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ESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」

当社は、ESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」を、企業と社会のサステナブルな成長を支える非財務(ESG/将来財務)基盤の強化に向けて取り組むべきテーマと位置づけています。

「2025中期経営計画」(以下、2025中計)の財務戦略においても、マテリアリティを中心とした非財務の取り組みの強化と透明性の高い情報開示によって、ESG投資に活用されるESGインデックスに継続して組み入れられることを目指しています。これは、ESGインデックスへの組み入れが社会および資本市場からの信頼の証左であることに加え、従業員の自社に対する誇りの醸成とモチベーション向上にもつながると考えていることからです。

当社のマテリアリティは、ISO26000、GRI Standard、国連グローバル・コンパクト原則、SDGs、SASBの業種別マテリアリティなどを参考に、さまざまな分野の有識者やステークホルダーの代表との対話をとおして特定しています。

2025中計におけるマテリアリティは、「2020中期経営計画」策定後、2018年度に特定したマテリアリティをベースに、事業環境や社会からの要請の変化に鑑み、2025中計の成長事業の関係者を対象とした「事業が生み出す社会・環境価値の検討ワークショップ」や社外の有識者との対話を経て、見直しを図りました。

2025中計で取り組む「マテリアリティ」
  • *1
    Science-based targets
  • *2
    Scope 1,2
  • *3
    調達金額ベースでの比率

マテリアリティの実践については、社内取締役および関連役員の役割定義書に明記するとともに、役員の業績評価KPIにも織り込むことにより、実効性を高めています。また、ESG調査や直接対話などをとおして、さまざまなステークホルダーからの評価・フィードバックを自社の取り組み改善に活かしています。

2020年度のマテリアリティの取り組み実績

マテリアリティ特定プロセス

2025中計策定にあたり、2018年度から継続して取り組んできたマテリアリティを、以下の基準で見直しました。

  • 社会・環境に対しても、自社にとっても、正負のインパクトが大きい非財務(ESG/将来財務)経営基盤テーマであること
  • 社会・環境視点で取り組み進捗が測れる、もしくは見える化できるテーマであること

その結果、事業テーマである「社会価値を創出する2020中期経営計画 成長領域」の2テーマは対象外とし、「持続的な成長実現の鍵」の4テーマに継続して取り組むこととしました。さらに、「事業が生み出す社会・環境価値の検討ワークショップ」において、社会公共性の高い事業の推進に対して社会から信頼を寄せていただくために、「コーポレート・ガバナンス」「サプライチェーンサステナビリティ」「コンプライアンス」も不可欠なテーマであることを確認し、上記7テーマを2025中計のマテリアリティとすることを取締役会に報告しました。

2020年度に取り組んだマテリアリティ

2020年度に取り組んだマテリアリティ

2018年度に特定したマテリアリティの特定プロセス

2020年度に再設定したマテリアリティ

2025中計の成長事業の関係者を対象とした「事業が生み出す社会・環境価値の検討ワークショップ」

2025中計の成長事業として位置づけている、DIGITAL GOVERNMENT/DIGITAL FINANCE(電子政府/デジタル金融)、GLOBAL 5G(グローバル5G)、CORE DX(デジタルIDの取り組みなどのデジタルトランスフォーメーション)の事業責任者・関係者を対象に、当社の事業による社会・環境価値や注力すべきESG視点の経営優先テーマについて議論するワークショップを開催しました。ファシリテータは、当社のサステナビリティ推進について、継続してアドバイスをいただいているピーター D.ピーダーセン氏に依頼しました。

参加者からは、事業推進にあたり、誇りを持って提供している社会・環境価値は、デジタルトラスト(信頼)とSDGsの「誰一人取り残さない」にもつながるデジタルインクルージョンであるとの意見が寄せられました。また、環境への貢献について、近年の状況に鑑み、あらためて考えてみると、環境課題に対してデジタルが貢献できる領域は多く、今後の事業推進に環境視点も織り込みたいとの発言もありました。

事業が生み出す社会・環境価値検討ワークショップの写真
事業が生み出す社会・環境価値
検討ワークショップ

気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応

気候変動によってもたらされる負の影響は、異常気象の発生による自然災害の増加、水資源の枯渇、食糧需給への影響など、多岐にわたります。

NECは、2050年に向けて自社の事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロにしていくとともに、お取引先とも連携してサプライチェーン全体からのCO2排出量を削減することで、世界全体での温室効果ガスの削減に貢献します。

また、省エネ型の製品・サービス、洪水や土砂災害などの自然災害リスクに備えるソリューションをはじめ、気候変動を核とした環境課題へ対応する製品・サービスを提供することで、お客さまや社会の気候変動対策に貢献していきます。

2025中計期間での主な取り組み

2030年SBT1.5℃達成に向けた環境経営を加速させるとともに、お客さまのビジネスをDX化することにより、当社のビジネスのみならず、お客さまのビジネスからのCO2排出量削減に貢献します。

NECは、2018年10月に「2030年度にCO2排出量を33%削減(2017年度比。Scope 1、2合計の絶対値)」という目標に対し、「SBT well below 2℃」の認定を受けました。さらに、2021年5月には、Scope 1、2の目標レベルを引き上げ、2030年までの削減目標を55%に強化する目標で「SBT1.5℃」の認定を受けました。

2021年度は、「NECエコ・アクションプラン2025」に基づき、SBT1.5℃達成に向け、省エネ化の徹底と、再生可能エネルギーの活用拡大を推進していきます。

2025年度達成を目指すKPI

2017年度比で、Scope 1およびScope 2におけるCO2排出量を33.6%削減することをKPIとします。

ICTの可能性を最大限に広げるセキュリティ

NECでは、特に情報セキュリティ、サイバーセキュリティの領域で、お客さまや社会が安全に安心してICTの恩恵を受けられるよう、リスクの最小化に向けた取り組みを推進しています。また、この取り組みを推進する人材の育成も強化しています。

2025中計期間での主な取り組み

セキュアな情報社会の実現に向け、サイバーセキュリティ対策強化と情報漏えいを防ぐための情報セキュリティ対策を確実に推進することで、重大セキュリティインシデントによる影響を極小化するとともに、NECグループの情報セキュリティのレファレンス事例やセキュリティを組み込んだ製品・システム・サービスを提供します。

また、自社の情報資産に加えてお客さまやお取引先からお預かりした情報資産を守るため、情報セキュリティ人材の育成を強化しています。

2025年度達成を目指すKPI

社会インフラを担う高度なセキュリティ人材を育成し、有資格者により適切なセキュリティ・バイ・デザインが行われていることを確認する指標として、CISSP*取得者数の倍増を目指します。

  • *
    CISSP(Certified Information Systems Security Professional):米国の非営利団体(ISC)2(International Information Systems Security Certification Consortium)が認定を行っている、国際的に認められた情報セキュリティ・プロフェッショナル認定資格

人権尊重を最優先にしたAI提供と利活用(AIと人権)

NECではNEC WayのPrinciplesに「常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重」を規定するとともに、役員から従業員に至るまで一人ひとりのふるまいを規定する「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)でも、あらゆる場面において人権を尊重することを明示しています。また、「NECグループ人権方針」では、NECのバリューチェーン全体にわたって人権尊重の取り組みを推進していくことを宣言しています。

さらに、AIやIoTは、人々の生活を豊かにする反面、その使い方によってはプライバシー侵害や差別などの人権課題を生み出す恐れがあることから、2019年に「NECグループAIと人権に関するポリシー」を発表しました。この指針で、NECグループがAIの社会実装や生体情報をはじめとするAIの利活用に関する事業を推進する際、役員から従業員一人ひとりに至るまで、企業活動のすべての段階において人権の尊重を常に最優先として念頭に置き、それを⾏動に結びつけることを謳っています。

2025中計期間での主な取り組み

「NECグループAIと人権に関するポリシー」をもとに、以下の3点に取り組んでいます。

  1. AIの利活用が、NECグループだけでなくお客さまやパートナーにおいても適正な用途で⾏われること
  2. 人権尊重を最優先としたAIの利活用促進に向けた技術開発と人材の育成を⾏うこと
  3. AIの利活用に関して、さまざまなステークホルダーとの連携・協働を促進すること

2025年度達成を目指すKPI

NECの事業活動への「NECグループAIと人権に関するポリシー」適用を目指します。

多様な人材の育成とカルチャーの変革

NEC WayおよびHR(Human Resources)方針に基づき、2025中計において、「人・カルチャーの変革」を掲げています。

2025中計期間での主な取り組み

イノベーションの源泉であるダイバーシティを加速させるとともに、多様なタレントのワークスタイルを支える働き方改革を実行します。

2025年度達成を目指すKPI

「人・カルチャーの変革」を含む、文化と経営基盤の変革をとおして、従業員エンゲージメントスコア50%*達成を目指します(2020年度実績は25%)。

また、多様なタレント人材活躍に対しては、以下の目標(NEC単独)を掲げています。

女性あるいは外国人が執行役員以上の役員(監査役を除く)に占める比率 20%
女性管理職比率 20%
  • *
    グローバル人事コンサルティング会社のKincentric社サーベイによる。スコア50%は概ねグローバル上位25パーセンタイルに該当し、Tier1レベル

コーポレート・ガバナンス

当社は、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化を図るために、以下を基本方針にコーポレート・ガバナンスを推進しています。

  1. 経営の透明性と健全性の確保
  2. スピードある意思決定と事業遂行の実現
  3. アカウンタビリティ(説明責任)の明確化
  4. 迅速かつ適切で公平な情報開示

2025中計期間での主な取り組み

コーポレート・ガバナンスのさらなる透明性向上を図ります。

2025年度達成を目指すKPI

透明性向上に向け、適時適正な取り組みを推進します。

サプライチェーンサステナビリティ

NECは、自社のみならずサプライチェーンを構成する調達取引先との協働・共創を通じて、環境や社会全体に与える影響に十分配慮しながら事業を行うことで、社会から信頼され、サステナブルな社会価値創造に貢献できると考えています。

2025中計期間での主な取り組み

すべての調達取引先に「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」を周知し、その内容を遵守する旨の宣言書を取得する活動を継続して推進します。

2025年度達成を目指すKPI

2020年度実績で調達金額の68%を占める調達取引先から取得している「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」の同意書の署名取得率を、75%以上まで引き上げます。

コンプライアンス

Principlesの「常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重」で、NECが社会価値創造型企業として、社会から信頼される存在であり続けるため、NECグループとして常にゆるぎないインテグリティの精神を持ち、人権を尊重することを謳っています。中でもコンプライアンスの実践は、社会価値創造型企業として、社会から信頼を寄せていただくために必要不可欠な取り組みです。

2025中計期間での主な取り組み

役員から従業員に至るまで、「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)の同意書に署名し、一人ひとりがコンプライアンスを自分事として認識し、規範に基づく行動を日々実践しています。

2025年度達成を目指すKPI

日々の実践を積み重ね、継続して重大なカルテル・談合行為の発生件数0件を目指します。

経営の透明性を図る取り組み

公正取引・腐敗防止をはじめとしたコンプライアンス徹底
人権尊重の取り組み
製品・サービスの品質の維持・向上の取り組み