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【現場レポート】日本と東南アジアを結べ! 新海底ケーブル「SJC」の秘密に迫る
2012年12月26日
- 三輪OCC社では、3つの鉄片を組み合わせる「三分割鉄個片(さんぶんかつてつこへん)」という独自の技術で、鉄管の中に光ファイバを巻きつけ入れていきます。ふつう、海底ケーブルを作るときに、テープ状の鉄の上に光ファイバをのせて、鉄をぐるっと管状に丸めて溶接するんですね。でも鉄を溶接するときに光ファイバに熱が伝わるため、大事な光ファイバが変質する可能性があります。しかし三分割鉄個片では、合わせると輪になる3つの鉄の弧(こ)で光ファイバをおおいます。すると溶接せずに海底ケーブルができあがるので、光ファイバが変質する可能性がないんですね。
- 三田すごく細かいところにまで気を遣っているんですね。でも、何千キロもある海底ケーブルの鉄管を、ぴったりかさなるように作っていくのはすごい技術ですよね?
- 三輪それがOCC社が世界に誇る技術なんですよ。せっかくなので製造現場もちょっとだけ見ていきますか。
- 三田ぜひ見せてください!
海底ケーブルに外装用の鉄線を巻きつけている様子
- 三輪先ほど三分割鉄個片の中に光ファイバを入れる話をしました。三分割鉄個片でできた鉄管はさらに鉄と銅を巻いて、ポリエチレンでコーティングして仕上げるんです。その海底ケーブルを投錨(とうびょう)や漁師さんの底引き網などから守るため、ここでは外装用の鉄線を巻きつけているんですよ。
- 三田大きい機械が高速でまわっていて、音がけっこう大きいですね。
- 三輪そうなんです。機械の真ん中に細い海底ケーブルを通し、機械がその周りを高速回転して鉄線を巻きつけるんです。原始的なんですけど、この方法が一番効率がいいんですよ。ちなみに、この工場は港に隣接しているので、こうやって作られた海底ケーブルは、そのままローラーで船まで運ばれていくんですよ。
敷設船までローラーで運ばれる海底ケーブル(写真左寄りに見える白いケーブルが海底ケーブルです)
- 三田あ、ホントだ。できあがったケーブルがローラーの上を転がって運ばれていきますね。
- 三輪このローラーの先は、海底ケーブルを敷くための専用の船のケーブルタンクにつながっています。さっそく行ってみましょう。
- 三田わあ、ここが海底ケーブルを敷くための専用の船「海底ケーブル敷設船」の中なんですね。工場から引っ張られてきた海底ケーブルが収められていく大きなタンクがありますが、これがケーブルタンクというわけですね?
海底ケーブルを収めている巨大なケーブルタンク
- 三輪はい。このケーブルタンクの高さが約8メートル、直径は15メートルくらいです。バスケットボールのコートぐらいの広さといったところでしょうか。今回のSJCプロジェクトでは、このタンクが船に2つあって、ひとつのタンクに約2500キロメートルの海底ケーブルを積み込みます。ということは合計約5000キロメートルになりますね。ちなみに、ひとつのタンクに積み込むのに、職人さんが24時間交代制で行って、約3週間かかるんですよ。
- 三田3週間ですか! 途方もない長さなのがわかりますね。失礼ながら少し地味な作業に見えますが、たわみがないように巻いていくのはきっと難しいんでしょうね。
- 三輪タンクの底でケーブルを巻いてる職人さんは皆熟練の方ばかりです。わたしが聞いたところでは、新人さんは難しいから積み込みに参加させてもらえないということです。
- 三田タンクで海底ケーブルを巻く作業も、長年の経験が必要というわけですね!
- 三輪こうやって作られ、積み込んだ海底ケーブルですが、今度は陸上の通信施設につなぐ「陸揚げ」をすることになります。わたしは来週向かいますが、三田さんは…?
- 三田もちろん見に行きます!
- 三輪そうくると思いました(笑)
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