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「社員のウェルビーイング」向上が人事戦略のカギに
~AIが対話を通じて、幸福感の高い社員を育む~
企業の持続的な成長を支える源泉は、働く社員です。幸福感の高い社員は仕事に前向きに取り組み、その力を存分に発揮してくれます。こうしたことから、近年「ウェルビーイング(Well-being)」という考え方が広がりを見せています。働く環境や待遇面だけでなく、いかに“働きがい”を感じられるか。これが企業の競争力を大きく左右します。そうした中、NECは社員のウェルビーイング向上をAIで支援する「Digital Well-being Assistant」を開発しました。ここでは、その活用シーンやメリットを紹介しつつ、今後の人事戦略のヒントを考察します。
【ホワイトペーパー】
「社員のウェルビーイング」向上が人事戦略のカギに
~AIが対話を通じて、幸福感の高い社員を育む~
全文はPDFダウンロード(NEC ID登録が必要)にてお読みいただけます。
目次
- 多くの企業が社員のウェルビーイング向上に注力する理由
- AIチャットボットが対話を通じて行動変容を提案
- NECの社内実証でウェルビーイングの維持・向上効果を確認
- お客様に寄り添い、人事戦略をアップデート

以下、本レポートの前半部分を掲載しています。
多くの企業が社員のウェルビーイング向上に注力する理由

AI・アナリティクス事業統括部
AIサービスプランナー
茂刈 春華
企業経営において「人的資本経営」の重要性が高まっています。これは、働く人を資本ととらえ、投資を行うことによって、その能力を最大限に引き出すことで、企業価値の向上を目指す経営論です。こうした背景から注目されているのが「ウェルビーイング」です。
ウェルビーイングとは、社会と健全なつながりを持ち、心身ともに良好な状態にあること。人のモチベーションや生産性は、職場や仕事に対する満足度・幸福度と密接な関係にあるため、人事戦略として社員のウェルビーイング向上に取り組む企業が増えつつあるのです。
特にミレニアル世代やZ世代は、働き方や仕事に対する価値観が前世代と大きく異なり、ウェルビーイングをとても重視します。社会貢献に対する意識が強く、滅私奉公ではなく、自分らしさを大切にした中で、自らの力を発揮したい、と考える傾向があるのです。ウェルビーイングに力を入れる企業は、多くの人がそこで働きたい、と考えるようになります。その結果、企業ブランドが構築され、優秀な若手人材の採用活動でも、優位に立つことができるでしょう。
またウェルビーイングが高い人ほど継続就業意向が高く、創造性や生産性が高いこともわかっています。企業が持続的な成長を目指す上でも、ウェルビーイングは重要な要素なのです。
NECも中期経営計画「NEC 2030VISION」の中で「人に寄り添い心躍る暮らしを支える~Well-being 心身の良好な状態~」という目指す社会像を掲げ、NEC自らが“働きやすさ”だけでなく、“働きがい”を感じられる職場づくりに力を入れています。
その一環として、慶應義塾大学 前野隆司研究室とウェルビーイングに関する共同研究に取り組みました。前野教授は日本の「幸福学」、ウェルビーイング研究の第一人者です。NECで働く社員のウェルビーイングを計測した結果、「相手に感謝を伝えた」「経験のないことに挑戦した」といった幸せの4因子にかかわる行動を自然に行っている人はウェルビーイングが高いことがわかりました。(図1)
4つの因子は自らの行動に起因するものであり、自らの行動を変えれば、ウェルビーイングを高めることができるわけです。
2022年6月には「健康に気をつかうように、幸せに気をつかおう」という共同メッセージを掲げ、その共同研究の成果を発表しました。

幸福学では、幸せの全体像を4つの因子で可視化している。研究結果から、行動を変えていけばウェルビーイングが向上すると考えた
AIチャットボットが対話を通じて行動変容を提案
行動を変えることでウェルビーイングが向上することはわかりましたが、問題は“誰が行動変容を促すか“です。上司が行うと指示や指導と受け取られ、逆にストレスになる可能性があります。同僚では、行動自体が見えてしまうので、言われたからには行動しないとまずい、言ったのに行動してくれない、といった場合には、お互いの人間関係に影響が出てしまいます。そこでNECはAIチャットボットに注目しました。AIであれば、ニュートラルな立場で行動変容を提案できます。受け取る社員も構えることなく、気軽に向き合えます。
こうして研究成果に基づいた対話と行動変容提案のロジックを構築しました。これをAIチャットボット「NEC Digital Assistant」に実装して生まれたのが、働く人のウェルビーイングの維持・向上を支援する「Digital Well-being Assistant」です。これはAIチャットボットとの対話形式によるコミュニケーションを通じて、ウェルビーイングを高めるための行動変容を促すソリューションです。
AIチャットボットが発信するメッセージには、2つのタイプがあります。1つは「Tips(行動)タイプ」です。NECで実証した行動変容提案モデルを用いて、ウェルビーイングの維持・向上に効果が見込める具体的な行動を提案します。
例えば、幸福学から「ありがとう」という感謝の気持ちがウェルビーイングに大きく影響することがわかっています。AIチャットボットは対話の中で「仕事の関係者に感謝の言葉を伝えてみよう」などとアドバイスします。これは提案であって強制ではありません。やってみようと思ったら「やってみる」、気が乗らないなら「やめておく」とワンクリックで返答すればいいのです。相手が人だと忖度する気持ちが働いてしまいますが、相手がAIなら気軽に本音で答えられます。
もう1つは「Thoughts(思考)タイプ」です。幸福学に基づいて「仕事での失敗や不安な感情をあまり引きずらない方ですか?」といった問いかけを発信します。振り返りと自省を促すことで、ウェルビーイングの維持・向上につながる“気付き”を与えてくれます。
NECの社内実証でウェルビーイングの維持・向上効果を確認
NECでは、このDigital Well-being AssistantをNECグループの社員に利用してもらい、AIチャットボットとのやりとりによって、ウェルビーイングがどれくらい向上するか、を計測しました。
この社内実証の結果、明らかな効果を確認できました。例えば、・・・
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