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経営戦略
(2025年6月19日現在)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
NECグループは、NECグループが共通で持つ価値観であり、行動の原点としてNEC Wayを規定しています。
NEC Wayは、企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、NECグループの一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」で構成されています。
「Purpose(存在意義)」は、Orchestrating a brighter worldをもとに、豊かな人間社会に貢献する姿を示した宣言です。

NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる
持続可能な社会の実現を目指します。
「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動のもととなる原則であり、次の3つの心構えを示しています。
創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」
常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重
あくなきイノベーションの追求
「Code of Values(行動基準)」は、NECグループの一人ひとりが体現すべき日常的な考え方や行動の在り方を示した行動基準です。
視線は外向き、未来を見通すように
思考はシンプル、戦略を示せるように
心は情熱的、自らやり遂げるように
行動はスピード、チャンスを逃さぬように
組織はオープン、全員が成長できるように
「Code of Conduct(行動規範)」は、NECグループの一人ひとりに求められるインテグリティ(高い倫理観と誠実さ)についての具体的な指針であり、次の章から構成されています。
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基本姿勢
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人権尊重
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環境保全
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誠実な事業活動
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会社財産・情報の管理
コンプライアンスに関する疑問・懸念相談、報告
NECグループは、「Purpose」を全うするため、「Principles」に基づき、中期経営計画をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかっていきます。
また、NECグループの一人ひとりが、「Code of Values」に基づき、自らの働き方や組織の在り方を常に見直し、改善するとともに、高い倫理観と誠実さを持ったよき企業人として「Code of Conduct」を遵守していきます。
社会や顧客が期待する価値は常に変化し続けていることから、NECグループがこれからも社会から必要とされる存在であり続けるためには、何が価値となるのかを常に考え、新たな価値を創造していく必要があります。NECグループは、情報通信技術とさまざまな知見・アイデアを融合することで、世界の国々や地域の人々と協奏しながら、明るく希望に満ちた暮らしと社会を実現して未来に繋げていきます。
(2) 目標とする経営指標
NECグループは、企業価値の最大化に向けて、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げています。Purposeの具現化に向けて、戦略ではEBITDA成長率(*1)、文化ではエンゲージメントスコアを、特に中核指標と位置づけています。加えて、売上収益、調整後営業利益(*2)、Non-GAAP営業利益(*3)、Non-GAAP当期利益(*4)、EBITDA(*5)およびROIC(*6)を経営上の目標として掲げています。
- *1EBITDA成長率:2020年度から2025年度までの期間におけるEBITDAの年平均の成長率を意味します。
- *2調整後営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)を控除した利益指標です。
- *3Non-GAAP営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)ならびに構造改革関連費用、減損損失、株式報酬その他の一過性損益を控除した本源的な事業の業績を測る利益指標です。
- *4Non-GAAP当期利益:親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益を指し、親会社の所有者に帰属する当期利益から税引前当期利益に係る調整項目およびこれらに係る税金相当・非支配持分相当を控除した、親会社の所有者に帰属する本源的な事業の業績を測る利益指標です。
- *5EBITDA:売上総利益-販売管理費+減価償却費・償却費
- *6ROIC:(調整前営業利益-みなし法人税)÷(期末有利子負債+期末純資産<非支配持分含む>)
(3) 経営環境
当連結会計年度の経済環境は、国内外で積極的なIT投資意欲がみられ、従来型ITインフラからのクラウドシフト、生成AIを活用した社会全体のデジタル化が進展しています。経済安全保障や環境問題をはじめとした社会課題が複雑化する中で、持続可能な社会の実現に向けた企業の貢献が求められており、テクノロジーの役割がさらに増大しています。
(4) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
国内ITサービス事業では、BluStellarを中核事業として位置づけ、価格の適正化やAI・コンサルティング・セキュリティ系の高収益な製品・サービスへのシフトを加速し、さらなる収益性の向上を目指します。さらに、コンサルティングと先進テクノロジーの活用における強みを掛け合わせることにより、価値の提供基盤を強化していきます。
また、DX需要が本格化する全国の自治体およびSME(中堅・中小企業)向けビジネスを強化することなどを目的として、2025年3月25日にNECネッツエスアイ(株)を完全子会社化しました。今後、当社、NECネッツエスアイ(株)およびNECネクサソリューションズ(株)の3社による事業再編を行い、現在の事業領域に加え、全国の自治体およびSMEに対して、IT・ネットワークを統合したDXソリューションをコンサルティングからSI(システム・インテグレーション)、工事、保守まで一貫して提供可能な事業体制を構築することで、お客様により付加価値の高いサービスの展開を実現するとともに、事業効率化による利益最大化および競争力強化をはかります。
成長事業と位置づけている海外ITサービス事業では、デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンスを中心に、統括機能を欧州に移転することなどにより、収益基盤の強化に加え、成長戦略やシナジー強化の取り組みを加速させていきます。これに加えて、オフショア活用の拡大、ソフトウェア開発におけるAI活用などの収益性の改善施策を通じて、国内と同レベルの利益水準を目指します。
当社は、「Employer of Choice - 選ばれる会社」を目指し、人とカルチャーの変革にも取り組んでいます。「2025中期経営計画」の最終年度である2025年度は、エンゲージメントスコア50%という目標達成に向けて、エンゲージメントスコアと相関の高い重点項目である「全社方針・戦略の浸透」および「評価・報酬・登用・キャリア」に注力していきます。また、ジョブ型人材マネジメントの浸透により、多種多様な人材がそれぞれの能力と意欲を最大限に発揮し、より活躍できるポジションに登用していきます。さらに、株式報酬制度の導入・拡充を今後進めていくなど、必要な人材に選ばれるための市場競争力の高い報酬体系を構築していくことにより、優秀な人材を獲得し、NECグループの将来を担う若手層を強化・育成します。