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株式会社ビルディング・ブックセンター様

 

KADOKAWAグループの物流企業が取り組む出荷検品業務の効率化と迅速化を、

高速・高精度な画像認識技術によって支援



業種 業務 製品

運輸・物流、サービス業

物流 デバイス・センサ



事例の概要

課題背景

  • 商品の検品精度を引き上げながら迅速な出荷を実現することが、経営上の課題だった
  • 物流の現場では人材の確保が難しくなっている中、品質の確保を目的とした人手が多くかかっていた

成果

「画像・重量検品ソリューション」を導入することで、人手による作業の大部分が不要となり、迅速な出荷が実現した。

出荷検品業務を迅速化

2人1組で行っていた検品業務が、正誤確認の自動化によって、1人で円滑に進められる体制に。 余剰となったスタッフ1名分のリソースは、他のラインや業務に振り分けることができるようになった。

人材リソースの有効活用を実現

導入ソリューション

インターネットショップの検品ラインで、「画像・重量検品ソリューション」を活用。書籍とキャラクターグッズを、一括して自動検品する

カメラが認識した商品画像、および重量計で計測した情報を、あらかじめ登録した商品情報と照合することで、商品の品目と数量を瞬時に特定。バーコードなどの識別情報による検品や、人手による目視確認を行わなくても、自動的に正誤の確認が可能。物流現場における出荷検品業務効率化と品質確保を同時に実現します。

ビルディング・ブックセンター様が検品・出荷業務を担っている商品の一例。インターネットショップ「キャラアニ.com」が販売するステッカー、彫金マグネット、ストラップ、タペストリーなどのキャラクターグッズ。

事例の詳細

導入前の背景や課題

スタッフの目視や読み合わせによる検品工程が、迅速な出荷を行う上での課題だった

株式会社ビルディング・ブックセンター
流通革新部門担当
取締役
加東 良和 氏

ビルディング・ブックセンター(以下:BBC)様はKADOKAWAグループの出版物などを取り扱う物流サービス会社です。同社の「SO(Store&One)センター」(埼玉県入間郡)では、出版物をはじめ、アニメやアイドルのキャラクターグッズを扱うネットショップ「キャラアニ.com」など、複数サイトの荷受・在庫管理・出荷業務を担っています。

KADOKAWAグループでは2020年をめどに、書籍生産と物流が一体となった未来型施設の建設を計画しており、SOセンターは、出版業界における革新的な物流プラットフォームを構築するための実証実験の場として位置づけられています。その一環として、「書籍とキャラクターグッズを同梱して一般消費者へ配送するしくみを構築し、実務の中で検証していく取り組みを進めています」と、流通革新部門担当 取締役 加東良和氏は話します。

現在、インターネット通販の業界では当日や翌日配送が実施されるなど、スピード競争が激化しています。同社においても、商品の検品精度を引き上げながら迅速な出荷を実現することが、経営上の課題となっていました。

SOセンターで取り扱うキャラクターグッズは、およそ1万5000アイテム。一日あたりの出荷件数は300~400件にのぼります。SOサービス課 課長 渋谷昌幸氏は、以前の業務プロセスを振り返ります。「お客様が購入される全商品のうち、およそ3分の1に特典物が付きますが、これらにはバーコードやJANコードが付けられていません。そこで、作業管理用に独自の商品コードを付箋紙で付与し、各商品をピッキングしていました。昼頃になると、ピッキングを終えたスタッフが検品のラインに移動します。そして2人1組のペアになり、誤出荷を防止するために、付箋紙のコード名と納品書が一致しているかを読み合わせによって確認していました。出荷件数がとくに多い日は、4~5組のペアで対応していました」。つまり同社は、出荷品質をひときわ重視しているからこそ、人財を確保することで、検品精度の向上などを目指してきたのです。

選択のポイント

画像と重量情報によって各商品を認識でき、立体物と書籍を一括で検品できる機能を評価

BBC様では2015年頃から、商品コードが付けられないキャラクターグッズの検品工程を効率化する方法を検討していました。「あるテレビ番組で、NECの画像認識技術が紹介されており、関心を持ったのでNECにコンタクトを取りました」(加東氏)。この技術が活用されているNECの画像・重量検品ソリューションは、あらかじめ登録しておいた商品ごとの情報と、検品ラインに設置したカメラがとらえた画像を照合し、併せて商品の重量情報も照合することで、複数商品を自動的に一括検品できる仕組みを持っています。

NECはBBC様向けに、立体物であるグッズと書籍を一括で検品するデモを実施。認識速度に優れ、現場業務が円滑に行えるレベルにあることなどを、実際に確認してもらいました。また、自動認識されにくい商品については、登録するマスタ画像の撮り方を工夫したり、より効率的な活用方法を提案することで対応し、認識率をさらに向上できることを説明しています。

「将来的には、20~30冊単位の書籍を一括で自動検品できるしくみの確立も視野に入れていますが、まずは商品コードがつけられないキャラクターグッズの検品工程省力化と精度の向上を目的に、導入を決定しました」と、加東氏は語ります。

導入後の成果

人手による作業の大部分が不要になる。数年後に計画する高度な物流プラットフォーム構築の、重要なステップにも

株式会社ビルディング・ブックセンター
SOセンター
SOサービス課 課長
渋谷 昌幸 氏

画像・重量検品ソリューションは2016年10月より、BBC様の検品ラインで計2台のユニットが稼働しています。これにより従来の2人1組での読み合わせなど、人手による作業の大部分が不要となり、現在では検品ユニット1台ごとにスタッフが1人付き、円滑に作業を進められる体制になっています。

渋谷氏は検品工程が改善された様子を次のように話します。「出荷件数などの条件が同じなら、2人体制の時よりも検品時間が短縮化しています。余剰となったスタッフ1名分のリソースは、他のラインや業務に振り分けることができるようになりました。また、画像・重量検品ソリューションが出荷品質を担保する役割を果たしてくれることから、スタッフにかかっていた負荷がいっそう軽減されています。今後はソリューション導入によって短縮できた時間などをより正確に計測し、生産性向上の効果を定量的に評価する考えです」。

加東氏は、経営的観点からの導入成果を次のように説明します。 「現状の認識率は80%程度ですが、どうしても自動認識されないグッズは、画像表示による目視サポート機能を活用することで、効率化を図っています。人手に頼っていた検品工程を、システムとして運用できる基盤として整備したことは、3~4年後に埼玉県所沢市で実施する未来型施設の建設に向けた、重要なステップになったと認識しています。引き続きNECからの協力を得ながら、今後3年間でより高精度を目指していく考えです」。

渋谷氏は、画像・重量検品“+α”による物流業務全般の効率化も視野に入れています。「今回整備した各商品の画像マスターデータを、ピッキングの工程や梱包にも活用することも検討してみたいと思っています。物流工程で得られた商品別データの傾向などをグループで共有することで、いろいろな可能性が生まれると見ています」。

KADOKAWAグループの物流サービス企業として、書籍生産と物流を一体化した高度なプラットフォーム構築を目指す、BBC様の意欲的な取り組み――。NECは、検品プロセスの課題解決をはじめとした、次世代のロジスティクスを支えるIoTで、BBC様の競争力強化と、全国の書店&一般消費者へ向けた新たな価値創出を、お手伝いしていきます。

NEC担当者の声

「造る・運ぶ・売る」のバリューチェーン全体を連携させ、IoTによる新たな価値創出をお手伝いしていきます

NEC
交通・物流ソリューション事業部
バリュークリエイション部
梅田 陽介
NEC
システムデバイス事業部
エキスパート
小南 友宏

産業界は今、「IoTの時代」と言われており、生産・物流の現場では、生産性向上やコストダウンを目的としたセンサーの活用が重要になっています。この考え方を具現化した商品のひとつが、「画像・重量検品ソリューション」です。物流の現場では現在、人財の確保が難しくなっており、一方では、品質と速度がますます求められています。このソリューションは、人手で行っていた工程をシステムで瞬時に代行することで、お客様の物流現場に大きく貢献できると考えています。

BBC様では、書籍とキャラクターグッズを一体的に検品・配送する効率的な業務フローの確立など、従来の物流を大胆に革新することを志向されています。NECからは、より効率化を図るための技術支援を、継続して行っていきます。立体物の検品ラインで得た知見やノウハウは、今後の製品開発や機能強化に活かし、新しい提案にもつなげていく考えです。

NECは、「造る・運ぶ・売る」のバリューチェーン全体を連携させ、IoTによる新たな価値創出をお手伝いしています。たとえばBBC様が、物流工程で得られた商品別データの傾向などをグループ内で幅広く活用していく構想に対しては、当社が保有するIoT・AI技術により、荷量の予測や人員の配置計画など、ロジスティクス全体の最適化を図るための提案をしていきたいと考えています。

お客様プロフィール

株式会社ビルディング・ブックセンター

本社所在地 埼玉県入間郡三芳町竹間沢315番地1
設立 1974年10月
代表取締役 田村 修一
売上高 42億円(2015年度)
従業員数 210名(2016年7月現在)
事業内容
  • ・倉庫・保管業、荷受、梱包業
  • ・出版物の荷受、在庫管理、出荷業務
  • ・書籍の改装、再生の請負業務
  • ・一般貨物自動車運送業
  • ・製本及び、通信販売業務の受託
  • ・不動産の賃貸管理及びコンサルタント業務
URL http://www.bbc-kadokawa.co.jp

この事例の製品・ソリューション

(2017年3月24日)