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ESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」

経済価値と社会価値を生み出すために設定するESG視点の経営優先テーマ

NECの目指す「Orchestrating a brighter world」の実現に向け、NECが経済価値と社会価値の双方を創出する上で、ESG(環境、社会、ガバナンス)視点で優先して取り組み、NECの強みとすべきテーマを「マテリアリティ」として、次の3層で特定しました。

  1. 持続的な成長実現の鍵となるテーマ
    自社にとってのリスクのみならず、社会に対するリスクを最小化するとともに、NECが生み出す社会価値を最大化するために優先的に取り組むテーマとして、以下の5つを特定しました。
    • ガバナンス/コンプライアンス
    • 気候変動を核とした環境課題への対応
    • 社会感度の高い人財の育成
    • 社会受容性に配慮したプライバシー
    • ICTの可能性を最大限に広げるセキュリティ
  2. 成長に向けた変革のエンジンとして取り組むテーマ
    社会に対するリスクの最小化はもとより、経済価値と社会価値を最大化するためのエンジンとして、以下の2つを特定しました。
    • ステークホルダーとの対話・共創
    • イノベーション・マネジメント
  3. 社会価値を創出する2020中期経営計画 成長領域
    「2020中期経営計画」で成長領域として設定した以下2領域を、ESG視点からも経営が優先的に取り組むべきテーマとして位置づけました。
    • NEC Safer Cities
    • NEC Value Chain Innovation

持続的な成長実現の鍵となるテーマ

自社にとってのリスクのみならず、社会に与えるリスクを最小化するとともに、NECが生み出す社会価値を最大化するために優先的に取り組む5テーマを特定し、取り組みの進捗を測る非財務指標を設定しました。

また、この5テーマのうち、人財育成、プライバシー、気候変動については、社外の有識者との対話を実施し、いただいたコメントを取り組み方針の策定や非財務指標設定の参考にしました。

対話の詳細は

をご参照ください。

ガバナンス/コンプライアンス

NECは、1899年の創業以来、お客さまをはじめとする社会からの信頼を礎に事業活動を進めてきました。健全で透明性の高いガバナンス体制のもと、役員から従業員に至るまで、一人ひとりがコンプライアンスを最優先にして、継続的に業務を遂行することが信頼につながると考えています。

特に、公正取引・腐敗防止をはじめとしたコンプライアンスの徹底は、信頼の獲得とその維持に不可欠な取り組みです。NECは、バリューチェーンを構成するお取引先やパートナーとも協力してコンプライアンスを徹底しています。

また、人権課題にも優先して取り組んでいます。NECの役員と従業員全員に「NECグループ人権方針」を適用するとともに、NECの企業活動がバリューチェーンの中で、人権に対して負の影響を与えた場合には、その救済、またはそれに準じた協力を行うよう努め、再発防止に取り組みます。

さらに、"ベタープロダクツ・ベターサービス"をモットーに長年にわたり取り組んでいる製品・サービスの品質の維持・向上にも、引き続き優先的に取り組みます。

取り組みの進捗を測る非財務指標

NECでは、コンプライアンス違反の撲滅に向け、役員から従業員に至るまで、一人ひとりが真にコンプライアンスを最優先にした行動をとれるよう、社内教育を徹底し、以下指標の達成を目指します。

  • 指標:重大なカルテル・談合行為の発生件数
  • 2018年度目標: 0件

気候変動を核とした環境課題への対応

気候変動によってもたらされる負の影響は、異常気象の発生による自然災害の増加、水資源の枯渇、食糧需給への影響など、多岐にわたります。

NECは、2050年に向けて自社の事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロにしていくとともに、お取引先とも連携してサプライチェーン全体からのCO2排出量を削減することで、世界全体での温室効果ガスの削減に貢献します。

また、省エネ型の製品・サービス、洪水や土砂災害などの自然災害リスクに備えるソリューションをはじめ、気候変動を核とした環境課題へ対応する製品・サービスを提供することで、お客さまや社会の気候変動対策に貢献していきます。

取り組みの進捗を測る非財務指標

自社のサプライチェーンのCO2排出量やリスクを最小化するだけでなく、ICTを通じてお客さまをはじめとして社会に対し、緩和と適応の両面から提供価値を拡大することが持続可能な社会の実現に不可欠です。以下の目標を掲げて活動を強化します。

  • 指標:サプライチェーン全体のCO2排出量に対するCO2排出削減貢献量
  • 2020年度目標: 5倍

社会感度の高い人財育成

NECは、社会価値創造に向け、お客さまをはじめとする多様なステークホルダーとの対話・共創をとおして、お客さまをはじめとする社会のニーズや潜在的な課題をいち早く察知し、スピード感をもって課題解決に貢献する製品・サービスを提供できる"人財"を育成し続ける必要があります。

この思いを役員から従業員に至るまで浸透させるために、2016年に、NECグループの人材育成の基本的な考え方である「人財哲学」を制定しました。

NECはこの「人財哲学」に基づき、多様な価値観を受け入れ、社会価値を創造し続ける"人財"を育成することで、お客さまをはじめとする社会に受け入れられる製品・サービスを提供していきます。

取り組みの進捗を測る非財務指標

社会感度の高い"人財"を育成し、その人財を核に社会価値を創出できているか、スピード感のある組織風土が醸成されているかを、以下の指標で確認します。

  • 指標:会社が、多様な価値観を受け入れ、社会価値を創造する方向に変革している実感を持つ従業員比率
  • 2018年度目標:NECグループの従業員に対する意識調査「One NECサーベイ」の設問を見直して、2020年度に向けた具体的な目標値を設定する。

社会受容性に配慮したプライバシー

プライバシーの侵害や差別といった人権に関する負の影響は、AIやIoTの活用が広がるにつれ、拡大する恐れがあります。

2018年5月から施行されたEUの「一般データ保護規則(GDPR)」への対応にとどまらず、国や地域、文化によって捉え方に違いのあるプライバシーや、AIの活用によって助長される可能性のある差別問題等の人権課題に配慮した製品・サービスを開発・提供することで、社会への負の影響を最小化するだけでなく、その取り組みをとおして社会価値を最大化していきます。

取り組みの進捗を測る非財務指標

法遵守はもとより、プライバシーに配慮した製品・サービスの提供を、お取引先や販売パートナーと連携して推進するため、以下の指標を設定し、プライバシーをはじめとする、NECの事業活動における人権尊重の考え方を明確にします。

  • 指標:
    (1)人権、プライバシーの観点から取り扱いが難しいケースに関し、マルチステークホルダーとの対話を実施
    (2)「Human Rights by Design」*に基づく研究、商品開発、サービス提案への織り込み数
  • 2018年度目標:
    (1)四半期に1度実施する。
    (2)2020年度に向けた具体的目標値を設定する。
  • *
    プライバシーや公平性など人権尊重の考え方をバリューチェーンの各プロセスに組み込むこと

ICTの可能性を最大限に広げるセキュリティ

セキュリティもプライバシー同様に、NECが事業活動をとおして安全、安心、公平といった価値を社会に届けるため、お客さまやお取引先などを含むバリューチェーン全体で取り組むべきテーマです。

NECでは、特に「情報セキュリティ」「サイバーセキュリティ」の領域で、お客さまや社会が安心してICTの恩恵を受けられるよう、リスクの最小化に向けた取り組みを推進しています。

取り組みの進捗を測る非財務指標

セキュアな情報社会の実現に向け、以下2つの指標でリスクの最小化と価値の最大化の進捗を測っています。

  • 指標:
    (1)サイバーセキュリティ対策強化と情報漏えいを防ぐための情報セキュリティ対策を確実に推進することで、重大セキュリティインシデントによる影響を極小化する。
    (2)NECグループの情報セキュリティのレファレンス事例やセキュリティを組み込んだ製品・システム・サービスを訴求する。

成長に向けた変革のエンジンとして取り組むテーマ

ステークホルダーとの対話・共創

お客さまや社会の価値観が常に変化する中、お客さまや社会にとって真に価値のある製品・サービスを提供するためには、さまざまなステークホルダーと対話し、共創するプロセスを、企業活動に組み込んでいく必要があります。

ステークホルダーとの対話を通じて、お客さまや社会の課題やNECの取り組みに対する社会の声に気づき、共に価値を創る仲間をつくり、共創へとつなげることで、NECが目指す「Orchestrating a brighter world」で描く世界を実現したいと考えています。

なお、対話や共創を推進することは、NECの事業活動に常に組み込むべきプロセスであるという考えに基づいて、非財務指標は設定していません。

PDFステークホルダーとの対話・共創

イノベーション・マネジメント

創業以来、NECは"ベタープロダクツ・ベターサービス"をモットーに、技術力を培ってきました。社会は常に変化しており、求められる技術も変容しますが、時代の変化を適切に捉えたイノベーション・マネジメントを実行することで、社会が求める技術を、製品・サービスとして、社会価値を創出していきます。

NECは継続的なイノベーション創出のため、売上収益の4%程度を研究開発に投資しています。一方、イノベーション・マネジメントにより、どれだけ社会価値が生まれたかを測るための非財務指標は設定していません。これは、イノベーション・マネジメントによる社会価値創出効果が、技術が製品・サービスとして社会に価値を提供して初めて計測可能になる性質であると考えているためです。

社会価値を創出する「2020中期経営計画」の成長領域

「2020中期経営計画」で成長事業として位置づけられている「NEC Safer Cities」「持続可能なスマートサプライチェーンの形成」「安全・快適なコネクテッドカーの実現」を、ESG視点では「NEC Safer Cities」と「NEC Value Chain Innovation」を成長領域として設定しました。

社会価値は、NECが提供する製品・サービスによって創出されるものであるという考えのもとで、2020中期経営計画で掲げた財務指標を活用して進捗を測ります。

一方で、中期経営計画の進捗を管理する中で、提供する製品・サービスをとおして、NECが社会にどのような影響を与えることを目指すのかを非財務の観点からも定量的に示せるように、検討を継続していきます。

NEC Safer Cities

都市への急速な人口集中により、経済の発展や生活・文化の多様化が新たな価値を創造する一方で、犯罪やテロなどの増加が懸念されます。NECは、生体認証や映像解析を含むAI、IoT関連の先端技術を活用し、人々がより自由に、個人の能力を最大限に発揮して豊かな生活を送ることのできる、安全・安心で、効率・公平な都市の実現を支えます。

取り組み進捗を測るための非財務指標

例えば、生体認証ソリューションの導入数、AI活用型の防犯・防災システムの導入団体数など、NECの製品・サービスを広くお客さまにご利用いただくことによって、提供する社会価値は、質量ともに大きくなっていきます。

2020年度に向けては、海外での売上拡大に特に注力し、海外売上2,000億円を目標として掲げています。

NEC Value Chain Innovation

食料廃棄や労働力不足、消費環境の変化、多様化する脅威など、社会や企業はさまざまな課題に直面しています。
NECは、最先端のデジタル技術とお客さまとの共創活動を通じて、人やモノ、プロセスを企業・産業の枠を超えてつなぎ、新たな価値を生み出します。そして、地球との共生、企業の持続的な成長と人が豊かに生きる社会を支え、未来を創ります。

取り組み進捗を測るための非財務指標

サービスの開発・提供数を伸ばすことで、社会価値増幅を目指します。
例えば、需給最適化を目指すValue Chain Innovation を推進することで、SDGsの目標12のターゲット12.3の「生産・サプライチェーンにおける食品ロスの減少」に貢献します。

2020年度までに日本国内において、NEC Value Chain Innovationをはじめとする成長分野で、850億円の売り上げ拡大を目標としています。

SDGs達成に貢献するNECの取り組み

マテリアリティの特定にあたり、優先して取り組むSDGsの目標やターゲット*も特定すべきか否かを、有識者を交えて議論しました。

NECは2013年に社会価値創造型企業への変革を掲げ、社会課題起点で事業を遂行してきましたが、2015年に国連でSDGsが採択されてからは、社会課題起点での事業遂行に、確信をもって取り組んでいます。
また、ICTはさまざまな課題に対応できるポテンシャルを持っており、お客さまをはじめとする多様なステークホルダーと対話・共創することで、SDGsの目標すべてに、少なからず貢献できると考えています。
例えば、2020中期経営計画の成長領域である「NEC Safer Cities」と「NEC Value Chain Innovation」においてNECが主体的に貢献していきたいという目標だけでも、右図のように、3番、7番、8番、9番、11番、12番、16番、17番と多岐にわたっており、目標として掲げることのできるターゲットも複数個あります。
一方、社外の有識者からは、取り組むSDGsを絞り込むことにより、事業展開の領域や、製品・サービスが提供する社会価値の可能性を自ら狭めてしまうリスクがあるとの指摘も受けました。

  • *
    SDGsは17の目標(Goal)と169のターゲットが設定されている。

そこでNECが広くSDGsに貢献しようとしている姿を示すべく、各マテリアリティに対し、「NECが主体的、能動的に貢献していきたい目標」と、「NECが貢献できる、あるいは今後取り組みたい目標」をターゲット単位で整理しました(下図)。またSDGsを、NECの事業が目指すべき目標の設定や、NECの事業が生み出す社会価値を測る指標として積極的に活用できるよう、今後、社内の啓発活動を進めていきます。