく考えです。

  • 製品によりカメラ撮影した特定の個人を識別できる画像データは個人情報に該当します。
    プライバシーに配慮するとともに、個人情報保護法その他の法令及び識別、ガイドラインに沿ってご利用ください。

担当スタッフの声

株式会社鶴岡電子計算センター
代表取締役社長
鈴木 博安 氏

“地元の利”を活かし先進技術の活用を支援

ちわら菜の花こども園様はゼロ歳児も預かる幼保連携型のため、安全・安心をとても強く意識されています。保護者や職員の方に負担の少ない仕組みとして、インターホンのカメラを活用した「NEC 顔認証アプライアンスサーバ」をご提案しました。

NECの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)主催のベンチマークで世界No.1の評価を獲得※1しています。認識エラー率、経年変化に対する認証精度なども非常に高く、自信を持ってお勧めできました。

また、デモ環境や本システムの導入・設置はNECフィールディングの対応のおかげでスムーズに進みました。特段のチューニングの必要もなく、現在まで安定稼働できています。

常に身近でお客様に寄り添えることが、当社の一番の強みです。さらに、システムの運用や技術的課題についてはNECグループがサポートしてくれます。今後もこの二段構えの体制で、ちわら菜の花こども園様の活動を支援していきます。

なお、昨今のコロナ禍ではマスクの着用が必須です。カメラの前でマスクをずらせば問題なく認証できますが、マスクを着用していても顔認証ができる機能強化も可能と聞いています。今後はそうした新しい機能も積極的に検証しご提案することで、お客様の一層の安全・安心に貢献していきたいですね。

NECフィールディング株式会社
東北営業部
営業第一課
主任
黒沼 功

顔認証技術は、まだ大きな可能性を秘めています

今回は顔認証システムのデモを行い、そこで認証の早さや精度などのメリットを実感していただけたことが短期間での導入・稼働につながりました。

その際の設置作業では、地場でお客様のサポートに当たる鶴岡電子計算センターの知見が大いに役立ちました。カメラの設置位置や角度、照明の場所や照度など、実際の利用状況を想定したアドバイスのおかげで、よりリアルなデモを実施でき、お客様にもわかりやすく効果をお伝えすることができました。

なお、今回は部外者の出入りを制限し、園の安全を確保するセキュリティ対策の目的で本システムを導入いただきましたが、顔認証システムはほかにもさまざまな用途に活用されています。教育業界、サービス業界、金融業界、観光業界、ヘルスケア業界など、活用シーンは無数にあります。

今後も安全・安心の確保に加え、未来を見据えたビジネスを加速するソリューションの1つとして、幅広いお客様の取り組みをサポートできればと思います。

お客様プロフィール

社会福祉法人道形保育会 ちわら菜の花こども園

所在地 山形県鶴岡市茅原字西茅原129番地1
設立 2020年4月1日
職員数 28名
園児数 60名
事業内容 生後2カ月から就学前までのこどもを対象とする幼保連携型認定こども園。定員は75名。0~5歳児の各保育室、遊戯室、調理室、医務室、事務室、子育て支援室、病児保育室などを備える。広い敷地と周囲の自然環境を活かし、地域や動植物との触れ合いを大切にした創造性を育む保育教育をモットーとする。

社会福祉法人道形保育会 ちわら菜の花こども園様

この事例の製品・ソリューション


本事例に関するお問い合わせはこちらから

(2021年9月29日)

関連事例

Now Loading