HCI環境のデータ保護とシステム継続性における課題とその解決策とは?

導入・運用の視点から迫る「HCIの今、HCIの進化」インタビュー特集記事

安定性が求められる基幹システムには、データ保護やシステム継続性といった高信頼性が求められる。それは、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(HCI=Hyper Converged Infrastructure)でも例外ではない。NECはこの要求に対して、豊富な実績をベースにした2つのソリューションを用意。高信頼なHCI構築の実現を支援する。

NECのノウハウを活かした確実・高速・安心なバックアップソリューション

運用管理やコストの削減への期待から、基幹システムなどを構築するプライベートクラウドの基盤にHCIが採用されるケースが増えてきている。同時に、「データ保護」と「システム継続性」という高信頼性が、HCIにより求められるようになった。NECはこうした市場の要求に対し、サーバ仮想化分野においての長年の取り組みによる豊富な導入実績や、培った仮想化技術をもとに最適なソリューションを用意し、顧客の安心を強力にサポートしている。

NEC プラットフォームソリューション事業部 ITプラットフォーム販売推進G
主任 山本 雅洋

「データ保護」に対してのNECの提案は、「バックアップ」をすることで万一のケースでのデータ消失を防止することだ。ソリューションのポイントは①「バックアップ専用ストレージの使用」②「永久増分の仕組みによる高速バックアップ」③「設計の見える化」の3点となる。①ではNEC製品「iStorage HS」を、HCIの外部にネットワーク接続したバックアップ専用ストレージとして使用。同ストレージは国内外で5000台以上の採用実績を誇り、そのノウハウを活かした信頼性の高いバックアップシステムの構築を実現する。

②はiStorage HSと、ベリタステクノロジーズ社製のバックアップ用ソフト「NetBackup」を組み合わせることで、仮想マシンの変更ブロックのみのバックアップを永久的に繰り返す、低負荷な「永久増分バックアップ」の高速処理を可能とした。同ストレージは、重複排除機能を持つストレージとしても先駆的な機器。NetBackupは、NECが四半世紀以上に渡ってOEM協業関係を続けてきたバックアップ用ソフトであり、iStorage HSとの連携性も高い。③は長年の提案ノウハウを盛り込んだサイジングツールを使用し、バックアップの要件から導き出した最適な構成設計を自動で見える化。それを元に顧客に安心感を与える情報を提供する。

バックアップに関して他のHCIベンダーが提案するソリューションは、HCI自体の機能を使って差分バックアップを取る「スナップショット」や、ミラーリングでデータを複製する「レプリケーション」をHCIのストレージ領域内で行うことで実現する場合がある。しかし、これではマスタ自体の破損や、HCIの管理領域や管理ソフトが破損した場合にデータを復旧できないケースが発生するため、ミッションクリティカル性が求められるビジネスの現場においては万全のバックアップ手法とは言い難い。

NECプラットフォームソリューション事業部ITプラットフォーム販売推進G主任の山本雅洋は「確かにHCIは『シンプルであることが重要』というコンセプトの製品です。それでも被災などへの備えを真剣に考えると、従来通り専用のバックアップシステムにすべきであることをお客さまは気づき始めています」と強調する。想定外の事態をゼロに近づけるためには、やはり外出しのバックアップシステムを検討すべきだろう。

専用LANによるバックアップイメージ

障害検知後も業務を止めないためのクラスター構成とは

「データ保護」と並んで耐障害性の高いシステムとするためのポイント「システム継続性」では、「可用性」、つまり「システムが継続して稼働できる能力」を高めることが重要となる。HCIの可用性を高めるためには、例えばVMware社のVMware vSphereの標準機能であるvSphere HA機能など、HCI自体に標準装備されたHA(High Availability=高可用)機能に頼る方法がある。しかし、ハードウェア障害には対応できても仮想マシン上のソフトウェア障害には対応できないケースが多く、結果としてシステムが停止して業務を続けることができなくなってしまう。

業務をフェールオーバーするCLUSTERPROイメージ

NECではこのためのソリューションとして、自社のHAクラスタリングソフト「CLUSTERPRO」を用意している。CLUSTERPROとVMware vSANの機能を併用したクラスター構成をとるのは、仮想マシンのなかから業務継続に必要な監視を行い、ハードウェア・ソフトウェアの障害検出時に正常に動作している仮想マシンに運用を移行させることで、業務継続を可能にするからだ。CLUSTERPROは、高可用クラスターソフトでのシェア約36%で、18年連続でトップを占めている。2018年の売上は約80億円で、2位以下の他社製品の2倍以上の額となる*。

  • *出典:
    IDC Japan、2019年6月 「国内コンピューティング/ネットワークインフラストラクチャソフトウェア市場シェア、2018 年:好調なOS ベンダー」 (JPJ44004119)

より堅牢なHCIを構築するために

NECはCLUSTERPROを用いたNEC Hyper Converged System(NEC HCS)上での高可用性構成において、「外部ディスク利用共有型」「ミラーディスク構成」「VMDK共有型構成」「vSAN iSCSI共有型構成」を検証済みである。なかでも「vSAN iSCSI共有型構成」は、vSAN 6.7の新機能であるvSAN iSCSI target機能を利用し、容量効率とVMwareの仮想化機能(スナップショットやVADPなど)を両立可能とする構成である。NECは実績のある信頼性の高い構成だけでなく、VMwareの最新機能を取り入れ、顧客により高い価値を提供できる構成を増やし続けている。

山本は「『HCIで高信頼なシステムを実現するには、HCI独自の技術を使う必要があるのでは?』といった印象を持たれるかもしれませんが、NECは『データ保護』『システム継続性』のために、従来のサーバ仮想化で実績のある技術を適用することで、最大限に堅牢なHCIを構築できるのです」と強調する。