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インクルージョン&ダイバーシティ

取り組み方針

NECでは、PDF「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)において、人種、信条、年齢、社会的身分、門地、国籍、民族、宗教、性別、性的志向・性自認、および障がいの有無などを理由とした差別行為や、いじめ、ハラスメント、児童労働、強制労働など、個人の尊厳を損なう行為を禁止しています。また、NEC Wayに基づいた人権への取り組み方針を詳述している「NECグループ人権方針」においても、これらを謳うとともに、あらゆる企業活動の場面において、一人ひとりの個性を尊重し、個人の尊厳を傷つける行為をしてはならないと明記しています。

このようなインクルージョン&ダイバーシティ(以下、I&D)を真のカルチャーとして定着させることがNECの経営戦略であり、イノベーションの源泉であると考え、以下の視点で取り組みを進めています。

  • NECのESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」である「多様な人材」の1つとして、異なる価値観・文化を理解し、受け入れ、さまざまなアイディアをぶつけ合いながら社会価値を創造し、イノベーションを創出できるチームを牽引するリーダーの育成
  • アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)への正しい理解と、マネジメントを通じて、年齢、国籍、性別、性的指向・性自認、障がいの有無などに関係なく、公平な雇用と従業員へのキャリア機会を提供

「 一人ひとりの違いを強みに変え、変化にしなやかに対応し、強く勝ち続ける組織づくりとカルチャーの変革」を最終的なゴールとする。

推進体制

役員級プロフェッショナルであるコーポレート・エグゼクティブがリードする「I&Dグループ」では、社内の関係部門と連携しながら、女性の登用・活躍推進、障がい者雇用促進、性的マイノリティ(LGBTQ)に対する理解・支援諸施策の実施などに加え、日本で働く外国人従業員やキャリア採用者のスムーズなオンボーディングに関する施策を展開し、社内の多様な人材がその個性や特性を活かしながら、能力を最大限に発揮できる施策の立案と実行、カルチャーの醸成を行っています。

2021年度は取り組みをより一層加速するため、CEOを委員長とする「I&D推進委員会」および「I&D変革チーム」を全社横断体制として立ち上げました。トップの強力なリーダーシップのもと、経営者と担当者、テーマによっては当事者が同じテーブルで議論し、I&D推進のためのアイディアを出し合い、具体的なアクションを決定・実行しています。委員会での議事内容はイントラネット上で公開し、トップの意思決定について社内周知しています。

施策と2021年度の主な活動実績

グローバルな人材採用の推進

NECでは、グローバル事業の拡大に向けて、研究、技術、営業、スタッフの各部門で外国人を採用し、各部門のグローバル対応力の向上および多様性の推進を図っています。

各部門における外国人の採用
  • 新卒の外国人留学生の採用のほか、海外の大学研究者を対象とした採用活動を実施
    (2021年度外国人新卒採用人数:8人)
人事交流
  • 海外現地法人から従業員を積極的に受け入れ、人事交流や人材育成を実施
10月入社制度
  • 外国人や海外の大学に在籍する日本人、海外留学経験者への対応として10月入社制度を整備
祈祷室の設置
  • 宗教的な配慮が必要な従業員のために、本社ビルに祈祷室を設置

女性の登用・活躍推進

グローバルカンパニーとして、より多くの女性従業員が経営の意思決定やリーダー的ポジションに参画している姿が望ましいとの考え方から、以下の3つの目標値を定めて施策を実施しています。

  目標(2026年4月1日時点) 2022年
目標と進捗 1. 2025年度までに取締役、監査役および執行役員に占める女性または外国人の割合を20%にする 9.4%
(6月30日現在)
2. 2025年度までに全管理職に占める女性の割合を20%にする*1 8.1%
(4月1日現在)
3. 2025年度までに全従業員に占める女性の割合を30%にする 20.3%
(4月1日現在)
施策
  • すべての階層・職種における女性の積極採用
  • ReadinessとAwarenessを意識した育成
  • タレントマネジメントによる着実な登用
対象範囲:日本電気(株)
  • *1
    当社の事業遂行職である女性主任比率は約20%程度、担当者は約50%であることをふまえ、女性管理職比率は主任比率同様の20%という目標を設定しています。
  • 厚生労働省のWebサイト内にある「女性の活躍推進企業データベース」で対象となる全項目を公表しています。

30%Club Japanへの加入

2020年、役員のジェンダーバランスの向上に向け、30%Club Japanに加入しました。これらは、NEC Wayの Purposeで目指す「持続可能な社会の実現」とも相通ずる考え方です。

当社では30%Club Japanの趣旨・活動に賛同し、メンバーとしてさまざまな施策に取り組み、役員のジェンダーバランスの向上に取り組んでいきます。

女性従業員向けタレントマネジメントプログラム

女性従業員の幅広い層から有望人材を選出し、女性管理職比率の向上を目指しています。

当社の行動価値基準であるCode of Valueを体現するリーダーとしての一層の活躍推進と社内からの役員輩出を目指し、有望人材へ階層別の体系的な育成プログラム開発し、実施しています。

  • 主任層の有望人材を対象とする、リーダーシップ開発プログラム、フォーラム、シニアポジションの女性従業員とのパネルディスカッション、上司向けワークショップ
  • すべての階層のプール人材育成プログラムにおける女性有望人材参加比率の意識的な確保
  • 有望人材を対象とした、役員やCHROとのラウンドテーブルの実施

社内外におけるイベント・トレーニング・推進活動

国際女性デーにちなんだ社内
オンラインイベント
  • 2022年3月8日の国際女性デーに合わせて、女性従業員の活躍を応援し感謝するとともに、多様な人材が活躍し継続的にイノベーションを生み出す会社を目指して、I&Dをテーマにした社内オンラインイベント「NEC Inclusion & Diversity Day」を開催
  • 毎月行っているCEO森田と従業員との対話の場「CEOタウンホールミーティング」に加え、幅広い分野で活躍されているタレント、エッセイストの小島 慶子さんをゲストスピーカーに招き、「多様性とキャリア」をテーマに「ハフポスト日本版」との連動イベントを実施
  • 海外含むNECグループ従業員を対象に「Driving Innovation for the Future」と題し、森田と海外現地法人やグループ会社のリーダーによるパネルディスカッション実施。
  • 本イベントには全世界から約1万3千人のNECグループ従業員がリアルタイムで参加
アンコンシャスバイアス
トレーニング
  • 2019年度より、役員、事業部長に対してアンコンシャスバイアストレーニングを開始
  • 2020年度は、多様性マネジメントの重要性や、アンコンシャスバイアスに対する理解を深めるためのトレーニングをオンラインで実施
  • 2021年度は、外部有識者によるアンコンシャスバイアスのトレーニングをマーケティング業務に携わる従業員約300人に対して拡大。並行して多様性を取り入れたビジュアルコンテンツ活用講座を開催し、理解を深める活動を推進
Welcome Back セミナー
~働き方とキャリアを
デザインしよう~
  • 2014年度から育児休職復職者向けに開催
  • 2019年度に対象をNEC国内関係会社にも拡大
  • 2021年度は、2日間にわたってオンラインで実施し、8社から計115人が参加。今後は女性だけでなく男性の育児休職取得が増えていく中で、男性部下の育児休職取得も想定したマネジメントやコミュニケーション実施への働きかけ
女性営業職を対象とした
キャリア開発
  • 2015年度より続いている「全国女性営業職会議」に、2021年度は全国から47人の女性営業職がオンラインで集い、ワールドカフェおよびディスカッションに参加。「女性の身体と健康」をテーマに世代別に分科会を実施し、合計27人が参加
  • 2018年度より当社を含む5社で実施している「女性営業職異業種交流会」が2021年度はオンラインで開催され、若手の営業職女性97人が参加
女性管理職による
ダイバーシティ推進活動
  • 2014年度から、NECの女性管理職有志の会「Scarlet Elegance in NEC(通称:SELENE)」で、女性従業員向けに、役員や幹部、外部講師を招いた対話イベントや勉強会を開催
経営トップの関与
  • 2021年9月に開催された「国際女性ビジネス会議」(オンライン開催)にCEO森田、シニアレベルの女性リーダー2人およびグループ会社の従業員55人が参加

男性向けの育児休職取得推進に向けた取り組み

男性育児休職取得者とその上司に対してインタビューを実施して実体験を社内に公開することで、男性の育児休職取得を促進しています。

障がい者雇用の推進

NECでは、「できることは自分で、できないことは助け合って」という考え方のもと、現在、障がいのある従業員399人(2022年6月1日現在、NEC、NECフレンドリースタフ(株)、NECマネジメントパートナー(株)の合計値)が働いています。NECでは2022年時点で法定雇用率の2.3%を超過していますが、グループ会社では未達の会社もあるため、今後もグループ全体で雇用率向上を推進していきます。

「障がい者採用窓口」の設置
  • 採用選考のバリアフリー化を進めるため「障がい者採用窓口」を設置
  • 選考においてはオンライン試験や面接における情報保障(音声可視化、試験問題の点字対応)や、専門機関と連携した候補者一人ひとりの障がい内容の把握、合理的配慮*2の検討を実施
  • 入社前には内定者とともに配属先の職場や日常でよく利用する場所のバリアフリー状況を確認するなど、障がい特性に応じたサポートを実施
2023年度新規採用者向け施策
  • NECグループ会社合同のオンラインセミナーを開催
  • 入社後の業務内容やサポートを理解し、不安なくNECグループで働くことがイメージできるよう、事業内容の説明や障がいを持ちながら働いている先輩従業員との懇談会、メルマガ配信などを実施
NECグループI&D推進会議
  • NECグループの障がい者雇用の状況や取り組み内容を共有
  • 各社の障がい者雇用担当者の情報交換を促進し、合同セミナーや見学会などの共同企画を推進
  • *2
    合理的配慮:障がいのある労働者の有する能力を有効に発揮するにあたり、支障となっている事情を改善するための措置

The Valuable 500への署名

NECは、2019年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発足した障がい者の活躍推進に取り組むイニシアチブ「The Valuable 500」に賛同し、署名しました。障がいのある従業員が、その能力を発揮できる環境づくりに継続して取り組むほか、障がいのある方が、安全・安心・公平・効率の実現により豊かな社会生活を送ることができるよう、事業活動を通じた障がい者支援やパラスポーツの支援を通じた社会貢献を行っていきます。

特例子会社——NEC フレンドリースタフ(株)

NECは、2003年3月に障がい者雇用特例子会社NECフレンドリースタフ(株)を設立し、知的障がい者および精神障がい者の雇用を推進しています。本社を府中事業場内に置き、田町、我孫子、玉川の各拠点に事業所を開設し、2022年6月1日現在、145人の障がい者を雇用しています。

テレワークなど働き方が変わる中で、従来の清掃や営業関係書類などの電子化業務に加え、オンライン研修での立ち上げサポートや在宅勤務の従業員宛の文書メールの確認作業および連絡、各種発送業務など受託業務を拡大し、NECグループの事業支援に貢献しています。また、NECグループのAI・DX事業において開発部門で生じる大量の学習用データ作成などの業務からオペレーショナルな作業を特例子会社で行う取り組みを長期的職域拡大施策として実施しました。これらの業務は、NECの業務効率化の推進に加え、コンプライアンス面の管理強化にも貢献しています。今後も、多様な事務支援業務の切り出しを前提に特例子会社の業務拡大を目指していきます。

シニア層の多様な働き方の支援

雇用延長
  • 意欲と能力のある人材に継続して活躍する場を提供するため、60歳以降も働くことを希望する従業員に対して、最長65歳まで雇用延長できる仕組みを導入
  • 2015年度からは職種、職務内容、勤務条件など本人の希望をふまえ、個人と組織双方のニーズのマッチングを図る仕組みとして、雇用延長者を対象とした人材公募を実施
NECグループ内外の職場への派遣・斡旋
  • 2021年度からプロジェクトマネージャーをはじめとした高度な技術的専門性や深い経験に基づくスキル・資格を持った人材を、NECグループ内外の職場に派遣・斡旋する取り組みを開始。シニア人材が長期的に、自分のライフスタイルに合わせた働き方で社会に貢献する機会を開拓

LGBTQ に対する取り組み

自分らしく安心して働ける職場づくりを進めるためには、LGBTQに関する正しい理解とAlly*3を増やすことが先決と考えています。それらに加え、LGBTQである従業員へ公平な制度利用機会を提供するため、2019年度より、経営層向けにLGBTQを理解するための研修、一次相談窓口になり得る人事部門メンバー向けにLGBTQの従業員が相談の際、安全・安心を感じられるように適切に対応するための研修を実施しています。

  • *3
    Ally(アライ):LGBTQ当事者の理解者であり応援者のこと
Allyの組織化と社内理解の
促進
  • 2019年度より、「顔の見えるAlly」が活動を開始し、現在5人が当事者からの問い合わせや相談に直接対応
    全従業員を受講対象にしたWeb研修「ダイバーシティと人権」の中ではハラスメントやアウティング*4の防止などの意識啓発や、社外からLGBTQ当事者をお招きしてのオンラインセミナーも実施
社内規程の改定
  • 2019年10月に「配偶者」の定義に、事実婚・パートナー関係にある相手を追加し、同性婚を含む事実婚も法的な婚姻関係と等しく扱えるようにするなど、14の社内規程を改定
「DIVERSITY CAREER FORUM 2021」
へのスポンサー出展
  • 「DIVERSITY CAREER FORUM」に5年連続で出展。2021年度はオンラインで開催され、全国からダイバーシティに高い関心を持つ大学生などが参加。参加学生に当社のI&Dの取り組みを紹介するとともに、オンライン交流会では当社のAllyメンバーやI&D推進者が「ロールモデル」として登壇し、参加学生と直接対話を実施
「PRIDE指標2021」
「ゴールド」受賞
  • 任意団体「work with Pride」が策定する、企業・団体などにおけるLGBTQなどのセクシャル・マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE 指標2021」において、2020年度に引き続き「ゴールド」を受賞
  • 「行動宣言」「当事者コミュニティ」「啓発活動」「人事制度/プログラム」「社会貢献/渉外活動」のすべての指標で評価基準を満たし、5点満点を獲得
公正な採用に向けて
  • 2018年度より、採用面談マニュアルの中にLGBTQに対する以下の記載事項を加え、採用面談員が適切に対応するよう注意喚起を実施、 エントリーシートの性別記入欄は廃止
    • 人権の観点から差別や個人の尊厳を傷つけるような面談を絶対に行わないこと
    • 面談時などにカミングアウトした場合でも、LGBTQに関する質問に終始しないこと
    • 本人の能力および業務適性のみで判断すること
  • *4
    アウティング:カミングアウトをした本人の了承なく、セクシャリティについて第三者に公言してしまうこと

キャリア採用者のインクルージョン

2021年度のキャリア採用入社は、新卒入社とほぼ同数の約600人です。キャリア採用者数の増加に伴い、下記のような取り組みを行っています。

面接担当者向けの
インタビュートレーニング
  • 2020年度より、キャリア採用の面接担当者向けのインタビュートレーニングをオンラインで実施
  • 採用戦略から実際の面接方法まで全体像に対する理解を深め、面接者としてのスキルの向上を図ることを目的に、インタラクティブな形で実施
  • 適正を見極める面接の実践、面接時のバイアスの払拭、多様な人材を登用することの重要性への理解促進
入社後
  • オンラインで入社時オリエンテーションを開催
  • 配属先部門へのオンボーディングマニュアルの配付
  • 入社一定期間後のアンケートによるVoE(Voice of Employee)収集

NEC以外での経験を持つキャリア採用の従業員には、他社での経験に基づいた多様な考え方や視点があります。配属先の各職場では、既存業務への改善の提案が行われるなど、キャリア採用者が触媒となり、カルチャー変革を加速しています。

地域コミュニティにおける取り組み

企業市民活動を通じて、地域コミュニティにおけるI&Dについての意識啓発と理解の促進、課題解決に向けた活動などにも継続して取り組んでいます。