日立グループの皆さまへ Monkey Pod Post
来るべきIoT/ビッグデータ時代を見すえたSDN次世代工場ネットワークのご紹介
製造業の工場ネットワークへSDN(Software-Defined Networking)を導入するケースが加速しています。なぜ製造工場にSDNの導入が進むのかを考えると、そこには製造工場特有の課題や事情が浮かび上がってきます。工場の生産ラインが「安定操業」を続けるために、そして将来へ向けた的確な生産基盤を確保するために、いま何が問われているのかを概観してみましょう。
まずSDNについて簡単にご説明します。SDNとは、ネットワークをソフトウェアで動的に制御すること、およびそのアーキテクチャ、という新しい概念です。個々のネットワーク機器が1台ずつで行ってきたネットワーク制御とデータ転送処理を分離し、汎用サーバ側のソフトウェアでデータ転送処理のみを行う機器を動的に制御することで、通信を柔軟に効率よく、安全に実現できることが特徴です。
次に、工場ネットワークでのSDNの活用について考えていきましょう。
新たな対応が迫られる製造工場でネットワーク課題が浮上
IoT/ビッグデータ活用に向けたインフラ整備が進む中、工場の生産設備の制御用ネットワークなどに古い端末やOSが稼働し続け、セキュリティへの危険性が高まっています。さらに、工場ネットワークが止まり操業停止になれば、数時間で数億円の損害が発生するといったケースも考えられます。
以下が、最近の製造業のお客様が抱える工場ネットワークに関する主な課題です。
製造工場が抱える主な課題
現状の課題
- ネットワークで古い端末やOSがそのまま使われており、サイバー攻撃などセキュリティが不安。
- ネットワークの設定変更やセキュリティ・機能強化を行う際、ネットワークを停止しなくてはいけない。
- ネットワークの拡張や増設に、多大な作業負荷がかかる。
- 人手不足で十分な管理ができず、一部、要員の「属人化」が進んでいる。
- オフィス系と制御系が混在し、システムが複雑化して運用コストや管理負荷が高い。
- ネットワーク全体が“見える化”されていないため、障害時の対応に時間がかかる。
- ネットワークの複雑化による接続ミスや、ループ障害などのリスクが増えている。
- ネットワークを止めての障害時の原因究明に手間取り、生産に大きく影響する。
近い将来の課題
- IoT/ビッグデータを活用するために、新たなシステムやネットワークを整備しなければならない。
- グローバルなネットワークと連携するために、オープンな規格を採用したい。
- 「IEC62443」への対応を考慮している。
これら工場ネットワークの課題を解決するのが、ネットワークをソフトウェアで動的に制御するSDNです。NECは、世界標準規格であるOpenFlowに対応した製品を、世界で初めて商品化しました。製造業をはじめとするさまざまな業種において、全世界ですでに600システム以上の稼働実績がありますが、SDNの特徴をいかし、工場ネットワークへの導入も増えています。
「止まらない」「管理しやすい」「つながる」工場をめざすNECのSDN
では、製造工場にSDNを導入することで実現する効果やメリットを、「止まらない」「管理しやすい」「つながる」工場という3つのキーワードから見ていきたいと思います。
- 工場ネットワークの「ゾーニング」によりセキュリティインシデントの拡大抑止とリスクの局所化を実現
- 単一の物理ネットワーク上に用途ごとに独立した複数の仮想ネットワークを構築してセキュリティを確保
- 工場ネットワークを止めずに、さまざまな設定変更が容易
- わかりやすいGUI管理画面のドラッグ&ドロップ操作で、誰でも簡単にネットワークの設計・設定が可能(新たな機器の追加が不要)
- ネットワーク全体の通信の可視化により、障害時の迅速な原因特定・復旧作業を支援
- IoT/ビッグデータ活用でセンサやカメラなどさまざまなデバイスをネットワークにつなげても、SDNコントローラの自動認識で機器や配線の追加が迅速で簡単(スケールアウトが容易)
- セキュリティシステムとの高度な連携を実現しウィルス感染やサイバー攻撃への対策などの自動化を推進
このように、SDNはネットワークの可視化や運用管理の効率化、セキュリティ強化といった、現在抱えている課題を解決できるだけでなく、近い将来的のIoT/ビッグデータへの対応に向けたシステムの拡張や変更を前提に、多種多様なシステムやデバイスとのシームレスな連携を可能にします。
NECでは、このSDN技術を活用し、IoT/ビッグデータ時代のつながる工場を実現してまいります。
拡大するNECのSDNが実現する次世代工場
既存のネットワークを活かしながら、SDNへの段階的な移行が容易
SDNは、部分的な導入からスタートして既存ネットワークとの共存が可能なため、スケールアウトがスムーズで容易に拡張できることも特徴です。つまり、既存の設備をそのまま活かしながら、必要な部分から段階的に導入していくことができるのです。また、従来の機能とSDN機能を兼ね備えたSDN Readyスイッチを導入しているため、最適なタイミングでネットワークの一部からSDN化し、徐々に範囲を拡げていくスケーラブルな導入・運用が容易です。
では、NECのSDNを導入した製造工場2社の事例をご紹介します。
導入事例1 :製造業 某A社様
生産ラインのレイアウトを変更する際、ネットワークの変更作業を自動化し、従来の作業負荷をほぼゼロにした事例です。また、これまで発生していたループ障害を解消し、工場ネットワークの耐障害性を高めています。
導入事例2 :製造業 某B社様
SDNを導入する際、ウィルス感染リスクが高いサポート切れの端末を分離・隔離し、セキュリティを強化した事例です。また、1台のSDNスイッチによりネットワークを分離することで、IPアドレスの変更作業を不要にしています。
SDNは、ネットワークを物理的に1つに統合し、業務や用途ごとに独立させた仮想ネットワーク(ゾーニング)の構築が自在です。また、標準APIを介してアプリケーションと連携し、より高度なセキュリティ対策を実現します。
工場ネットワークへSDNを導入すれば、障害や接続ミスで工場の操業を止めず、多種多様な端末に潜むセキュリティリスクを排除できます。また、トラフィック量に合わせたスケールアウトが容易で、全工場の見える化・集中管理を推進し、すばやく効率的な運用管理を実現します。
IoT/ビッグデータ時代を迎えようとしているいま、工場ネットワークが抱えるさまざまな課題を迅速に解決し、将来を見すえた「止まらない」「管理しやすい」「つながる」工場を実現します。日立グループ様が手がける製造現場の案件で、ぜひSDNの活用をご検討ください。
(2016年5月13日)
<~ 大神神社 ~>
第一製造業ソリューション事業部の奥谷 信彦(おくたに のぶひこ)です。
皆様、GWはいかがお過ごしでしたでしょうか?
先日、奈良県の大神神社に行ってきました。
初詣でをはじめとした我が家の参拝ごとは、いつもこの神社です。
テレビでも有名になった、日本屈指のパワースポット。最古の神社とされています。
神社に本殿はなく拝殿のみ。三輪山そのものがご神体として崇められています。
大鳥居、二之鳥居をくぐり、参道を歩き始めると、一気に神聖な空気へと変わります。
数百メートル程の参道を歩き、石階段を上るとそこが拝殿です。
平日に関わらず、まずまずの人が参拝されており、人気の神社であることが伺えます。
参拝をすませると、もうひとつ楽しみな場所があります。
万葉集にも詠われた大和三山(香久山、畝傍山、耳成山)を見渡せる高台が、子どもの頃からの私の大好きな場所となっています。
久しぶりに訪れたその場所からの景色は、昔も今も変わらず…、心がスッと楽になります。
短い時間でしたが、心が和む時間となりました。
ご意見・ご感想はこちら<info@htc.jp.nec.com>までお気軽にご連絡ください!