いのちのまなざし~Look of Life~

赤道直下の国 ~エクアドル~

(写真/文 小松 義夫)

エクアドルとはスペイン語で赤道のことで、それが赤道直下の国の名前になった。首都のキトーはアンデス山脈の中にあり、標高は約2800mだ。旧市街は古い建物が並ぶ歴史地区だが、新市街のマリスカル地区は打って変わって現代的だ。この地区の金曜日の夜は若者であふれ返る。まるで原宿のようなにぎわいだ。

首都から約1時間半バスに乗って、毎週木曜日に動物市などが開かれる町のサキシリに向かった。動物市にはブタ、牛、羊そしてリャマやアルパカが集まっていた。市に並ぶ織物はこの土地ならではのものだ。土地の人は服装や帽子で部族のアイデンティティーを表す。市場を見た後、スイス人の若者と一緒に車をチャーターして標高3910mのキロトア湖に行った。カルデラに水を溜めた湖水はエメラルドグリーンだ。キトー周辺には火山が多く、温泉も湧く。湖に着いて外輪山から見下ろした。若者は「こんな景色は見たことがない」と感激している。摩周湖や蔵王のお釜に似ているが、ここは標高が高くて空気が薄く息が切れる。湖面まで歩いて下ろうとしたが帰路の登りがきつそうなのであきらめた。

首都に戻り、近郊にある赤道記念碑を見に行った。40年前は記念碑の他、なんにもないところだったが、今は博物館などが併設され、周辺がテーマパークのようになっていた。その変化に浦島太郎になった気分だ。記念碑の上に置かれている地球儀は学校などに置いてある約23度傾いたものではなく、赤道が真上から地球を縦に一周しているものだ。赤道直下なのだ、とひと目でわかる。

赤道記念碑の地球の下は資料館になっていた
サキシリの町の木曜市。市場では原住のインディヘナの人たちに会える
キトー新市街、金曜の夜のマリスカル地区は若者たちが集まりにぎわう
サキシリの木曜市の動物の区画。アンデスなのでリャマやアルパカがいる

(コンセンサス 2016年7月-8月号 掲載)