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オリンパスグループ 様 - 導入事例
NECのOSSライセンス コンサルティングを活用されたオリンパスグループ様。 その成功事例をご紹介します。 |
業種 | 製造業 | 業務 | 精密機械器具の製造販売 |
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精密機械機器メーカー最大手のオリンパス株式会社(以下、オリンパス)様とそのグループ会社オリンパスソフトウェアテクノロジー株式会社(以下、O-Soft)様では、グループ全体でのソフトウェア開発量が急激に増大すると共にOSSを利用する機会も増えてきました。いまや、OSSを製品に利用することは、世の中の流れ的に当たり前になってきており、自社内でも自然発生的に利用が当たり前になってきました。
そこで、オープンソースソフトウェア(OSS)の適正な活用を推進するため、NECの 「OSSライセンス コンサルティング」を導入後、グローバルも含めたオリンパスグループ全体の仕組みを構築されています。
ご利用サービス |
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事例のポイント
課題
コンプライアンス違反の発生を防ぐことを目的とし、
- 意図的なOSS利用時の確実なライセンス対応
- 意図しないOSS混入防止
成果
小さくはじめて、少しずつ拡大した結果、グローバ ルも含めた子会社への展開に成功。
導入前の背景や課題
グループ内でヒヤリ・ハットが発生!ライセンス違反を起こすリスク
グループからソフトウェアベンダーに開発を依頼していたソフトウェアでOSSを利用していたことが判明し、出荷直前で発覚したため、対応を至急実施したというヒヤリ・ハットが発生しました。
機器に組み込まれるソフトウェアの増大に従って、ますます、OSSを活用し生産性向上を図る動きは必然とも言えます。
それに当たっては、OSSライセンス違反などを起こすリスクを認識し、リスク低減の仕組み作りの必要性を感 じました。
こうした状況を鑑み、今後コンプライアンス違反の発生を防ぐことを目的とし、
- 意図的なOSS利用時の確実なライセンス対応
- 意図しないOSS混入防止
が徹底できる仕組みを構築することになりました。
ソフトウェア戦略室では、この仕組みを以下のように段階的に展開し、グローバルも含めたオリンパスグループから頒布するソフトウェア全てに適用することを目指しました。
各展開時期での活動内容
NECグループ内での展開実績を高く評価し検討準備期に活用
検討準備期:最初、法務部門からの問題提起によりOSS検討委員会(研究開発部門、ソフトウェア開発部門、他)が発足しました。 そこで、OSSコード流用検出ツールBlack Duck Protexを導入し、全社標準を作成しましたが、なかなか展開が難しかったのです。
そこで、「小さくスタート」し「開発者の育成」する戦略をとりました。
■小さくスタートソフトウェア開発部門(O-Soft)をパイロット部門として、Protexの運用を開始しました。
そして、全社標準を作成し、O-Soft内の開発プロセスに組み込み、運用を開始しました。
■開発者の育成
NECのコンサルティングを導入し、OSSライセンスに対する教育(セミナー)、OSS利用ガイドラインを作成しました。
基盤構築期:パイロット運用が回りはじめたところで、次に、a)体制、b)プロセス、c)ツールの三つの要素で基盤を構築し、国内主要事業へ展開を開始したのです。
a) 体制
まず、体制づくりです。ツールを用意し、プロセスとして規程や帳票を用意しても、その活用を推進する体制がなければ浸透しません。物作りに注力したい現場の方に如何にOSSのコンプライアンスにも目を向けてもらうか苦労するところです。その第一歩として、以下のような「OSS委員会」と いう全社委員会を品質環境本部本部長を委員長に発足させました。
事務局のサポートはもちろん、法務・知財担当・標準化の部門のサポートのもと、各製品部門に「OSS管理責任者」を置いて、各製品の特性に合った管理を運用します。
各部門に「OSS管理責任者」を専任いただく際には、品質環境本部 本部長がOSS委員会委員長として、率先して推進していただいたのが効果があったようです。
なお、OSS委員会は、定期・不定期に監査を行っています。
b) プロセス
各製品部門のOSS管理責任者が自律的に管理運用できるように、OSS ライセンスのコンプライアンスの管理プロセスを全社標準に含めました。
その際、NECのコンサルティングを利用して、OSS活用ガイドラインを作成した上で、開発管理プロセスの改善提案を受け、オリンパスグループ独自の事情に合わせて全社規程に取り込みました。OSS活用ガイドラインは全社規程のリファレンスに位置づけました。
c) ツール
運用状況に合わせて、ツールの準備など環境整備を行いました。
- Protexライセンス拡張
パイロット部門から国内主要事業および海外パイロット部門へ拡張し、ツールProtexを各部門自身で使えるようにライセンスを拡大しました。
Protexの運用は、運用部門で一括スキャンを掛ける運用もあり得ますが、早め早めにOSSを検出し、後戻りのリスクを軽減するためには各開発現場で手軽に利用できる必要があります。 - OSSに関する情報を集約
また、ライセンスに限らず、利用事例やProtex申請方法など、OSSに関する情報を集約したナレッジサイト(OSS Knowledge、下図)を構築し、情報発信に努めました。
展開期: 広く展開するには、教育体系を揃えておく必要があります。NECのセミナーの内容は、推進者が正しい認識をして展開するために役立ちますが、広く開発者一般には敷居が高い面もあります。
そこで、開発者一般向けに「OSSとは?」から学ぶことのできるe-Learning「OSS基礎」を用意し、一般常識的なところからスキルアップをサポートしました。その他、立場の違いにより、経営者向けからパートナー向けまで、下記のような教育体系を構築しています。また、海外展開に合わせ、ナレッジサイト(OSS Knowledge)も含めて、英語版を作成し公開しています。
このようにして、グローバルも含めたオリンパスグループ全体への展開が実現できた次第です。
まとめ
小さくはじめて、少しずつ拡大
目的を共有する(相手の立場に合わせた説明)
リスクと言い過ぎるとOSSは使うな!となるので注意
開発部門だけではダメ
草の根とトップダウンの両輪で
自分たちで考えてもらう(強制的ではない)
服部様、小泉様、ありがとうございます。
NECでは、オリンパスグループ様のように「小さくはじめて、少しずつ拡大」するような「自分たちで考えてもらう(強制的ではない)」形でスキルアップを目指す方々をご支援するソリューションをご提供しております。是非、ご活用ください。
導入ソリューション
OSSライセンス・コンプライアンス コンサルティング・サービスを活用
NECのOSSライセンス・コンプライアンス コンサルティング・サービスでは、御社のコンプライアンス強化された組織作りをご支援します。
弊社が提供するサービスには、「特定製品の(OSSライセンス・コンプライアンス状況の)コンサル」する サービスもありますが、基本は、御社自身がコンプライアンスの強化された組織作りをご支援するサービスを提供しています。
そこには、形式的なコンプライアンスではなく、一人一人が「入手できるOSSは他人のもの」という認識も持って、OSSを利用することを目指していただきたい、という思いがあるからです。
また、「OSSは厳密に遵守しなければ訴訟になる」などと表現されることがありますが、OSSライセンスの権原となる著作権は、厳密な規定で運用可能な権利ではありません。常に他人の物という意識をもって、著作権者である開発者の意向を尊重して対応することが重要になります。
その点から言って、オリンパスグループ様の「自分たちで考えてもらう」アプローチは非常に納得のいく姿勢かと思います。実際には、上記では語り尽くせないご苦労もあったかと思いますが、成功に結び付けられました。
そのオリンパスグループ様の成功のお手伝いができたことを大変喜ばしく思います。
お客様プロフィール
オリンパス株式会社(Olympus Corporation)
所在地 | 〒163-0914 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス |
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設立 | 1919年(大正8年) 10月12日 |
資本金 | 124,520百万円 (2014年3月31日現在) |
従業員 | 30,702人(連結)・2,838人(単体) (2014年3月31日現在) |
事業内容 | 精密機械器具の製造販売 |
URL | https://www.olympus.co.jp/ |
オリンパスソフトウェアテクノロジー株式会社(略称 O-Soft)
所在地 | 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚一丁目50番1号 笹塚NAビル 6階 |
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設立 | 2006年7月 |
資本金 | 1億円 |
従業員 | 690名(2014年3月現在) |
事業内容 | オリンパスの医療事業・科学事業・映像事業における製品の 組込みソフト、アプリケーションソフトの開発 |
URL | https://www.olympus.co.jp/ |
関連リンク
(2014年10月1日)