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海底ケーブルの秘密に迫る! ~世界の海に沈んでいる知られざる“光の道”【前編】
2012年3月15日
- コガ以前は衛星中継がほとんどでした。ですが、たくさんのデータを遅延が少ない速さで通信できる光ファイバが使われるようになってからは、ほとんどが海底ケーブルにかわってきています。今、国際通信の99%以上は、海底ケーブルで行われていると言われているんですよ。
- 三田99%以上ですか。海外とのデータ通信は、海底ケーブルがほぼ独占しているわけですね。そうなるとわたしたちには想像できないくらい膨大なデータが行き来することになりますよね。
- コガはい。確かに膨大なデータが行き来していますね。でも、海底ケーブルは、光ファイバの光通信なので、大量のデータを一瞬でやりとりできるのです。ちょうど衛星中継のお話が出たので、わかりやすいので比べてみましょう。
- 三田ぜひお願いします。
- コガ大体地球は1周4万キロあると言われています。例えば日本からアメリカまでむすんだとしても9千キロです。それに比べて静止衛星軌道上に打ち上げられた通信衛星までの距離は地表から3万6千キロにあります。行って帰ってくるだけで約7万2千キロの距離がかかるんです。そうすると、海底をケーブルでむすぶのと、衛星でむすぶのと、どっちが短い距離ですみますか?
- 三田海底ケーブルです。
- コガその通り。また、衛星中継でのデータ通信は、雨や台風などの天候によって影響を受けますが、海の底にある海底ケーブルに天候は関係ありません。つまり、海底ケーブルは、衛星中継に比べて、距離が短くて、天候に左右されないという2つの大きなメリットがあるわけです。
- 三田“遅延時間が少ない、より安定性と信頼性の高い通信インフラ”、ということになりますね。
- コガそうなんです。そして何より違うのは、通信できるデータの量です。最新の海底ケーブルに使われている光ファイバは、1本で1秒間に3,840ギガビットのデータ通信ができるようになっています。DVD(4.7ギガバイト=37.6ギガビット)でいうと、102枚分以上のデータが1秒で届くわけですね。ところが衛星中継だと1枚すら送れません。海底ケーブルは通信衛星と比べても1,000倍以上の通信容量を持っています。
- 三田そんなに違うんですか!
- コガはい。ですから、衛星中継に比べると、海底ケーブルの方が圧倒的に速いんですよ。
- 三田いやー、恐れ入りました。海底ケーブルってすごいんですね。でもちょっと待ってください。日本人の全人口だけでも1億2千万人いるわけですよね。世界中だと70億人です。何となく、『1秒間にDVD 102枚』では、足りない気がするんですが…。
- コガ実際にはもっと大量のデータをやりとりできるんですよ。
- 三田どういうことですか?
- コガまず、1秒間に3,480ギガビットのデータを送れると言ったのは、光ファイバ1本の話です。1本の海底ケーブルには、この光ファイバが最大8対まで入っているんですよ。つまり、1本の海底ケーブルの中には、データが行き来する車線がいくつもあるため、たくさんのデータを一度に送れるというわけです。で、そんな海底ケーブルが太平洋を横断する日米間だけでも数本もあるんです。
- 三田なるほど。東京とアメリカをむすぶ多車線の高速道路がいくつもある、というイメージでしょうか?
- コガそんな感じです。しかも、技術の進歩により光ファイバが送れるデータ量は日進月歩で多くなっているんです。
- 三田具体的にはどれくらいになりますか?
- コガ最新の海底ケーブルでは、1秒間に最大64テラビットのデータを送ることができるものもあります。
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