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ESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」

当社が創業当初から実践してきた、社会や環境への配慮などの取り組みをより一層事業戦略と結びつけ、社会と自らの成長につなげていくため、「2020中期経営計画」の策定を機に2018年、ESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」を特定しました。

2020年度からは、NECグループの理念体系であるNEC Way改定を受け、NEC Wayに織り込まれた「ステークホルダーとの対話・共創」「イノベーション・マネジメント」「ガバナンス/コンプライアンス」を除く以下6テーマをマテリアリティとしています。

(図1)NECのESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」(2020年度再設定)

マテリアリティの取り組みにあたっては、社内取締役の役割定義書に取り組み事項を明記し、中期経営計画のPDCAの中で進捗を確認することで、サステナブル経営を自己評価しています。また、その取り組みの公開をとおし得られた社会からの評価・フィードバックを自社の取り組み改善に活かすとともに、従業員の自社に対する誇りの醸成とモチベーション向上の一助としています。

マテリアリティ特定プロセス

2018年の特定プロセス

マテリアリティ特定は、ISO26000、GRI Standard、国連グローバル・コンパクト原則、SDGsなどを参照したほか、さまざまな分野の有識者やステークホルダーの代表との対話、中期経営計画との連動を強く意識し、次のプロセスで取り組みました。

2018年に特定したマテリアリティは、次の3層の9テーマです。

(図2)2018年に特定した「マテリアリティ」(2018~2019年度)
  • (1)
    社会価値を創出する2020中期経営計画成長領域【2テーマ】
    「2020中期経営計画」の成長領域をESG視点で整理したもの
  • (2)
    成長に向けた変革のエンジンとして取り組むテーマ【2テーマ】
    社会に対するリスクの最小化はもとより、経済価値と社会価値を最大化するためのエンジンとなるテーマ
  • (3)
    持続的な成長実現の鍵となるテーマ【5テーマ】
    「2020中期経営計画」の実行はもとより、社会価値創造型企業の基盤として長期にわたり、経営全般で取り組むべきテーマ

さらに、各テーマの目指す姿を示すとともに、その達成度や社会価値(社会に対するインパクト)を測るための目標値を設定しました。価値の定量化が難しいマテリアリティについては、目標設定の背景や取り組みのプロセスを示すことでその達成度や社会価値を確認しています。例えば、「社会価値を創出する2020中期経営計画成長領域」で設定している2テーマは、社会価値提供への想いが強い事業を伸ばすことで、目指す姿に近づくとの考えから、シェア拡大などを指標に進捗を測っています。

2020年「NEC Way」改定を受けたテーマ見直し

2020年4月に発表したNEC Wayには、これまでマテリアリティとして特定していた次の3つのマテリアリティの目指す姿が織り込まれたため、2020年度は、これらを除く2層6テーマをマテリアリティ(図1)とし、取締役会で報告し、決定しました。

ステークホルダーとの対話・共創

Purposeに掲げる「Orchestrating a brighter world」の"Orchestrating"に、ステークホルダーとの対話・共創を進めていくという思いが込められていることから、NEC Wayそのもので実践する位置づけに変更しました。

「サステナビリティレポート2020」では、その対話や共創の事例として、以下をご紹介しています。

イノベーション・マネジメント

「あくなきイノベーションの追求」を会社の行動原則Principleの1つと位置づけたことを受け、イノベーション・マネジメントの推進は、NEC Way実践の一環で進捗を管理していきます。

「サステナビリティレポート2020」では、さまざまなイノベーションがあるなかで、技術力の強化と展開や、事業化に向けた取り組みがNECの強みであり、NECが社会に価値を提供し続けるための鍵になるとの考えから、これらに特化してご説明しています。

ガバナンス/コンプライアンス

Principlesの「常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重」で、NECが社会価値創造型企業として、社会から信頼される存在であり続けるため、NECグループとして常にゆるぎないインテグリティの精神(高い倫理観と誠実さ、コンプライアンスもこのうちの1つ)を持ち、人権を尊重することを謳っています。したがって、ガバナンス/コンプライアンスも、NEC Way実践の一環で進捗を管理していきます。

「サステナビリティレポート2020」では、「常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重」に向けた取り組みを以下でご紹介しています。

経営の透明性を図る取り組み

公正取引・腐敗防止をはじめとしたコンプライアンス徹底
人権尊重の取り組み
製品・サービスの品質の維持・向上の取り組み

マテリアリティ

現在のマテリアリティは次の6テーマです。

社会価値を創出する「2020中期経営計画」 の成長領域

「2020中期経営計画」で成長事業として位置づけた「NEC Safer Cities」「持続可能なスマートサプライチェーンの形成」「安全・快適なコネクテッドカーの実現」を、ESG視点では「NEC Safer Cities」と「NEC Value Chain Innovation」として整理しました。

NECの製品・サービスを広くお客さまにご利用いただくことによって、私たちが提供できる社会価値も大きくなっていくとの考えから、「2020中期経営計画」で掲げた財務指標を活用して進捗を測っています。一方、製品・サービスが社会にどのような価値をもたらすことができるのかを定量的に示すことにも取り組んでいます。

NEC Safer Cities(社会と暮らしのDX)

都市への急速な人口集中により、経済の発展や生活・文化の多様化が新たな価値を創造する一方で、犯罪やテロなどの増加が懸念されます。NECは、生体認証や映像解析を含むAI、IoT関連の先端技術を活用し、人々がより自由に、個人の能力を最大限に発揮して豊かな生活を送ることのできる、安全・安心で、公平・効率な都市の実現を支えます。

進捗を測る指標と2019年度の取り組み

2020年度に向けて掲げる財務指標である、海外売上2,000億円をマテリアリティの指標とし、事業を推進しています。

NEC Value Chain Innovation(企業と産業のDX)

食料廃棄や労働力不足、消費環境の変化、多様化する脅威など、社会や企業はさまざまな課題に直面しています。

NECは、最先端のデジタル技術を活用し、お客さまとの共創活動を通じて、人やモノ、プロセスを企業・産業の枠を超えてつなぎ、新たな価値を生み出します。そして、地球との共生、企業の持続的な成長と人が豊かに生きる社会を支え、未来を創ります。

進捗を測る指標と2019年度の取り組み

サービスの開発・提供数を伸ばすことで、社会価値増幅を目指します。例えば、需給最適化を目指す「Value Chain Innovation」を推進することで、SDGsの目標12のターゲット12.3の「生産・サプライチェーンにおける食品ロスの減少」に貢献します。

2020年度までに日本国内において、「NEC Value Chain Innovation」をはじめとする成長分野で、850億円の売り上げ拡大を目標としています。2019年度はVCIの導入事例数が拡大しました。

持続的な成長実現の鍵となるテーマ

気候変動を核とした環境課題への対応

気候変動によってもたらされる負の影響は、異常気象の発生による自然災害の増加、水資源の枯渇、食糧需給への影響など、多岐にわたります。

NECは、2050年に向けて自社の事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロにしていくとともに、お取引先とも連携してサプライチェーン全体からのCO2排出量を削減することで、世界全体での温室効果ガスの削減に貢献します。

また、省エネ型の製品・サービス、洪水や土砂災害などの自然災害リスクに備えるソリューションをはじめ、気候変動を核とした環境課題へ対応する製品・サービスを提供することで、お客さまや社会の気候変動対策に貢献していきます。

進捗を測る非財務指標と2019年度の取り組み

自社のサプライチェーン全体からのCO2排出量やリスクを最小化するだけでなく、緩和と適応の両面からICTを通じてお客さまや社会に対する提供価値を拡大することを目指しています。2019年度は、NECのサプライチェーン全体からのCO2排出量748万トン(前年度比約8%減)に対し、NECのICTが創出した価値が3,906万トン(CO2換算。前年度比約16%増)と約5.2倍となり、前年度(4.1倍)*から増加しました。

指標:サプライチェーン全体のCO2排出量に対するCO2排出削減貢献量

  • 2020年度目標:5倍
  • 2019年度実績:5.2倍

また、2019年度はNECプラットフォームズタイの生産工場に太陽光発電と電力関連設備の最適化を行うシステムを導入しました。これにより従来の工場購入電力量を約40%削減できる見込みです。
これらの取り組みが評価され、2020年1月には国際的な非営利組織のCDPから、「気候変動」および「ウォーター」の2部門で最高評価である「Aリスト」企業に選定されました。

  • *
    CDP:投資家・企業・都市・国家・地域が環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している国際的な非営利組織

なお、2018年7月にTCFDへの賛同を表明するとともに、2018年10月に、「2030年度にCO2排出量を33%削減(2017年度比。Scope1,2合計の絶対値)」という目標に対し、SBTの認定を受けています。

  • *
    Task Force on Climate-related Financial Disclosures(TCFD):
    気候関連財務情報開示に関する在り方の提言
  • *
    Science Based Targets(SBT):
    パリ協定の2℃目標と科学的に合致した企業のCO2排出削減目標

社会受容性に配慮したプライバシー

企業に対し、EUの一般データ保護規則(GDPR)や日本の個人情報保護法をはじめ、各国・地域の関連法令等を遵守するだけでなく、国や地域、文化によって捉え方に違いのあるプライバシーや、差別等の人権課題に配慮した製品・サービスを開発・提供することで、社会への負の影響を最小化するだけでなく、その取り組みをとおして社会価値を最大化していくことが求められています。

NECではNEC WayのPrinciplesに「常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重」を規定するとともに、役員から従業員に至るまで一人ひとりのふるまいを規定する「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)でも、あらゆる場面において人権を尊重することを明示しています。また、「NECグループ人権方針」でNECのバリューチェーン全体にわたって人権尊重の取り組みを推進していくことを宣言しています。

さらに、AIやIoTは、人々の生活を豊かにする反面、その使い方によってはプライバシー侵害や差別等の人権課題を生み出す恐れがあることを受け、2019年に「NECグループAIと人権に関するポリシー」(以降、全社ポリシー)を発表しました。この指針で、NECグループがAIの社会実装や生体情報をはじめとするAIの利活用に関する事業を推進する際、役員から従業員一人ひとりにいたるまで、企業活動のすべての段階において人権の尊重を常に最優先として念頭に置き、それを⾏動に結びつけることを謳っています。

進捗を測る非財務指標と2019年度の取り組み

2019年度は、以下指標でマルチステークホルダーとの対話を継続し、全社ポリシーをふまえた取り組みをチェックするほか、全社ポリシーの考え方を、関連事業のフレームワークへの組み込みを進めました。

  • 指標:「NECグループ AIと人権に関するポリシー」の浸透と、事業活動への組み込み推進(マルチステークホルダーとの対話を含む)
  • 2019年度実績:

    • 社外有識者を議長とする「デジタルトラスト諮問会議」を設置・開催し、外部有識者のアドバイス・知見を取り込んだ
    • 「NECグループ AIと人権に関するポリシー」に準じた人権尊重の取り組みを事業遂行プロセスに組み込んだ

また、研究所を中心に、アカデミアとのイニシアチブも活用し、秘密計算技術、匿名化技術、公平性に配慮した顔認識技術など、NEC独自の技術力を継続して強化しています。

ICTの可能性を最大限に広げるセキュリティ

セキュリティもプライバシー同様に、NECが事業活動をとおして安全、安心、公平といった価値を社会に届けるため、お客さまやお取引先などを含むバリューチェーン全体で取り組むべきテーマです。

NECでは、特に情報セキュリティ、サイバーセキュリティの領域で、お客さまや社会が安心してICTの恩恵を受けられるよう、リスクの最小化に向けた取り組みを推進しています。

進捗を測る非財務指標と2019年度の取り組み

セキュアな情報社会の実現に向け、以下2つの指標でリスクの最小化と価値の最大化の進捗を測っています。

2019年度も、CIOおよびCISOを中心に、リスク最小化に向けた取り組みと、情報セキュリティおよびサイバーセキュリティ対策に資する製品・システム・サービスの提供を継続して推進しました。

  • 指標:

    • (1)サイバーセキュリティ対策強化と情報漏えいを防ぐための情報セキュリティ対策を確実に推進することで、重大セキュリティインシデントによる影響を極小化する
    • (2)NECグループの情報セキュリティのレファレンス事例やセキュリティを組み込んだ製品・システム・サービスを訴求する

社会感度の高い人財育成

NEC WayおよびHR(Human Resources)方針にもとづき、高い倫理観を持ち、お客さまや社会の本質的な課題を深く理解して顧客起点・社会視点で常に行動し、社会価値を創造し続けることのできる社会感度の高い人材づくりと組織風土・文化の醸成に取り組んでいます。

進捗を測る非財務指標と2019年度の取り組み

社会感度の高い"人財"を育成し、その人財を核に社会価値を創出できているか、スピード感のある組織風土が醸成されているかを、以下の指標で確認しています。

  • 指標:会社が、多様な価値観を受け入れ、社会価値を創造する方向に変革している実感を持つ従業員比率
  • 2019年度目標:
    NECおよび国内・海外子会社の従業員を対象としたサーベイで、変革の実感について「強くそう思う」「そう思う」と回答する比率を2018年度23%から、7%アップの30%に上げる
  • 2019年度実績:
    前年度比2.3%アップの25.3%。目標とする比率には達成しなかったが、サーベイ回答率が向上したため、回答人数は前年度比約1.8倍に増加

2019年度は、Code of Valuesの高いレベルでの実践と、人と組織の変革施策の考え方をまとめたHR方針を策定し、実行力の強化、プロフェッショナル人材の育成、次世代リーダー人材の育成を柱とした人材開発・育成施策を推進しました。

2020年度は、HR方針の「多様な挑戦機会」「限りない成長機会」「フェアな評価/次へ繋がるリワード」「ベストを尽くせる環境/文化」を推進する施策を実行していきます。

HR方針「挑戦する人の、NEC。」