いのちのまなざし~Look of Life~

女性優位の島 ~マヨット島~

(写真/文 小松 義夫)

マヨット島はモザンビーク海峡に浮かぶ小さな島だ。ここはフランスの海外県なので通貨はユーロ。ヨーロッパからはるか離れたアフリカの片隅なのにEUの一員だ。

島はイスラム教徒がほとんどだが、財産の相続権は女性という母系社会だ。通常イスラム教は父系なのだが、イスラム教が伝わる以前の習慣が残っているようだ。男たちは年頃になると自分で小屋を造り、飾りつけて女性の気を引く。母系社会では男はつらい。

マヨットは主に二つの島から成っている。大きい方の島は、長崎県五島列島の福江島を少し大きくした程度だ。島の中央、やや南よりに標高660mのベナラ山がちょこんととび出している。

島を歩くと、パンの木の実がいたるところに枝からぶら下がっている。大きさは違うが見た目がパンの木の実によく似たジャックフルーツも木の幹から直接なっている。

村では、ゲストハウスに泊まったが、日本人宿泊客は初めてということで、頑張って郷土料理をつくってくれた。そこでパンの木の実を心行くまで味わった。ホクホクして意外に美味しい。

レンタカーで島を回っていると、ひとりの女性がジャックフルーツを頭に載せて運んでいる。あまりに重そうなので彼女の村まで車で送ることにした。トランクに1個15kgはあるかと思われるジャックフルーツを3個ゴロリと入れて、彼女には助手席に座ってもらった。村に着いて彼女を降ろしたが、こんな重いものを持って、この距離を歩くつもりだったのかと感心した。ジャックフルーツは東南アジアなどで食べた人も多いと思う。割ると中に小さな実が一杯詰まっている。種の周りの果肉は歯ごたえがあって、爽やかで甘く美味しい。

島の中央、やや南に標高660mのベナラ山がある。平らな島のただ一つの目印
一番大きな町、マムズの市場にて。女性は働き者
白檀の木の粉を水でのばして顔に塗る
手に持つのはパンの木の実。ジャックフルーツに似ているがこちらの方が小ぶりだ。鍋の中はパンの木の実とタロ芋

(コンセンサス 2019年5月-6月号 掲載)