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NECの「クラウド型充電インフラ」を活用し
EV・PHV・PHEV充電器の全国的なネットワークを構築。
充電サービスと課金の統一的な仕組みを確立する。
業種 | 製造業 | 業務 | 設計・開発・製造 |
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製品 | 電気自動車用普通充電器 | ソリューション・サービス | SaaS,スマートエネルギー |
ライバル関係にある日本の自動車メーカー4社が力を合わせて電動車両(EV・PHV・PHEV)の充電インフラ拡張を目指す──。その前例のない試みにチャレンジしているのが、日本充電サービス様です。全国の充電器をネットワーク化し、充電サービスと課金の統一的な仕組みを実現するために日本充電サービス様が採用したのが、NECの「クラウド型充電インフラ」でした。新しい社会インフラとして期待されている充電器の全国的なネットワーク。その構築が、今まさに進んでいます。
日本の自動車メーカー4社(トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車工業)と日本政策投資銀行の計5社の出資によって合同会社日本充電サービスが設立されたのは、昨年(2014年)5月のことでした(のちに東京電力、中部電力も出資)。普段はライバル関係にあるメーカー同士が手を携えたこの画期的な枠組みが成立した背景を、同社企画部部長の田中喜之氏は次のように説明します。
「電動車両(EV・PHV・PHEV)の普及には充電インフラの拡充が不可欠と言われ続けてきました。しかし、設置費用やランニングコストが設置者の負担となることもあって、なかなか充電器の設置が広がっていかないのが現状でした。国の大規模な補助金制度が導入されている環境下、自動車メーカーも力を合わせて自ら充電インフラを拡充していこうと設立したのが日本充電サービスというわけです」
充電器はこれまで、自治体が運営する施設、商業施設、飲食店などに設置されてきましたが、その中には充電サービスを無料で提供する設置者が少なくありませんでした。充電器の数を増やしていくには、設置者の自己負担をできるかぎり軽減し、充電器を継続的に運用していけるモデルが必要になります。
「現在(2014年度時点)、充電器設置費用の3分の2は国から補助される仕組みになっています。そこで、残りの3分の1に加えて、8年分のランニングコストをネットワークに加盟してくださった設置者に弊社から提供する。それが、私たちが考えたモデルでした」
このモデルを運用するためには、充電サービスの有償化が必須となります。その仕組みを提供したのが、充電器のネットワーク会社であるジャパンチャージネットワークとNECでした。
NECが開発したクラウドの仕組みを活用し、ジャパンチャージネットワークがEV・PHV・PHEV利用者に独自の充電サービスを提供する──。充電課金システムの実証実験を共同で繰り返す過程で、ジャパンチャージネットワークとNECはそのような関係をこれまで築いてきました。ジャパンチャージネットワークという充電ネットワーク会社が提供するトータルな充電サービスをNECのソリューションや技術力が支えるというそのフォーメーションは、日本充電システム様が始めようとしていた新しい取り組みのイメージに非常に近いものでした。
NECがジャパンチャージネットワークとの共同作業の中で確立したその仕組みを活用すれば、迅速に、かつ低コストで充電器のネットワークを構築することができる。それが、日本充電サービス様がジャパンチャージネットワークの充電サービスとNECのシステムを採用した大きな理由でした。
「カード認証や課金の仕組みだけではなく、データ管理や充電器の稼働状況の把握などを含むトータルなソリューションを実用化していたのがNECでした。もちろん、実証実験の積み重ねによる安定感も非常に重要な要素でした」(田中氏)
このシステムが実現する統一的な課金の仕組みによって、充電インフラ拡充のモデルを運用することが可能になります。一方、ユーザーにとっては、各自動車メーカーや日本充電サービス様が発行するカードを1枚保有していれば、ネットワーク化された全国各地の充電器が使えるようになるという大きなメリットがあります。
「充電器のネットワークが拡大していけば、それは事実上、一つの社会インフラとなります。その社会インフラを停止させることなく確実に運用していく責任が私たちにはあります」(田中氏)
その「責任」を確実に支えるシステムとして、日本充電サービス様が選ばれたのがNECのソリューションでした。
充電器ネットワークを支える「クラウド型充電インフラ」
現在、充電インフラのネットワークは期待通り安定的に稼働しており、新しい取り組みではあるものの、大きなトラブルも発生していません。
「全国どこででも使える充電サービスを提供しながら、収益性を確立する。その第一歩を踏み出すことができたと考えています」(田中氏)
現在、日本充電サービス様は、急速充電器4000台、普通充電器8000台のネットワーク構築を目指しています。充電器のネットワークを広げ、「電欠」の不安なくEV・PHV・PHEVに乗れる環境を実現すること。それが、日本充電サービス様が掲げるビジョンです。
一方、「充電サービスの内容をさらに充実させていきたい」と高木氏は語ります。
「カード認証と課金という基本的な充電の仕組みの確立が第一段階だとすれば、利便性をより向上させるのが次の段階であると考えています。ビッグデータの活用やエネルギーマネジメントの仕組みなど、NECがすでにもっている技術を活用しながら、きめ細やかなユーザーサポート、充電器の混雑情報のリアルタイムでの発信、新規充電器の設置場所のプランニングなど、新しい展開を積極的にご提案してきたいと考えています」(高木氏)
競合会社を含むさまざまな民間企業のコラボレーションによって実現したこの枠組みによって、日本の充電インフラ拡張へ向けた流れは大きく変わった──。そう田中氏は胸を張ります。EV・PHV・PHEVの一層の普及と、その先の低炭素社会の実現に向けて、日本充電サービス様の取り組みはこれからも続いていきます。
ジャパンチャージネットワークの高木様のコメントにあるように、現在のシステムはまだ第一段階にあると考えています。今後、日本充電サービス様のセンターに集約される情報をもとにして、EV・PHV・PHEVユーザーがさらに安心して自動車に乗れる環境、充電器設置者が負担なく充電器を運用していくことができるサービスモデルを、日本充電サービス様、ジャパンチャージネットワーク様とともに作り上げていくこと。それが私たちにとっての次の目標です。
このシステムは、充電インフラであるばかりでなく、EV・PHV・PHEVに関連するほかの様々なビジネスの基盤にもなると私たちは自負しています。今後、さらに広範な分野のプレーヤーの皆様と連携しながら、日本におけるEV・PHV・PHEVシーンの活性化に寄与していきたいと考えています。
また、今回ご採用いただいたクラウドの仕組みは、これから設置が進んでいくとみられるFCV(燃料電池自動車)向けの水素ステーションでも活用することが可能です。今後はFCV市場でのビジネスモデル作りにも積極的に取り組んでいきたいと思います。
所在地 | 東京都港区三田3-11-36 三田日東ダイビル6F |
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設立 | 2014年5月 |
資本金 | 1億円 |
概要 | トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車工業、日本政策投資銀行、東京電力、中部電力の計7社によって設立された合同会社。電動車両(EV・PHV・PHEV)用充電器をネットワーク化して運営。統一的な充電サービスを提供する。 |
URL | http://www.nippon-juden.co.jp/ |
(2015年03月26日)