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2020年度、通期決算、2025中期経営計画、および2021年度業績予想

1. 2020年度(21年3月期)通期決算

2020年度通期決算、2025中期経営計画、および2021年度業績予想についてご説明させていただきます。まずは前中期経営計画の最終年度に当たる2020年度の実績です。

はじめに通期実績の概要です。

売上収益は、3%の減収になりました。
新型コロナの影響を予算に織り込んでいない中で、期初見込みでは日本のGDP変動見合いで5~6%のマイナス影響の可能性があると見込みましたが、5G基地局出荷の本格化、リモートワーク商材・GIGAスクール特需の拡大といったNew Normal需要を獲得することで、新型コロナによるマイナス影響を抑制しました。

調整後営業利益は1782億円となり、2020中期経営計画の目標値である1,650億円を過達しました。

前年度との比較では、ネットワークサービスとグローバルが改善、不採算案件の抑制も寄与しました。

また、市況悪化の影響に対しては、費用節減やコーポレートでの特別対策を実行することでカバーし、急激な環境変化に迅速に対応しました。

調整後当期利益は、調整後営業利益の改善に加えて、税金費用の減少により、マクロ環境が悪化する中で2期連続で過去最高益を更新することができました。

なお、本日の取締役会において、2020年度の期末配当を当初予想の1株あたり40円から50円に変更し、年間80円から90円への増配を決定しました。

主要指標はこちらにお示ししているとおりであり、2020中期計画目標を営業利益、利益率、当期利益、フリーキャッシュフローで達成しました。

特にフリーキャッシュフローは、計画外であるAvaloq社の買収を実行する中で、当初の計画を達成しました。後程、詳細をご説明いたします。

調整後営業利益の19年度からの増減要因の詳細をお示ししています。

ここにお示ししているとおり、「2019年度」と「2020年度」の要因に分けることができます。2020年度の「市況悪化とその対策」の詳細について、次のスライドでご説明いたします。

2020年度 年間の新型コロナウイルスを起因とする市況悪化の影響と対応施策を四半期単位でお示ししています。

市況悪化の影響は営業損益で年間420億円となり、前回の決算発表時にお示しした500億円の想定から縮小しました。

費用節減は前回想定通りの170億円、New Normal需要の獲得は前回想定よりも30億円積み上げでき120億円の改善効果、不動産などの資産売却は330億円となりました。

したがってネットでは新型コロナの影響に対して200億円の改善とすることができました。

四半期ごとの営業損益の推移です。
New Normal需要はGIGAスクール特需を含むビジネスの獲得により、第4四半期ではネットで80億円のプラスとなり、オペレーションベースで新型コロナの悪化影響を打ち返しました。

ご覧の通り新型コロナの影響は上期がピークで、下期は縮小しました。新型コロナの影響に関してはもう少しウォッチしていく必要があると感じています。

四半期毎の受注動向をセグメント別にお示ししています。

年間では全社で2%の増加となりました。

セグメント別では、社会基盤はGIGAスクール特需が寄与、ネットワークサービスは5G基地局の出荷が本格化したことにより、それぞれ前年度比で大きく増加しました。

一方、市況悪化の影響を最も受けた社会公共とエンタープライズですが、上期は前年度割れとなったものの、社会公共は4Qに、エンタ―プライズは3Qにそれぞれ前年度比で増加に転じ、改善基調にあります。

グローバルの下期はディスプレイ事業の非連結化により前年度比で減少となりました。

フリー・キャッシュ・フローの状況です。

営業キャッシュ・フローは、税金などの支払い増によるマイナス影響がありましたが、調整後営業利益が324億円改善したこと、運転収支が360億円改善したことにより、前年比で130億円の収入増となりました。

一方、投資キャッシュ・フローは、Avaloq社の買収に伴う1,980億円の支出があったものの、データセンター向け投資の減少などで135億円、事業ポートフォリオの見直しにより140億円、固定資産の売却で350億円、政策保有株式の売却により970億円、それぞれ改善し、前年比で385億円の支出増に留めることができました。

これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、1,524億円の収入となり、2020年度予算および中期計画を達成しました。

なお、青字でお示ししている一過性の特殊要因を除いたベースで見ると、フリー・キャッシュ・フローは前年度から266億円の改善となっています。

政策保有株式縮減の状況をまとめています。

当社は昨年4月に政策保有株式の保有を原則ゼロとすることを定め、縮減活動を進めてきました。

その結果、21年3月末時点で単独ベースの保有簿価は1054億円となり、20年3月末からの時価変動を考慮すると総額で963億円を売却し、当初の想定である年間500億円から大きな進捗となりました。

また保有銘柄数では1年前の108銘柄から63銘柄となり、42%の減少となりました。

CCC(キャッシュ・コンバージェンス・サイクル)改革の取り組みについてです。

2020中期経営計画 初年度の2018年度から「CCC圧縮による成長資金の創出」「資本効率を意識した経営の高度化」を目的に改革に取り組んできました。

その結果、この3月末にはCCC日数が60日となり、20年3月末比で6日の短縮、過去2年間では12日の短縮を達成しました。

引き続き成長資金の創出と資本効率の向上のため、CCC改善活動を継続していきます。

バランスシートの状況をお示ししています。

これまでご説明してきたCCC改善活動や政策保有株式の売却、保有資産の最適化によりキャッシュを創出した結果、ネット有利子負債残高を大幅に減少させることができました。

また、オペレーション改善や第三者割当の実施により自己資本残高が1.3兆円まで増加し、期末の自己資本比率は35.7%となりました。

また、ネットD/Eレシオも0.14倍まで改善しました。

ここまでが2020年度実績のご説明となります。

2. 2025中期経営計画

続いて2025中期経営計画についてご説明いたします。

先ず、Purpose経営についてです。

Orchestrating a brighter world

「NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します」

これが、2013年に我々の方向性として定めたNECのPurposeです。
今回の中期経営計画の基本にこれを置いております。

我々が考えるPurpose経営は、このPurposeの実現に向けて戦略、文化としっかり結び付け、一体的な取り組みをしていく事です。

そのためには、NECはテクノロジーを最大活用し、世界に一歩先んじて我々が目指す「未来像」を提示していく、それによって「未来の共感」を創っていく事が必要だと考えています。

社会・お客様・パートナー・社員、NECに関わる皆さんの「未来像」を実現していきたいと考えています。

2025年中期経営計画の先に描く社会像を、NEC 2030VISIONとしてまとめました。

各部門の代表者、役員が作成に参加し、未来の「生活者」を思い、ありたい環境、社会、暮らしの姿を具体化し、この社会実装についての活動を始めています。

未来の人々の営みのベースとなる「環境」については、「地球と共生して未来を守る」を実現するための、グリーン社会、脱炭素社会の実現、地球温暖化対策の実施、水・食の安全の実現をNECは事業を通じて貢献していきたいと考えています。

社会について、
①個人と社会が調和した街

②有事にも『とまらない社会』の産業・仕事を支え、レジリエントな社会を作る

③「時空間と世代を超えた共感」を
通信とサイバー空間によって実現していくことに貢献していきます。

暮らしについては、「人に寄り添い心躍る暮らし」の実現に向け、ヘルスケアやライフサイエンスで、技術を駆使し、人々のWell-beingな暮らしを支えます。

また、デジタルの力を使い、自由で開かれた学びの機会を提供していきたいと考えています。

NEC 2030VISIONで具現化した未来の実現に向けて、Purpose、戦略、文化一体で取り組む。これが今回の中計の原点、我々のPurpose経営であります。

これからは、具体的に2025年に向かってどういった経営目標を置いているか、どう実現していくかをご説明していきます。

まず、2020中計の振り返りです。
「収益構造の改革」、「成長の実現」、「実行力の改革」この3本柱が2020中計の骨子でした。

費用構造、事業ポートフォリオを見直して収益構造の改革を進め、継続的成長投資ができる最低レベルの営業利益率目標 5%を過達することができました。

また、グローバル成長と国内事業のさらなる収益性向上を目指すための布石を打つことができたと考えています。

中期経営目標についてです。
Purpose経営を進めるための、戦略・文化それぞれで、目標とする指標を掲げました。

戦略については、テクノロジーを強みに、グローバル成長と、国内事業のトランスフォーメーションを加速する。
また、事業戦略と一体化した財務戦略をたて、「長期利益の最大化」を目途とし、短期利益は最適化を図ります。
本中期経営計画の目標指標としては、IT企業にとって最も重要なキャッシュフロー創出力を示すEBITDAの成長率で、年平均9%達成します。


文化の強さは、戦略を実行しPurposeを実現する人の強さと考えています。
NECグループの共通の価値観であり、行動の原点である『NEC Way』の下に、多様な人材が集い、イノベーションを追究する会社になるため、Employer of choice-選ばれる会社へ向けてエンゲージメントスコア 50%を目標にします。

次に計数目標です。

最終年の2025年度の売上収益は3.5兆円、調整後営業利益 3,000億円、調整後営業利益率でいうと8.6%になります。
EBITDAは4,500億円で12.9%を計画します。

続いて、事業戦略です。

このページは事業戦略の素となる『NECの成長モデル』です。

中央の濃いブルーのボックスがNECの強みの源泉です。その強みを活かした事業の成長を左と右に表しています。

NECの強みは、効率の良いR&Dと、日本で長年にわたり、社会のインフラ、ネットワークの基盤を支えてきたクオリティの高い実装力と考えています。
この強みを価値に転換するため、自社の強い技術を共通基盤として整備するとともに、M&A等により適宜外部補完することで、グローバルと日本で高い収益とキャッシュ創出力を実現します。

左側は、日本を含むグローバルにおいて、フォーカスして伸ばしていく事業領域です。
デジタルガバメント/デジタルファイナンスとグローバル5Gの大きく2つです。

右側は国内IT事業のトランスフォーメーションです。
コンサル領域から実装力までを一体化した強み、優位性のある技術の共通基盤化、等を含めこれを『コアDX』と位置付け、成長実現のためのキードライバーとします。

これによって、社会や企業変革のDXを支援するとともに、国内の既存のIT事業についても競合を上回る高い収益性を実現していきたいと考えています。

成長事業は、デジタルガバメント/デジタルファイナンス、グローバル5G、コアDX、そして次の柱となる成長事業が該当します。
それ以外の事業をベース事業と区分しています。

成長事業は、競争優位の獲得・強化のため、優先的に資源配分を進め、増収増益をけん引し、ベース事業は、慎重な事業環境の前提を置いた上で、収益性の改善に軸足を置きます。

EBITDA成長へ向けての構成です。

ベース事業は、2020年度の水準から確実な増加を狙い、その上で、成長事業のDG/DF、グローバル5G、コアDXで大きく調整後営業利益を伸ばし、2025年度EBITDA4,500億円を実現したいと考えています。

次に、成長事業についてご説明していきます。まずは、成長事業の一つ目、デジタルガバメント/デジタルファイナンス事業です。

これまで買収を実行した欧州3社とNECの既存アセットの融合と最適化、安定化を進めるとともに、事業シナジーの本格追及と新たな成長領域の創出により、更なる事業の拡大を目指します。

DG/DF市場でグローバルでトップクラスの Vertical SaaS ベンダをめざし、売上収益3,000億円、調整後営業利益率12%、うち、中核となる欧州3社のEBITDAマージンは、現在の17%から、2025年度では20%を計画してます。

2番目、グローバル5Gです。

現在、開発、グローバル体制の強化を急ピッチで進めていますが、それをベースに2022年度までをフェーズ1と位置付け、NTT・楽天協業による世界初の商用実績をベースに、圧倒的なTCO性能と差異化技術で、海外市場でのOpen-RANのリーディングベンダポジションを獲得します。

また、2025年度までをフェーズ2として、アプリケーション領域を含むE2Eのケーパビリティをさらに強化することにより、軸足をSW・サービス事業にシフトし、より大きく、高利益事業に育てていきたいと考えています。

M&Aについては、今後も中長期で成長を目指す領域に絞って継続をしていくという考え方です。良い機会だと思いますので、過去の大型M&Aの成果について総括させていただきます。

2010年度以前の大型M&A、アビームコンサルティングは、2005年に約300億円で買収、20%近いIRRが出ております。ネットクラッカーは、2008年に430百万ドルで買収し、現時点で約10%のIRRが出ております。

直近の大型M&Aは、まだIRRで評価するには投資後の期間が短いため、EBITDAマージンという視点で説明します。

NPSは買収後、順調に業績を伸ばしています。KMDは事業構成見直しの影響がありますが、横ばい圏を維持しています。
今後、直近の買収のAvaloqも合わせて油断することなく、しっかりとしたガバナンスを継続するとともに、カルチャーの共有を進め、Purposeの実現につなげていきたいと考えています。

今後も、IRRなど適切な評価・モニタリングを継続し、適宜ご説明を実施していきたいと考えております。

国内IT事業・社会インフラ事業についてです。この領域では、コアDXへの投資を加速し整備を進めることで、更なる変革を進めて参ります。

マネジメントとしては、営業利益率でグループ分けし、低収益事業は個別の改善計画をたてフォローし、中・高収益事業は、業界トップの収益性をベンチマークとして実現を図ります。

この図は、国内IT事業のトランスフォーメーション全体像です。

これまでのOne to One、いわゆる業種・顧客ごとに個別最適になっていたところを、DXによって可能になった全体最適に持っていくトランスフォーメーションを実現していく事で、営業利益率を8%→13%に改善していきます。

そのために、NECの強みである技術力を共通基盤化した上で、外部活用もふくめて、お客様にとっての価値がよりわかる形で提供できる仕組みをつくります。

具体的には、
①コンサルから、これまでの強みでもあるデリバリまでの一貫した形をつくり、お客様視点での価値提供型アプローチを強化します。

②強みであるNECの差異化技術を含むICT共通基盤とオファリングの標準化をすすめ、リピータブルな活用を実践し、コスト競争力を向上させます。

③お客様毎のニーズにあったハイブリッドなIT環境を提供することです。

コアDXの1つ目のポイントは、コンサルからデリバリーまで一貫したアプローチによって提供価値の拡大を行うことです。

アビームの国内5,000人規模のコンサル集団の強みを、NECのもつ強いデリバリ力と繋げ、コンサルとDX人材を強化し、お客様のLoB(Line of business)、CxOへのアプロ―チ力を強化し、社会、企業のDXを強力に支援していきます。

2つ目のポイントは、ICT共通基盤の技術の拡充・整備とオファリングの標準化による売上総利益改善と価格競争力強化です。

社会や企業のDXに有効なNECの技術をプラットフォーム化し、リピータブルに活用できるようにすることで原価低減を実現していきます。また、提供ソリューションの標準化をすすめ、価値提供型のプライシングの選択肢も組み合わせることで、価格競争力を向上させます。

3つ目のポイントは、クラウド、DC、オンプレを最適に組み合わせるハイブリッドIT環境の実現です。

AWS、マイクロソフトなどのハイパースケーラーとのグローバル戦略協業と、高セキュアなNECクラウドのマルチクラウドを用意することによって、お客様毎のニーズにあわせた最適なIT環境を実現します。
これによって、さまざまなセキュリティレベルと、広域でのサービスが必要となるデジタルガバメントにも適切な対応ができると考えています。

4つ目は、こういった強さを活かした社会そのもののDX変革のリードです。

デジタル庁創設に伴う国内の行政DX化、スーパーシティ建設、インフラ協調型モビリティなど社会変革を後押しするフラッグシッププロジェクトを、NEC自身が政策連動をし、実装力を生かしてリードしていきたいと考えています。

ベース事業のもう一つの中核、NECのもう一つの強みである社会インフラ事業についてです。

この分野は、社会公共・宇宙・防衛・ネットワーク領域での、長期のお客様とのリレーションの中で得た深いドメインナレッジと、継続的に安全・安心を実現してきた実績が強みです。

過酷な環境にも耐える高機能と、絶対的な信頼性技術と運用、これを維持する継続的な投資と技術の継承をしっかりと続けます。

さらに、本中計では、その中でうまれた、ネットワーク、セキュリティ、ロボティクスの世界レベルの技術を、グローバル、国内の市場へ向けて応用展開する活動を強化します。

ベース事業の収益性改善のマネジメントについて説明します。営業利益率のハードルレートでグループ分けし、対応方針を明確にしました。それに沿って個別の事業計画をたてています。

高・中収益事業については、対象となるベンチマーク企業を具体的に設定し、それを上回る利益率の獲得を実現します。

低収益事業については、個別のターンアラウンド計画を策定し、この改善計画を担う担当役員をアサインしました。今後は、計画進捗のモニタリングをしっかり行い、重点領域へのリソースアロケーション、または計画未達の場合のExitを実施します。

これにより2025年度末までに、改善計画の成果刈り取りと、事業ポートフォリオ見直しを完了し、収益の目標水準を達成します。

本中計では、この中計期間に果実を確実に得るDG/DF、グローバル5G、コアDXに加え、この中計期間を越える将来にむけた『次の成長の柱となる事業』の創造への取り組みも行います。

ベースとするのは、量子暗号やレーザー通信などの防衛技術や、個人情報保護型のデータ分析など現在の主流技術を破壊しうるNECがもつディスラプティブな技術で、これを、海外を含む先端顧客、研究機関との協業と、dotDataやAI創薬などで培ってきた新事業開発のノウハウ・手法を使って、事業化をすすめます。

対象とする領域はもちろん、NEC 2030VISIONでお示しした環境、社会、暮らしの実現に資する領域です。

2つ具体的な取り組みを説明します。
1つめは、ヘルスケア・ライフサイエンス事業です。
「あなたらしく生きる」を実現するために、AIなどの技術を活用した先進的な個別化治療・統合的病院サービス、ライフサポートなどの領域で、NECの貢献を推進していきます。現在取り組んでいる、AI創薬、内視鏡画像解析、健康状態の可視化によるライフサポートなどで構成されます。

2つめは、「地球と共生して未来を守る」グリーン事業です。
脱炭素社会へ向け、NECは現在、エネルギーマネジメントの効率化・最適化を実現するリソースアグリゲーション事業の事業化に取り組んでいます。
この領域では、脱炭素経営ソリューションの商品開発、サーキュラーエコノミー分野の事業化の探索をふくめ、CO2削減の経済効果の90兆円の潜在市場にむけ、貢献領域を広げてまいります。

次に、事業戦略と一体化した『財務戦略』について、ご説明します。

前中計の三年間、財務改革を強力に進めてきました。本中計では、持続的に創出するキャッシュ・フローをサステナブルな成長原資とし、中期的視点で適切なキャピタル・アロケーションを実行していきます。

また、強固な財務基盤および非財務基盤を構築することにより、企業価値をさらに向上させたいと考えています。

そのために、『資本効率重視の経営への転換』と『投資原資を確保するためのキャピタル・アロケーション』を実行し、強固な財務および非財務基盤の維持・強化によって、サステナブルな成長を維持し、好機を逃さず事業変化への対応力を上げたいと考えています。

『利益のサイクル』と、この中計期間のキャピタルアロケーションの考え方です。
マーケットの期待に応える事業成長を実現する原資を確保するとともに、財務健全性の維持・向上の両立が目的です。

営業キャッシュフローで1.3兆円を創出、投資キャッシュフローと財務キャッシュフローでは政策保有株の原則ゼロ化の推進・継続、保有資産の最適化を進め、レバレッジは健全性維持を堅持します。

配当については中期の平均配当性向を30%程度とすることで、『安定成長を支えるベース事業への投資』に加え、資本効率を意識した『成長事業への投資』を積極的に実行できる態勢をとり、それによって企業価値向上をしっかり実現します。

NECは、成長戦略と経営基盤変革を通じて、キャッシュ創出力を持続的に高め、25年度には持続的に調整後営業利益 3,000億円を創出できる事業構造を目指します。

この収益構造の実現を加速するため、競争環境や需要環境を勘案して、戦略的費用を積極的に投じる判断をしました。

21年度は、前年対比で320億円の費用負担増および125億円の設備投資増、あわせて445億円を投じます。
この結果、全社の21年度研究開発費は、20年度の1,100億円から1,300億円へと増加します。

22年度からは、効果が費用増を吸収できることを想定しています。また、21年度についても継続的に費用対効果をモニターし、戦略的費用の内容やプライオリティの見直しをしていきます。

この取り組みを通じて、25年度には20年度比成長事業ではNETで1,200億円の調整後営業利益の上乗せ、経営基盤強化で同じくNETで200億円の利益改善につなげます。

サステナブルな成長をささえる非財務基盤についても、

  • E:
    気候変動
  • S:
    セキュリティ、AIと人権、ダイバーシティ
  • G:
    コーポレートガバナンス、サプライチェーン、コンプライアンス

それぞれの観点でKPIを設定し、取り組みを行います。

次は、文化への取り組みにつきご説明します。

Purposeの実現には、高いモチベーションをもつ社員の存在が必須です。Employer of Choice-選ばれる会社への変革を目指します。

前中計期間での改善トレンドをさらに加速し、2025年度エンゲージメントスコア50%達成を目標とし、これによりグローバルTierOne入りが実現すると考えています。

そのために
「人・カルチャーの変革」
「ビジネスインフラの整備」
「顧客との未来の共感創り」
の3つに取り組んでまいります。

「人・カルチャーの変革」は、イノベーションの源泉であるダイバーシティの加速と、働き方改革をその柱とします。

具体的には、女性や外国人社員をふくむ多様な人材の積極的な登用と計画的な育成をすすめ、ダイバーシティを加速させます。変革加速のために目標値を設定しました。

加えて、従来の作業空間としてのオフィスから、NECデジタルワークプレイスの更なる高度化により、ロケーションフリーで生産性を向上し、オフィスはコミュニケーションハブの機能と、イノベーションを生む共創空間のハイブリッドへ変容させます。

働き方・マインドセット改革を推し進め、エンゲージメントスコアの向上を目指します。

次に「ビジネスインフラの整備」です。
これまで各部門で推進し、成果をあげてきましたが、コーポレートトランスフォーメーションとしての改革を徹底実行するため、今回、CEO直下に業務プロセス改革、財務制度改革、全社ITシステムに全体の責任をもつTransformation Officeを新設します。そしてここが中核としてプロセス・制度およびITシステムの三位一体改革をおこないます。

ITシステムについてはNECグループ基幹システムのクラウドシフト、ITと一体でのプロセス・制度の再設計、それにもとづくデータドリブン経営の移行に取り組みます。

市場のリーダーとして、将来ビジョンを社会や顧客に向けて積極的に発信していくことで、顧客との未来の共感をつくっていくことがNECの責務であると考えています。
それにより新たな価値創造に貢献していきます。

発信活動の中核となる総研機能を強化するとともに、社外の知見を集めたアドバイザリーボードを新設し、NECは社会変革を推進していきます。

最後にまとめです。

Purposeの実現に、戦略、文化を一体化して取り組むことで、2025中期経営計画を推進・実現してまいります。

3. 2021年度(22年3月期)業績予想

続いて21年度の業績予想についてご説明いたします。

売上収益は、5Gの拡大とAvaloq社の寄与により増加するものの、前年度のGIGAスクール特需の反動やディスプレイ事業の非連結化により、前年度並みの3兆円を計画しています。

調整後営業利益は1,550億円を計画しており、中期経営計画でご説明した長期利益の最大化に向けた戦略的費用の積極投入を織り込んでいます。

次のページで20年度からの増減要因をご説明します。

フリーキャッシュフローは1,300億円の収入を計画しており、こちらも後ほど詳しくご説明します。

なお、配当につきましては中間50円、期末50円で、前年度比で10円の増配となる年間100円を計画しております。

調整後営業利益の20年度からの増減要因をお示ししています。

20年度に計上したコーポレートの特別対策で330億円、GIGAスクール特需を含む社会基盤などでの大型案件の減少で120億円、これらが21年度の減益要因となります。
一方で、5GやAvaloq社の寄与、ディスプレイ事業の非連結化、エネルギー事業や日本航空電子工業の改善により538億円の増益を見込んでいます。

これらにより、21年度の調整後営業利益は1,870億円のレベルとすることができると見ています。

先ほど2025中期経営計画でご説明したとおり、今年度は中計期間における種まきフェーズと位置づけ、長期利益を最大化するための戦略的費用を320億円 前年度比で増加することを計画し、年間で調整後営業利益は1,550億円の予想です。

2025中期経営計画でご説明しました戦略的費用320億円の増加分の内訳と期待効果を再掲しております。

セグメント別の売上収益と調整後営業損益、戦略的費用の内訳をお示していますのでご確認いただければと思います。

3つの成長事業における中計初年度の施策をお示ししています。

デジタルガバメント/デジタルファイナンスですが、まずは買収した3社のシナジー創出の加速です。

トップラインではAPACを含め事業を拡大し、コスト面ではオフショア活用により収益性の改善を図ります。

加えて、これまでも実施してきました小規模ボルトオン買収を継続することで事業を強化していきます

グローバル5Gは、国内で引き続きシェア拡大を図ります。海外では、複数の商用案件を獲得するとともに、生産・販売体制を増強します。
また、100億円を超える戦略的費用を追加投入することにより基地局やコア、運用管理ソフトの開発を強化します。

コアDXについては、ABeam連携によるリソース活用と案件の獲得を増やします。

行政のデジタル化を実現するため、戦略提言、戦略推進を加速します。

また主に民需向けを念頭に、AWSやAzureといったハイパースケーラーとの連携を強化することで、オファリングメニューを拡充します。

フリー・キャッシュ・フローの計画です。

営業キャッシュ・フローは、調整後営業利益の減少により232億円の減、加えてCCC活動は改善幅が前年の6日から2日に縮小することにより、320億円減少し前年度から549億円減となる2,200億円の収入を計画しています。

一方、投資キャッシュ・フローは、中計実現への設備投資等による195億円の増、前年度の特殊要因の影響も織り込んで、前年比で325億円の改善となる900億円の支出を計画しています。

これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、1,300億円の収入を計画しています。

2020年度の実績、2025中計、その1年目となる2021年度予想についてのご説明は、以上となります。