いのちのまなざし~Look of Life~

コーヒー豆の収穫 ~コロンビア~

(写真/文 小松 義夫)

アンデス山脈山麓の町サレントは、首都ボゴタやメデジンなど大都会からの足は不便だが、世界中から人々を引き寄せている。山間の小さな町にはバルコニーが張り出したコロニアル様式の家が並ぶ。標高が1800mを少し超えるので空気は清涼だ。

町はずれの小さなレストランは太い竹を使った簡素なたたずまいだが、コックコートを着たシェフが心のこもった料理を出してくれる。そんな気軽で親しみやすい感じがサレントらしい。食後のコーヒーが非常においしかったので、道端に立てかけてあったコーヒー園見学の看板に誘われて、行ってみることにした。ゆったりとした下り坂を小一時間ほど歩くと見学者を受け入れるコーヒー園があった。コーヒー栽培は標高1300~1750mの山の斜面が適しているという。コロンビアは世界第3位の生産量で知られ、アラビカ種を育てているが、収穫はほとんど手摘みだ。また、有機栽培が主流で品質が良い。見学ツアーで一時間ほど説明を聞き、自分たちでも豆を摘んでみた。仕事で豆を摘む人は専門職として収穫した豆の重さで賃金を得ている。結構高給で自分の好きなコーヒー園で働くという。彼らは仕事に自信を持ち、幸せそうな顔をしていた。このような環境で育つコーヒー豆だからおいしいのだなと思う。

町に戻り、広場から乗り合いの車で標高2000mを超えるココラ渓谷に行った。見渡す限りの緑の中に50m以上に伸びたワックス椰子の木が印象的だ。到着した人たちは緑の景色に少々興奮気味に見える。ここからトレッキングなどに行くようだ。アンデスの風が気持ちよい。

彼が手で摘むコーヒー豆は熟したものばかり。ベテランの自信ある顔を見てください
二階に小さなバルコニーが張り出した可愛い家が並ぶサレントのメインストリート
竹を組んで造った簡素なレストランだがシェフは小さな台所でおいしい料理をつくる。食後のコーヒーが格別にうまかった
通りを見ながらベンチでくつろぐ人たち。サレントを歩くと劇場の中に居るよう。楽しくて、つい長居してしまいそうだ

(コンセンサス 2017年9月-10月号 掲載)