いのちのまなざし~Look of Life~

白い塩平原の絶景 ~インド~

(写真/文 小松 義夫)

インド北西部、グジャラート州はアラビア海に長い海岸線を持つ。インド独立の父マハトマ・ガンジーの生まれ故郷で、現首相のモディ氏もこの州の出身だ。彼は州の首相を3期務めた後、インドの18代首相になった。

カッチ地方は標高の低い湿地帯で、インダス川河口低地でパキスタンと国境を接する。ブージはこの地方の大きな町で、近郊には染物、刺繍や木工などの各種手工芸で知られる村々が散らばっている。ブージから約90kmのところにある通称ホワイトランは「世界の絶景」ブームの中、観光客の間で人気上昇中の場所だ。この広大な平地は、水が引いた乾期に塩が地表で結晶し、白砂漠のようになる。

ホワイトランの向こうはパキスタンのシンド州なので国境警備の検問所でパスポートの登録をして先に進む。以前は国境付近の神経質な地域なので入域できなかった。検問所からしばらく行くと平坦で真っ白な大地に出る。そこは日没前の少し赤い光が照らす白い平原と大きな空がつくる単純な世界だった。そこに立つと、自分が天と地の間にある小さな存在であることを心の底から思い知らされる。日常の雑事から解放された感覚が湧きあがってくるからだろうか、ここを訪れる者は、子ども、大人、老人も皆笑顔になる。

黙々と白い塩平原を行けるところまで歩く人、大きな声を空に放り投げるようにおしゃべりしながらスマホでお互いを撮りあう若い女性のグループ。塩平原の奥へ向かう人たちは荷台に乗りラクダに引かれてゆく。実に楽しそうだ。見ていてこちらも何だか嬉しくなってきた。

塩平原から帰ってきたラクダとこれから奥に行くラクダがすれ違う
荷台に乗って塩平原の奥に繰り出すが、みんな笑顔
無尽蔵な塩に感動したのか思わずボトルに塩を詰める
カッチ地方の町ブ-ジ近郊には染物、刺繍、木工などで知られる手工芸の村が多い

(コンセンサス 2018年3月-4月号 掲載)