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多様な働き方への環境づくり

取り組み方針

NECでは、HR(Human Resources)方針のもと「会社の成長」と「個人の成長と幸せ」の実現のため、当社の事業の成長を担う人材を育成し公正な評価を行っています。そして、より生産性が高く、働きやすい環境の整備を進めています。

公正な評価の実現に向けては、年齢、性別などにかかわらず事業への貢献に応じた評価を行う処遇制度を確立し、各種法令、労働協約、社内規程に基づいて、役割と成果に応じた適正な賃金、賞与を支給しています。さらに、確定拠出年金制度、従業員持株会、企業年金などを設置し、中長期的なモチベーションにつながるインセンティブを導入しています。また、「同一労働同一賃金関連法」の趣旨をふまえ、正規雇用者向け制度の一部を有期契約従業員などの非正規雇用者も利用できるようにしています。

こうした処遇制度をはじめ、福利厚生制度、ワーク・ライフ・バランスの実現、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる働き方については労使間で協議を行い、協力しながら働きやすい職場環境の整備を進めています。

特に、法定水準を上回る育児介護関連制度の整備や、他社に先駆けて2000年に導入した在宅勤務制度など、多様な人材が活躍できる環境の整備に取り組んでいます。

これらの取り組みの結果として、エンゲージメントスコアを2025年度に50%まで上げていくことを目標としています。なお、NECでは「PDFNECグループ人権方針」の中で、国際労働機関(ILO)などが示す各種ガイドラインを参照し、従業員が労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)を保有することを認めています。

推進体制

人事部門およびビジネスユニットを主体として、労使で連携を取りながら活動を進めています。当社がNEC労働組合と締結している労働協約書において、団体交渉権を保証しているほか、賃金、労働時間その他重要な労働条件を変更する場合は、労使で協議する旨を定めており、会社との協議の場として年2回の中央労使協議会などを実施しています。

なお当社では、労働協約書において、管理職や特定業務を担う一部の一般従業員などを除くすべての従業員が組合員であることを定めています。

施策と2020年度の主な活動実績

柔軟な働き方の推進

NECグループでは、コロナ禍における事業の継続と柔軟な働き方の両立に向け、各種施策に取り組みました。

テレワークのさらなる推進

当社は、日本国内においてサテライトオフィスを社内外約50拠点に展開しています。また、グループ従業員の能力を最大限に発揮し、新たな価値創造を継続的に推進するためのコワーキングスペース「BASE」を2019年度にNEC本社ビル内、2020年度にはNEC玉川事業場、府中事業場にも設置しました。「BASE」は、従業員自らが心身のコンディションを整えながら自律的に仕事の仕方をデザインできる場、さまざまな組織間のコラボレーションを促進し、より創造的な仕事ができる場を目指しています。

2019年度末までに8割を超える従業員がテレワークを実践していたことから、2020年4月に新型コロナウィルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が発出された際もスムーズにテレワークをベースとした働き方に移行し、事業を継続することができました。コロナ禍において、従業員やその家族の安全・安心を最優先にした対応を取りながら、リモートとオンサイトを最適に組み合わせたハイブリッドな働き方を推進しました。

また、職種や業務特性に合わせた環境整備や、テレワークをベースとした働き方の中でさらに効率や生産性を高めることを目指し、ITの活用を進めました。これらの取り組みが評価され、一般社団法人日本テレワーク協会の2020年度「テレワーク推進賞 会長特別賞」を受賞しました。2019年度の「会長賞」に続き連続受賞となりました。

スーパーフレックスの導入

会社が画一的な働き方を提示するのではなく、事業やメンバーの状況に合わせた働き方を職場で考えるスタイルへの移行を目的に、当社は2019年10月から、コアタイムを廃止し、コアタイムのないフレックスタイム制度(スーパーフレックス)を導入しました。テレワークと併用することで、従業員一人ひとりの働く時間と場所の自律的なデザインを後押しし、個人やチームがより高い生産性を発揮できることを期待しています。

ドレスコードフリーの推進

当社では、働く時間と場所を自律的にデザインするとともに、年間を通じてその日の働き方に最適な服装を自ら選択する「ドレスコードフリー」を、2019年10月から推進しています。最先端ICTを提供する企業としてカジュアルな装いを活かし、従業員の自由な発想や階層・垣根の低いオープンなコミュニケーション、従業員同士のコラボレーションの促進を期待しています。

個々人の成長へとつなげる評価の実施

NECでは、以前から上司・部下の双方向の対話をベースとした評価育成の仕組みを導入しています。全従業員において、上司と部下が1on1ミーティングを通じて、組織目標と一人ひとりの役割に応じた目標を十分にすり合わせます。また、その目標達成に必要な能力やスキルを高めるためのトレーニング、個々人の希望するキャリアなどもふまえ、上司が育成計画を考え、実行します。そして、その達成度や成長度合いについてフィードバックを行うことで、個々人のさらなる成長やキャリア形成につなげています。

2018年度からは、Code of Valuesというグループ共通の新たな行動基準を策定し、日常的な1on1ミーティングの中で、成果だけではなく、より行動面にフォーカスしたフィードバックやコーチングを強化しています。それに向けて、管理職層に対しあらためてフィードバックや行動評価の重要性を伝え、マネジメント強化に向けたトレーニングを実施しています。

本人が希望する以外に業務上の必要がある場合は、職場職種の変更、転勤、出向などの異動を行いますが、その際は、7日前までに労働組合に通知することを労働協約書に定めています。

なお、当社の従業員の平均年間給与は8,294,708円で、年齢・性別による違いはありません。また、平均勤続年数は18.9年です(いずれも2021年3月31日現在)。

ワーク・ライフ・バランス

NECでは、柔軟な働き方の実践と過重労働の防止および休暇取得促進について、各国の関連法制度を遵守し、労使で協力して取り組んでいます。

当社および国内関係会社では、労使協議を経て、2016年度からは、健康状態のチェック対象となる労働時間の基準を月80時間以上から70時間以上へ見直し、過重労働の防止の取り組みを強化しました。また、上記基準に満たない希望者についても産業医面談を行う体制を作るなど、従業員の健康確保に努めています。さらに、各ビジネスユニットや各地区の労使委員会において状況を確認し、働き方改革による労働時間短縮、健康確保を行うとともに、休暇取得を促進しています。

2018年には、当社従業員を対象に「治療と仕事の両立のためのガイドライン」を作成し、がんや難病などの治療や療養のために短時間勤務や短日勤務*などを利用できることを示し、従業員が安心して働き続けられる体制を整えています。

さらに2019年4月には、「労働基準法」の改正に伴い、当社および国内関係会社において勤務管理システムを更新しました。労働時間の適切な把握と時間外労働時間の厳格な管理を行い、労働時間に起因する事故などが起こらないよう潜在リスクを早期に把握し、必要に応じて対策を実施する仕組みを設けています。

こうした取り組みの結果、2020年度の当社の平均残業時間は、前年度より微増の1ヵ月当たり19.9時間でした(前年度は19.0時間)。従業員一人ひとりの働く時間と場所の自律的なデザインをより一層推進し、残業時間の削減を進めていきます。

  • *
    あらかじめ設定した週の1日を不就労日とし、当該曜日は勤務しないことを認める制度

自律型福利厚生制度の導入

当社では2020年4月から、カフェテリアプラン型の新しい福利厚生制度「Will be」をスタートしました。会社が仮定したモデル型のライフプランに沿った福利厚生ではなく、従業員が自ら選びデザインすることができるよう、従業員に一定額のポイントを付与し、それぞれがそのポイントの範囲内でニーズに合わせて多様なサービスを選択する福利厚生制度です。成長のための自己投資や健康増進サービス、育児・介護サービスの利用補助、時短家電の購入など、幅広いラインアップを設け、従業員のさまざまなニーズに応えています。2020年度は「クイックマニュアル」設置や「3分で分かるカフェテリアプラン」の動画配信を行うなど、従業員一人ひとりのGrowth & Well-beingがより促進されるよう、制度周知・浸透にも取り組んでいます。2021年1月末現在の申請Webログイン者数は約19,000人となっています。

当社では、法制化以前から他社に先駆けて育児・介護休職制度を導入しています。新しい福利厚生制度においても、育児・介護を行う従業員には、基本ポイントとは別に育児ポイント・介護ポイントを付与し、育児・介護との両立支援に引き続き注力しています。

年金制度の見直し

これまで当社の年金制度は、確定給付年金(DB年金)と確定拠出年金(DC年金)を併用して積み立てていましたが、雇用の流動化やキャリアの多様化などの環境変化に伴い、2020年10月にDC年金に一本化しました。

従来のDB年金制度は長期雇用を前提としたものでしたが、この見直しにより、従業員の多様なキャリア選択を阻害することなく、安心して資産形成を進められる年金制度に移行することができました。

また、年金の制度見直しに先立ち、従業員から信頼されるDC年金運営体制の確立と教育機会の提供による従業員の自律的な資産形成を促すため「NECグループDC年金委員会」を立ち上げ、継続的に商品モニタリングや従業員への投資教育の実施などを進めてきました。

このような取り組みが評価され、2020年度には第9回日本DCフォーラムにおいて、「DCエクセレントカンパニー表彰」を受賞しました。

育児支援

当社では、従業員の仕事と育児の両立支援として、育児休業、育児短時間勤務制度などを設けています。また、前述の福利厚生制度のほかにも、両立支援に関する管理職研修や育児休職中の従業員のプラクティスアップ研修などを実施しています。こうした取り組みの結果、当社は、2007年、2012年、2015年に「次世代認定マーク」(愛称「くるみん」)を取得しています。加えて、行動計画に盛り込まれていない施策も順次実施し、従業員のさらなるワーク・ライフ・バランスを推進したことで、2018年には「プラチナくるみん」認定を取得しました。

介護支援

当社では、従業員の仕事と介護の両立支援として、介護休暇制度、介護短時間勤務制度および介護短日勤務制度などを設けています。

今後、家族に要介護者がいる従業員がさらに増加することが予測される中、仕事と介護を両立させるための支援を目的とした介護支援制度の拡充に取り組んでいます。

当社における主な制度は次のとおりです。

  • 1.
    従業員が、その親を同居または近距離で介護するために転居した場合に費用補助を行う介護転居費用補助制度
  • 2.
    要介護度の高い親の介護のために、住宅改修や介護施設入居などが必要となり、従業員が多額の負担をした場合に、費用補助を行う介護環境整備支援金制度
  • 3.
    介護者の孤立感・焦燥感の軽減を目的として、介護関係のきめ細かい情報提供と生の声の共有を柱としたポータルサイト「介護支援Webサイト」の開設

育児・介護関連制度利用者数の推移

単位:人
    2018年度 2019年度 2020年度
育児休職取得者 男性 33 40 67
女性 348 314 307
合計 ✔ 381 ✔ 354 ✔ 374
育児短時間勤務者 男性 21 14 5
女性 824 767 760
合計 845 781 765
介護休職取得者 男性 9 7 8
女性 15 8 4
合計 ✔ 24 ✔ 15 ✔ 12
介護短時間勤務者 男性 4 10 5
女性 19 16 15
合計 23 26 20
※対象範囲:日本電気(株)
※✔ を付している実績については、第三者による保証・検証を受けています。

2020年度は、育児短時間勤務者や介護休職取得者数が減少しました。これは、テレワークやスーパーフレックスの浸透により、育児短時間勤務や介護休職などを取得しなくても、仕事と両立できる従業員が増えたことが要因であると考えています。

自らのキャリアをデザインし成長していくための取り組み

人生100年時代といわれる今、「働く」価値観が大きく変化しています。産業構造や事業環境の変化が加速する中、それに合わせて会社も従業員もコアコンピタンス(強み、専門性)を持ち、積極的にアップデートをかけていくことが競争力の源泉となります。このような時代では一人ひとりが現状の仕事や会社の枠組みにとらわれることなく、自立的に自身の価値観、専門性、強みを見つめ、自ら在りたい姿を描き、その実現に向け具体的な行動につなげていく「キャリアオーナーシップ」が必要不可欠です。

従業員一人ひとりが大切にする価値観に照らしたキャリアを歩むことで、個々人の成長と幸せにつながるよう、会社はキャリアプランを考え行動することができる環境を整備し、自発的なスキルアップや希望するポジションへの挑戦を支援、後押しする仕組みを整えています。特に主体的なキャリア形成に向けた関連プログラム(研修プログラムや関連制度)は2020年度に「My Career Design」という名称に刷新し、新たに体系化して展開しています。また、こうした機能を強化し、従業員のキャリアオーナーシップを支援することを目的とし、2020年にNECライフキャリア(株)を設立しました。

社外からの評価

当社は、職場環境に関して以下のように社外から評価を受けています。

えるぼしマーク

女性活躍推進法に関わる優良企業としての認定マーク。
当社は、「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」および「多様なキャ リアコース」の5つすべての項目において法が定める認定基準をクリアしていると認められ、2016年4月に1回目の認定企業として最高位の「三つ星」を取得しました。

えるぼしマーク

次世代認証マーク「プラチナくるみん」(愛称「くるみん」)

「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証である「くるみん」を、当社は、2007年、2012年、2015年に取得しています。
2018年には、くるみん認定をすでに受け、相当程度両立支援制度の導入や利用が進み、高い水準で取り組みを行っている企業として「プラチナくるみん」の認定を取得しました。

次世代認証マーク「プラチナくるみん」(愛称「くるみん」)

健康経営優良法人

特に優良な健康経営を実践している企業や団体を、大規模法人部門と中小規模法人部門の2部門に区分して顕彰する制度。
当社は「健康経営優良法人2021」に、その中でも優れた企業として、「ホワイト500」に認定されています。
なお、「健康経営優良法人」には2018年から継続して、「ホワイト500」には、2018年、 2019年にも認定されています。

健康経営優良法人ホワイト500