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各国や企業の新型コロナウイルス対応事例に見る
New Normal時代のAgile成功メソッド

新型コロナウイルスによって前倒しになった感のあるNew Normal時代の幕開け。企業は、新しい時代に対応した価値を提案しなければ成功を収めることはできない。そのヒントを考える上で、避けて通れないのが新型コロナウイルスによる新常識である。お客様におけるデジタル戦略の策定・実装で多くの実績をもつNECのリードコンサルタント川又 健が、各国や企業の新型コロナウイルス対応事例の成功、失敗の要因から、これからのビジネスに役立つ示唆を分析する。

新型コロナウイルス対応の成否に隠れた重要な示唆

──New Normal時代に対応することはすべての企業にとって命題です。取り組みを成功させるには、どのようなポイントがありますか。

NEC
デジタルビジネスプラットフォームユニット
戦略コンサルティングオフィス
川又 健

どんなサービスを提供するかという「お客様接点改革」、そして、サービスを提供する際の「スピード」と、サービスを安心して利用してもらうための「セキュリティ」が重要だと考えています。現在の社会で最も大きな課題ともいえる新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための各国の取り組みを見ても、このことを示すさまざまな事例が生まれています。これらの事例を分析し、どんな取り組みが成功したのか、多くの人に受け入れられたのかを知ることは、パンデミック対応だけでなくNew Normal時代の価値創出やビジネスにおいても大きな示唆を含んでいます。

まず、感染拡大の第二波、第三波を受けて、現在も日本を含めた諸外国でロックダウンや外出制限などの緊急対策が行われていますが、これまでの各国の対応を振り返っても特にスピードが際立っています。例えば、多くの国が小・中・高校に対する臨時休校のような措置を行いましたが、ほとんどが公表してからわずか数日で休講を開始しています。オランダなどは、2020年3月15日の午後5時半に通達したにもかかわらず、翌日の16日から休講措置を開始しています。緊急事態宣言やロックダウンのような処置に関しても同様です。日本をはじめ、多くの国が宣言の発令や対象範囲の拡大に基づく措置を即日、翌日に実施するようなスピードで行っています。

もちろん人命に関する問題だからという理由はありますが、以前ならこのようなスピード感を伴った対応は難しかったのではないでしょうか。このスピード感こそNew Normal時代の新しい常識です。

──新型コロナウイルスの感染拡大に対応する中で生まれた新しいサービスもありますね。

有名な事例では台湾の「eMask」の事例は代表例ですね。日本でもマスクを買うために街の薬局の店頭に行列ができたりしましたが、この現象は世界中で起こりました。台湾は、それにいち早く対処したのです。

具体的には、マスクを国民全員に行き渡らせるため、国を挙げてマスク製造に取り組んだり、実名制での販売を導入したりしただけでなく、誰もが公正に購入できるようにリアルタイム検索アプリであるeMaskを開発、提供。検索すれば最寄りの店舗のマスクの在庫がわかるようにして、そこから予約までをできるようにしました。まさにデジタルが新しい価値を生み出した好例です。マスクの買い占め騒動が勃発してから、わずか2週間での対応というスピードもNew Normalに求められる価値に合致しています。実際、調査でも、約8割が政府の対応に満足していると回答しています。

サービスが新しい価値につながっている例はほかにもあります。コロナ禍によってモノを売るほとんどの企業が業績の低下を余儀なくされています。しかし、あるスポーツアパレルは、スマートフォンアプリを通じたトレーニング体験の提供をビジネスの軸にシフトしたことが奏功して、市場の予想を超える売り上げを達成。ライバル企業が株価を大きく下げる中、反対に急騰するパフォーマンスを見せました。

大きなダメージを受けている飲食業の中にも成功事例があります。あるファーストフードチェーンは感染拡大を受けてから1カ月でモバイルオーダーサービスを拡充。ファーストフード全体では売り上げが低下しているにもかかわらず、売上高前年同月比を向上させています。

これらお客様接点に関する事例は、これから求められる顧客接点改革のヒントになるでしょう。

情報保護の観点なしにはサービスが成立しない時代に

──セキュリティについては、どのような事例がありますか。

新型コロナウイルス感染者への接触があったかどうかを通知するコロナ追跡アプリにまつわる各国の対応が参考になります。

例えばドイツのサービスは、国営の通信キャリアとソフトウェア企業が6週間で開発したといわれています。このアプリで最も注目すべきなのが、最初からEUにおける個人情報保護法に当たるGDPR(General Data Protection Regulation)に準拠しており、プライバシー保護団体からも好意的に受け入れられたことです。そのカギとなっているのは、患者データなどを中央管理するのではなく、個人の携帯端末に分散保存される仕組みとなっていること。これにより、ユーザ自身が情報を管理しやすくなっているのです。結果、このアプリは他国のアプリに比べて高いダウンロード率となっています。

一方、対照的だったのがイギリスやフランスのアプリです。これらはデータを集中管理する仕組みを採用していたのですが、Bluetoothを常時接続設定していないと機能しない、個人情報の流出に懸念があるなどの課題が顕在化。リリース1カ月後に提供を中止し、3カ月後に再リリースしています。提供スピードは重視されるべきですが、セキュリティの視点・考慮が欠落すると結果として提供までに余計に時間がかかる事例になります。

健康管理を一元的に行えるなど、データを集中管理するメリットは多数あります。しかしこの事例は、New Normal時代においてセキュリティを無視した取り組みは、ユーザに受け入れられない可能性があるということを示しています。ただ、国によっては、情報を集中管理する仕組みが機能している場合もあり、情勢やユーザのニーズの見極めも重要といえそうです。

──コロナ追跡システムにおいては、NECも開発に貢献しているそうですね。

大阪のコロナ追跡システムにおいて、問い合わせ業務をサポートするAIチャットボットの開発を担いました。要請を受けてから10日間でリリースし、導入後わずか2週間で問い合わせ件数の多い上位3つの質問への適切な回答率80%を実現しました。

リリース後もチャットボットやコールセンターに寄せられた質問を分析して、ホームページとFAQの内容に反映。その結果、ホームページとFAQ、AIチャットボットという無人チャネルで問い合わせの99.5%をカバーしています。しかも、その30%はコールセンターの時間外に受け付けており、府民への迅速かつ柔軟な情報提供と、問い合わせ対応にまつわる負荷軽減を高いレベルで両立しています(図1)。

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図1 大阪のコロナ追跡システムにおけるAIチャットボットの実装と結果
要請を受けてから10日間でリリースした上、既存チャネルの改修にも貢献。府民への迅速かつ柔軟な情報提供と、問い合わせ対応の負荷軽減を両立した

3つのサービスで変革を支援

──New Normal時代に向けて、NEC自身は、どのようなことに取り組んでいますか。

テレワークは、新型コロナウイルスの感染拡大のための暫定的な処理ではなく、新しい働き方として広く社会に受け入れられています。教育では、大学の多くでオンラインと対面の併用が一般化、GIGAスクール構想の前倒しなど、小中高でもオンラインに強い教育環境の整備が加速しています。新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとなって始まった新しい習慣の多くが、New Normal時代の社会を形づくり始めているのです。

コロナ禍で明らかになった「お客様接点改革」「スピード」「セキュリティ」を意識することは、これから緊急対策や回復と成長のためのDXに取り組む際に、必ず大きな指針になるはずです。

NECは、3つのサービスを中心に「お客様接点改革」「スピード」「セキュリティ」を軸にしたお客様の変革を支援していきます。

1つ目は「DX戦略・構想策定コンサルティング」。お客様のDXの進捗を客観的に分析し、他社の事例やトレンドを踏まえながら、お客様のDXの取り組み方針と施策実現に向けたロードマップの検討を支援します。

2つ目は「Enterprise Agileな組織の構築」。これはスピードを備えた組織に生まれ変わるためのサービスです。NECでのこれまでのAgile開発サポートの実績に加えて、戦略コンサルティンググループによるマネジメント層の取り組み、会社全体における投資やプロジェクトポートフォリオ管理・人財育成に至るまで包括的にこの取り組みをサポートします(図2)。

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図2 Enterprise Agileな組織の構築
アジャイルの手法、マインドの定着を促し、スピードを備えた組織に変革する

最後の3つ目が「サイバーセキュリティコンサルティング」です。お客様がNew Normal時代にふさわしいセキュリティを実装するために、コンサルティングから具体的な製品・ソリューション・サービスの選定までをトータルに支援します。

ともにNew Normal時代を歩むパートナーとしてNECに期待してください。

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